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【事例】サービスの意味を整理することで生産性向上

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で情報発信をしております。
 さらに、健康経営に関する公的資格者のために、安価で好立地のインキュベーションオフィスも展開しています。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「【事例】サービスの意味を整理することで生産性向上」についてコラムを作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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【事例】サービスの意味を整理することで生産性向上
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 今回は、産業医の先生からいただいた事例を提示させていただきます。
 産業医の先生は、100人程度の営業を主とする事業所に嘱託の産業医として勤務されていました。その事業所では、平均の時間外労働が130時間程度と長時間労働が日常的になっていたため、課題として人事従業員と面談を行いました。すると、人事従業員からは「長時間労働は好きでやっているので、問題ない。」「夜間も丁寧に対応することで、顧客が喜んでくれる。」「今のやり方で、顧客が増えているから問題ない。」との話であり、実際にストレスチェックでも高ストレス者は数人で、多くの人がストレスは低いという結果でした。
 しかし、働き方に関する法令の強化が見込まれることで(その時点では働き方改革関連法は通過していませんでした。)、長時間労働に耐えられる若い世代が多いうちに働き方を改善し、より良い労働環境を作りたいと、役員産業医に長時間労働の改善を求めてきました。
 そこで、産業医は労働衛生委員会において長時間労働改善のキャンペーンを行い、長時間労働の健康リスク、法令の改正が見込まれること、生産性向上に関する良好事例等の一般的な労働衛生教育を行うとともに、サービスの意義について教育を行いました。
 教育の中で行ったサービスの意義については、「サービスは過度に行うものではなく、顧客の思いに応じて提供する。」「例えば、コンパクトカーを求めている顧客に、高級セダンを提供するのはサービスとは言えないのではないか。」「コンパクトカーに数万円程度のアクセサリーを付けることが、喜ばれるサービスではないか。」といった話をされたそうです。さらに、サービスのあり方を見直す必要性を示し、衛生委員会等で議論をするように促しました。最初は、話半分に聴いていた衛生担当者の意識が変わり、徐々に従業員全体の意識が変わり、労働時間を減らすことと生産性向上の両立を議論するようになったそうです。
 具体的な改善として、勤務時間外の電話対応は原則しない。時間外対応が必要な顧客に対しては、別途料金のかかる夜間窓口を解説し対応しました。その結果、夜間対応というサービスを求めている事業所を限定することができ、人材の選択と集中を行ったことで顧客満足度が向上しました。さらに、『交代勤務等で対応することで、時間外勤務60時間超えが低減』、『商品やサービスを改めて見直すことで、同業他社との違いを強調』、『顧客の商品やサービスに対する理解が向上』等の効果がありました。結果として、売上総利益、純利益共に増え、事業の資金繰りが改善し、減った残業代と同等程度のボーナスも支給することができました。
 事例をご提示いただいた産業医の先生によると、「今は働き方改革を通して、人件費と生産性を考慮に入れたサービス開発競争が始まっているのではないか。」との言葉をいただき、私も大変、共感しました。
 今回の事例を参考に、快適職場形成を進めていただければと思います。

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