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コラムの泉

定年後退職金の税額控除

オフィス傍の桜の花もぽつぽつと咲いてきました。
未だ満開にはほど遠いのですが、桜の開花とともに辺りは何となく華やいで来たような感じがします。
でも他方で、桜の花にはなぜか別れのイメージも強いのです。
華やかさが鮮明なほど、絆を紡いできた人との別れの寂しさが強調されるからかもしれません。
だれにも何時まで経っても忘れ難い大切な人や思い出があります。

「さまざまのこと思ひ出す桜かな」:松尾芭蕉の有名な句です。

一見すると誰にでも作れそうな平凡な句のようにもみえますが、実際は、この句は、
読む人によって思い浮かぶ情景が異なり、まさに人により「さまざまのこと」が頭に浮かび、
過ぎ去った日々を懐かしむこととなる深い味わいがあるそうです。
そのためこの句は、人の心の動きを詠んだものと言われ、ここに芭蕉の非凡なところがあると
伝えられています。
作家の池波正太郎さんにとって、それは戦争末期の横浜海軍航空隊の桜だったそうです。
日本の敗戦はもはや必至とみられたとき、用があって士官室へ行き、大尉が戻るのを待っていると、
開け放った窓から桜の花びらが舞い込んで来ました。
「それを見ているうちに、胸が熱くなり、おもわず眼がうるみかかるのを、どうしようもなかった。
悲しいというのではない。ただ、自分は来年の春に、ふたたび桜花を見ることはできまいというおもいが、
胸にこみあげてきたのである」と綴っています(「桜花と私」から)。

私が桜を見ると、頭の中では、子供のときや独身のとき、そして結婚したての妻と一緒に見たときなど、
懐かしい想い出の桜が次から次へと走馬灯のように浮かんでは消えて行きます。
4年前は、妻が最後の入院となった13回目の入院をしているとき、お見舞いに行くため靖国神社を
通り抜ける際に一人で眺めました。歩きながら桜を見ていると、苦しい闘病生活を続けていて、
それまでは毎年楽しみにしていた桜を今年は見ることも出来ない病床の妻の辛さが頭に浮び、
仰ぎ見た桃色の花びらが何だか悲しく、泣いているかのように見えました。

そして4年経った今でも桜を見るにつけ、さまざまのことを思い出します。
もう長くはないと悟っていた妻の最後の望みは、「家で逝きたい」でした。
医師の「共倒れになるから慎重に」というアドバイスもありましたが、私が家で看取ることを決めるには
時間はかかりませんでした。
13回目の退院後、家で寝たきりの、苦しいだけの生活を送っていた妻が、ある日ポツンと
“「中島みゆき」の「時代」という歌が聞きたいな”と漏らしました。
然し我が家には、そんな歌のCDは勿論のこと、再生する電気器具もありませんでした。
然し、妻に残された時間はもう余りありません。何とかしなければと焦った私が思いついたのが、
秋葉原の電気街でした。直ぐに秋葉原に出掛け、ラジカセと「中島みゆき」のCDを探し回って買い求めました。
その帰りの電車の中でチョット重いラジカセの包みを膝に抱えながら、やっと手に入れたという安堵感と
早く聞かせてあげたいという焦燥感の両方に包まれ、ひどく緊張していたのを思い出します。
その後、家に帰ってから病床の妻と二人で聞いたとき、こんな歌詞を聞きながら妻がうっすらと涙を滲ませていた
のを今でもはっきりと思い出します。

「今はこんなに悲しくて 涙も枯れはてて もう二度と笑顔にはなれそうもない
けど……………………………………まわるまわるよ  時代はまわる  喜び悲し
み繰り返し 今日は分かれた恋人たちも   生まれかわって 巡り合うよ」

きっと死を覚悟していた妻は、自分が先に逝っても「生まれかわって 巡り合おうよ」ということを
私に伝えたかったのだろうと今でも思っています……………。

通勤の道で仰ぎ見る桜並木の花は未だまばらです。4年前に亡くなった妻の面影を忍びながら、
咲き始めた桜花を眺め、春爛漫とばかりに咲き誇る日を待っています。

前回の「注目裁判例からみる皆勤手当」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「定年退職金の税額控除」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「定年退職金の税額控除」
───────────────────────────────
退職金についてはよく「ほぼ非課税で受給できる」と言われます。
退職金は税務上、退職所得として扱われ、非常に大きな所得控除が用意されているからです。
具体的な所得控除額は、勤続年数が20年を超えるときであれば原則として
800万円+70万円×(A-20年)(Aは勤続年数)となります。
従って、例えば勤続40年であれば、所得控除額は2,200万円となり、中小企業の退職金であれば
この控除額を超えることは稀かもしれません。
そして退職金の額が退職所得控除額を超える場合であっても、その超えた額の2分の1に相当する額
に対しての課税となりますので、退職所得については税制面でかなり優遇されていることが分かります。
 近年、深刻な人材難の対策として、65歳などへの定年年齢の引き上げを行うような事例が増えています。
先日、国税庁定年引上げ後、退職金を旧退職年齢である60歳の時点で支給する場合の退職所得控除
適用の可否に関する疑義照会が掲載されました。
[会社からの疑義照会の内容]
 当社は、人口減少社会の到来による新規採用の困難さを打開し、安定的に雇用を確保しながら事業を
前進させるために、就業規則を改定し、2019年4月1日より従業員定年を60歳から64歳に延長することを
決定しました。この定年延長に伴い、賃金規則を改定の上、従業員の入社時期に拘らず、一律で延長前の
定年である満60歳に達した日の属する年度末の翌月末までに退職一時金を支給することを予定しています。
この退職一時金は、引き続き勤務する従業員に対して支給するものであり、本来の退職所得とはいえませんが、
所得税基本通達30-2(5)《引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの》に定める給与に
該当し、退職所得として取り扱ってよいか照会いたします。
[照会に対する国税庁回答]
 これに対する国税庁の回答は、
定年延長前から入社していた社員については、旧定年時点で退職金を支給したとしても退職所得控除の
適用ができる」とした一方、「定年延長後に入社する社員に対するものについては、既に定年の延長が
就業規則等で決定した後に雇用されることから、雇用の開始時点で引き上げ後の定年を前提として
採用されるため、所得税基本通達30-2(5)は適用されず、退職所得として取り扱われるとは限らない」と
しています。
今後、定年の引き上げを検討される企業も多いのではないかと思いますので、その際には本「疑義照会」が
参考になるでしょう。
なお、この回答内容は、熊本国税局としての見解とされていますので、実際に同様の取り扱いを行う場合
には所轄の税務署や顧問税理士等に確認の上、対応されることとをお勧めします。


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