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冬期の脱水症リスク

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。
 さらに、健康経営に関する公的資格者のために、安価で好立地のインキュベーションオフィスも展開しています。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「冬期の脱水症リスク」についてコラムを作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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冬期の脱水症リスク
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 産業医として業務する傍ら、医師の足りない救急病院で、救急対応の協力を行っていますが、今冬は脱水症の救急患者が多かったので、そこで経験した事例をふまえて労働衛生の観点で共有します。
 
◎脱水症
 成人あれば、人体の50~60%は水分です。水分はIN-OUTバランスにより、ほぼ一定で保たれています。しかし、以下の様な場合は、そのバランスが崩れて、脱水症になってしまいます。
・発熱等による不感蒸泄(皮膚から蒸発する意識されない汗等)の亢進
・下痢、嘔吐による水分の排出
・高温環境、重作業、激しい運動による発汗の亢進
・出血や内分泌疾患等の疾病による水分の喪失
 脱水症の症状としては、多岐にわたりますが、気分不良、疲労感、めまい等が初期症状になります。気分不良等があった場合は、速やかに、スポーツ飲料等で水分補給をしてください。

◎冬期の脱水症リスク
 今冬、脱水症の救急患者が多かったことから、点滴等加療後に症状が軽快した時点で、20人に確認したところ、20人が服を5枚以上重ね着している又は吸湿発熱繊維の肌着を着ていました。さらに、患者によっては、「なぜ、(吸湿発熱繊維の肌着を)着ているって分かったんですか?」や「冬期は暑くないから、脱水に関する意識が低かった」とおっしゃっていました。
 最近は、技術の進歩で、冬期でも生活環境は暖かく、防寒着の質も高くなっています。室内環境の気温等に合わせた衣服の調整が必要になります。
 労働の現場では、エアコンの設定温度で議論になることが多いですが、衛生委員会等で決定するときは、参加者の合意が得られる中で低い温度を設定し、従業員それぞれが上着等で調整できるようにすると、健康面と環境面の両方で良いといえます(一次予防)。
 なお、体調不良者が出た場合は、安静と水分補給による経過観察をしつつ、専門家への連絡と必要な場合は指示に従うといった原則(二次予防、三次予防)を守っていれば、脱水症だからといって、特に変わった対応をする必要はありません。ただし、体調不良の原因の1つに脱水症があることを念頭に入れておくことは重要です。
 先入観にとらわれず、経験と学習を通して、適切な労働衛生管理体制を構築して下さい。
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