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同一労働同一賃金の最高裁判決について

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 ○中小企業戦略【総務の知恵】  2018.6.19
 同一労働同一賃金の最高裁判決について  vol.327
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 なかはしです。
6月18日、朝、大阪北部で、震度6弱の強い地震がありました。
なかはしは、いつもは、大阪メトロ一本で通勤しているのですが、
自転車と大阪メトロバスで、ようやく事務所に到着すると、エレベーターが
がストップして、12階まで、徒歩で上がり、良い運動になりました。
いまだ、ガス、水道など都市インフラの停止が続いている地域の方々のご心労をお察しいたます。

<同一労働同一賃金の最高裁判決について>
 6月1日に最高裁は、2つの事件について判決を出しました。
その一つである長澤運輸事件では、従業員66人の運送会社において、
昭和55年から平成5年までに入社した従業員が60歳で定年退職し、
その後、定年後再雇用契約をして、継続勤務していました。
この再雇用契約労働条件は、職務内容と勤続場所は、定年前と同じで、
雇用契約上、転勤もありうるという内容でした。
しかし、正社員のときの給与と定年再雇用の給与とに相違があるとして、
従業員が会社に対して、正社員のときと同一水準の賃金を請求しました。

1)第1審 東京地裁は、定年前後においてその職務遂行能力において、
  有意な差が生じないとして給与格差は、不合理な差異として、労働契約法
  第20条に違反するとしました。

2)労働契約法第20条:同一の使用者の下で、有期契約労働者
  無期契約労働者労働条件が異なる場合、労働条件の違いは業務内容、
  業務に伴う責任の程度、職務内容、配置の変更の範囲その他の事情を
  考慮して、不合理なものであってはならない。
  いわゆる同一労働同一賃金の根拠になっている条文です。

3)第2審 東京高裁は、従業員定年退職後も引き続いて雇用されるにあ
  たり、その給与が引き下げられることは、公知の事実であると言って差し
  支えない。収支が大幅な赤字となっていることを考慮すると、年収ベース
  で2割前後賃金が減額になっていることが直ちに不合理とは言えない
  第一審と第二審は、真逆の判決となり、世間の注目を集める中、最高裁
  が判決を下しました。

4)最高裁は、この事件について、精勤手当と超過手当(時間外手当)
  に関してのみ、東京地裁の判断を覆して、労働契約法第20条に
  違反すると判断しました。賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきもので
  あると解するとしました。

もうひとつのハマキョウレックス事件は、長澤運輸事件と異なり定年再雇用
賃金の争いではなく、有期契約社員と無期契約社員との待遇格差について
争われたものです。
1)第一審と第二審で異なった判断となった無事故手当について
  第二審の大阪高裁は、無事故手当1万円は、優秀なドライバー育成や安全な
  輸送による目的は、正社員だけでなく、正社員と契約社員ドライバーの両者に
  対して要請されるべきであるとしました。
2)最高裁の判決
  住宅手当は、正社員は転勤に伴う多額の支出が伴う一方、有期契約社員は、
  就業場所の変更の予定されていないとのことで、支給しなくても労働契約法
  第20条には違反しないとしました。
  他方で、皆勤手当無事故手当、作業手当、給食手当は、正社員と契約社員
  との職務上の違いが生じないとして、正社員のみ支給することを違法としま
  した。

最後に、諸手当について、性質の似た手当を支給している企業があります。今回
の判例をもとに、貴社の諸手当の支給基準見直しをお勧めいたします。

当事務所は、本当の中小事業主の味方です。
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
ご不明の点は何でもお気軽にお尋ね下さい。
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〒540-0011
         大阪市中央区農人橋2丁目1番31号 第6松屋ビル
          オフィス中橋 社会保険労務士 中橋章好
           http://www.e-soumu.co.jp/  
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