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~得する税務・
会計情報~ 第307号
【
税理士法人-優和-】
http://www.yu-wa.jp
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農家の
委託販売に関わる手数料の純額処理廃止について
早いようで、今年もいよいよあと2週間ほどとなりました。
私としては、1年があっという間に過ぎていくことを感じている今日
この頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は来年10月の
消費税率アップを迎えるにあたり、農家の
方に注意して頂きたいポイントとして、「農家の
委託販売に関わる手
数料の純額処理廃止」を説明したいと思います。タイトル長くてごめ
んなさい。
はじめに、総額処理と純額処理について記載します。
例えば、ある農家が農協(JA)に108,000円の売上と2,160円の委
託販売手数料があるとします。この場合に、農家へは
委託販売手数料
を差し引いた105,840円が支払われることになります。
ここで、
売上高を108,000円として処理する方法を総額処理といい、
105,840円として処理する方法を純額処理といいます。
総額処理でも
委託販売手数料を
経費処理するため、
所得金額としては
影響ありません。
しかし、
消費税の観点からは非常に重要な違いが発生します。
消費税は、免税
事業者や簡易課税制度といった小規模
事業者を対象と
した制度が設けられています。
免税
事業者は
売上高1000万円以下の
事業者に適用され、
消費税の納
税義務がなくなります。
簡易課税制度は、
売上高5000万円以下の
事業者が選択できる制度で
課税
売上高のみをもって納める
消費税額を計算することができます。
いずれも2年前の
売上高が基準となります。
どちらの制度も、納付する
消費税を少なく出来るメリットがあります
(注:簡易課税制度の場合には、原則課税と比較して有利な方を選択
します)。
今回の純額処理廃止の影響を、分かりやすい例示にて記載します。
例えば、総額売上10,500,000円、
委託販売手数料が600,000円の場
合に、純額処理ならば
売上高9,900,000円となり免税
事業者になりま
すが、総額処理になると、
売上高10,500,000円なので免税
事業者に
はなれません。
簡易課税でも同様のことが言えます。
つまり、純額処理を適用した方が有利になります。しかし、純額処理
が平成31年10月以降は利用できなくなります。
これは、農家の
売上高が軽減税率の対象で8%となり、一方で支払手数
料が本則税率の10%になり税率差が生まれるためだと考えられます。
来年は
消費税率のアップに加えて、飲食料品(酒類、外食を除く)
や週2回以上発行される新聞(定期購読に限る)に対して軽減税率の
適用があります。
経理処理を行うにあたり、非常に処理が煩雑になるかと思いますが、
がんばって正しい処理が出来るように心掛けていきましょう。
本原稿が、少しでも皆さまの参考にして頂けたら幸いです。
ますます寒い時期になっていきますが、くれぐれも御自愛いただき、
良い年末をお過ごしください。
来年以降も引き続き、
税理士法人優和 各本部を宜しくお願い申し上
げます。
※
消費税法基本
通達10-1-12(平成31年10月以降は廃止)
委託販売その他業務代行等(以下10-1-12において「
委託販売等」
という。)に係る
資産の譲渡等を行った場合の取扱いは、次による。
(平23課消1-35により改正)
(1)
委託販売等に係る委託者については、受託者が委託商品を譲
渡等したことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資
産の譲渡等の金額となるのであるが、その課税期間中に行った委託販
売等の全てについて、当該
資産の譲渡等の金額から当該受託者に支払
う
委託販売手数料を控除した残額を委託者における
資産の譲渡等の金
額としているときは、これを認める。
(2)
委託販売等に係る受託者については、委託者から受ける委託
販売手数料が
役務の提供の対価となる。
なお、委託者から課税
資産の譲渡等のみを行うことを委託されてい
る場合の
委託販売等に係る受託者については、委託された商品の譲渡
等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税
資産の譲渡等の金額とし、
委託者に支払う金額を
課税仕入れに係る金額としても差し支えないも
のとする。
◎簡易課税を適用する際の注意点:一旦、簡易課税を選択すると2年
間継続して適用しなければならない。例えば、今年は簡易が有利だけ
ど、来年に高額の
固定資産を購入する予定がある場合等は慎重に判断
するべきです。
◎免税
事業者を適用する際の注意点:免税
事業者は納税義務を免除さ
れるだけでなく、仮に還付になったとしても還付を受けることが出来
ません。簡易課税と同様に、高額の
固定資産を購入する予定があり、
還付が見込まれる場合には、課税
事業者の選択届出を行う必要があり
ます。
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購読解除は下記URLから
