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労働災害予防対策の種類

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で、末尾のようなセミナー開催等の情報発信をしております。
 さらに、健康経営に関する公的資格者のために、安価で好立地のインキュベーションオフィスも展開しています。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「予防対策の種類等」についてコラムを作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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労働災害予防対策の種類等
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 労働安全衛生法では、様々な健康障害を予防するための努力義務が課されているところですが、予防対策には予防医学の視点で1次予防、2次予防、3次予防と3つの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
 予防対策の種類等について造詣を深めていただき、効果的な予防対策に活かしてください。

○3次予防
 3次予防とは、健康障害が発生した後に、悪化の予防や再発の予防を意味します。
 労働衛生の現場においては、外傷の従業員に対してその部位に負荷がかかる作業を制限したり、メンタル疾患加療後に復職した従業員に対して労働時間を制限する等が挙げられます。
【メリット】
 取組の必要性を全員が意識できることから、周囲の協力が得られやすい。
【デメリット】
 健康障害が発生した後の個別対応であるため、コスト負担が増大し、対策の効果範囲も限局する。

○2次予防
 2次予防とは、健康障害を早期発見し早期対応し、健康障害顕在化の予防を意味します。
 労働衛生の現場においては、健康診断結果を元に食事指導や生活指導を行い疾病の発生を予防したり、ストレスチェックの結果を元に従業員のOJTを見直す等が挙げられます。
【メリット】
 早期に対応することで3次予防に比べて低コストで健康状態を維持が見込め、一定の要件を満たす集団へアプローチができるため効果範囲も広くなる。
【デメリット】
 集団に対するスクリーニングの検査を行う必要があるため、集団に対するコスト負担がある。また、健康障害が顕在化していないため、取組の必要性を自覚できない従業員もいる。

○1次予防
 1次予防とは、業務起因性の健康障害の根本的な予防(安全で衛生的な職場環境の構築)と業務を行うことで健康を向上(快適職場環境の構築)させることを意味します。
 労働衛生の現場においては、作業環境におけるハザードの密封化や工程の自動化をしたり、良好なコミュニケーション環境の醸成により精神的・社会的に健康な事業所を創造する等が挙げられます。
【メリット】
 健康障害に対するコストが下がり、事業所全体に影響を及ぼすことができる。また、工程の自動化等の取組は生産性の向上につながる。
【デメリット】
 健康障害が発生していないため、必要性が理解できていない従業員等の強い反発が生じる場合がある。また、設備投資に関して一定の費用と時間を要する。

衛生委員会の活用
 それぞれの予防に関する取組について、上記のようなメリットとデメリットが多いことから、トップダウンだけでは現場に適合した取組ならないことが多く、「予防と生産性向上の両立」が、勘と運に委ねられてしまうことになります。
 「予防と生産性向上の両立」につながる取組となる確率を上げるために、安全衛生委員会において、経営サイドと現場サイド間で適切に協議を行うと良いでしょう。


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開催場所 八重洲 福岡銀行ビル DIAGONAL RUN TOKYO
※最寄り駅 地下鉄銀座線 京橋駅
東京都中央区八重洲2丁目8-7 福岡ビル4F

日時: 1)平成31年4月18日(木)15:00~17:00 
    2)平成31年4月26日(金)15:00~17:00 
※入場は14:50~
https://peatix.com/event/620889/view

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