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発行者 優和 茨城本部 楢原功(
公認会計士・
税理士)
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ibaraki@yu-wa.jp
TEL:0280(22)6288/ FAX:0280(22)0285
〒306-0034
茨城県古河市長谷町36番9号
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農家の委託販売に関わる手数料の純額処理廃止について
早いようで、今年もいよいよあと2週間ほどとなりました。
私としては、1年があっという間に過ぎていくことを感じている今日
この頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回は来年10月の消費税率アップを迎えるにあたり、農家の
方に注意して頂きたいポイントとして、「農家の委託販売に関わる手
数料の純額処理廃止」を説明したいと思います。タイトル長くてごめ
んなさい。
はじめに、総額処理と純額処理について記載します。
例えば、ある農家が農協(JA)に108,000円の売上と2,160円の委
託販売手数料があるとします。この場合に、農家へは委託販売手数料
を差し引いた105,840円が支払われることになります。
ここで、売上高を108,000円として処理する方法を総額処理といい、
105,840円として処理する方法を純額処理といいます。
総額処理でも委託販売手数料を経費処理するため、所得金額としては
影響ありません。
しかし、消費税の観点からは非常に重要な違いが発生します。
消費税は、免税事業者や簡易課税制度といった小規模事業者を対象と
した制度が設けられています。
免税事業者は売上高1000万円以下の事業者に適用され、消費税の納
税義務がなくなります。
簡易課税制度は、売上高5000万円以下の事業者が選択できる制度で
課税売上高のみをもって納める消費税額を計算することができます。
いずれも2年前の売上高が基準となります。
どちらの制度も、納付する消費税を少なく出来るメリットがあります
(注:簡易課税制度の場合には、原則課税と比較して有利な方を選択
します)。
今回の純額処理廃止の影響を、分かりやすい例示にて記載します。
例えば、総額売上10,500,000円、委託販売手数料が600,000円の場
合に、純額処理ならば売上高9,900,000円となり免税事業者になりま
すが、総額処理になると、売上高10,500,000円なので免税事業者に
はなれません。
簡易課税でも同様のことが言えます。
つまり、純額処理を適用した方が有利になります。しかし、純額処理
が平成31年10月以降は利用できなくなります。
これは、農家の売上高が軽減税率の対象で8%となり、一方で支払手数
料が本則税率の10%になり税率差が生まれるためだと考えられます。
来年は消費税率のアップに加えて、飲食料品(酒類、外食を除く)
や週2回以上発行される新聞(定期購読に限る)に対して軽減税率の
適用があります。
経理処理を行うにあたり、非常に処理が煩雑になるかと思いますが、
がんばって正しい処理が出来るように心掛けていきましょう。
本原稿が、少しでも皆さまの参考にして頂けたら幸いです。
ますます寒い時期になっていきますが、くれぐれも御自愛いただき、
良い年末をお過ごしください。
来年以降も引き続き、税理士法人優和 各本部を宜しくお願い申し上
げます。
※消費税法基本通達10-1-12(平成31年10月以降は廃止)
委託販売その他業務代行等(以下10-1-12において「委託販売等」
という。)に係る資産の譲渡等を行った場合の取扱いは、次による。
(平23課消1-35により改正)
(1) 委託販売等に係る委託者については、受託者が委託商品を譲
渡等したことに伴い収受した又は収受すべき金額が委託者における資
産の譲渡等の金額となるのであるが、その課税期間中に行った委託販
売等の全てについて、当該資産の譲渡等の金額から当該受託者に支払
う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金
額としているときは、これを認める。
(2) 委託販売等に係る受託者については、委託者から受ける委託
販売手数料が役務の提供の対価となる。
なお、委託者から課税資産の譲渡等のみを行うことを委託されてい
る場合の委託販売等に係る受託者については、委託された商品の譲渡
等に伴い収受した又は収受すべき金額を課税資産の譲渡等の金額とし、
委託者に支払う金額を課税仕入れに係る金額としても差し支えないも
のとする。
◎簡易課税を適用する際の注意点:一旦、簡易課税を選択すると2年
間継続して適用しなければならない。例えば、今年は簡易が有利だけ
ど、来年に高額の固定資産を購入する予定がある場合等は慎重に判断
するべきです。
◎免税事業者を適用する際の注意点:免税事業者は納税義務を免除さ
れるだけでなく、仮に還付になったとしても還付を受けることが出来
ません。簡易課税と同様に、高額の固定資産を購入する予定があり、
還付が見込まれる場合には、課税事業者の選択届出を行う必要があり
ます。
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