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酸素欠乏症等・平成30年度労働衛生コンサルタント試験解説

 こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
 産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で、末尾のようなセミナー開催等の情報発信をしております。
 さらに、健康経営に関する公的資格者のために、安価で好立地のインキュベーションオフィスも展開しています。
http://hatarakikatakaikaku.com/
 今回は、「酸素欠乏症等・平成30年度労働衛生コンサルタント試験解説」を作成しました。
 労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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酸素欠乏症等・平成30年度労働衛生コンサルタント試験解説
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平成30年度労働衛生コンサルタント試験(労働衛生一般)の問6は、酸素欠乏症等に関係するものでした。
以下の様に、解答及び解説を示します。

●酸素欠乏症及び硫化水素中毒に関する次のイ~ホの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 硫化鉱を貯蔵している施設の内部の作業では、硫化水素中毒の危険がある。
ロ 酸化第二鉄は酸素を吸収するため、これを含有している地層と通じているずい道の内部の作業では、酸素欠乏症の危険がある。
ハ 海水が滞留しているピットの内部の作業では、酸素欠乏症及び硫化水素中毒の危険がある。
ニ 酸素欠乏症発生時の救助活動では、救出作業に従事する労働者に空気呼吸器、酸素呼吸器又は電動ファン付き呼吸用保護具を使用させる必要がある。
ホ 空気中の酸素濃度が16%以下になると、頭痛、作業能力低下などの症状が現れ、10%以下になると、意識消失やけいれんが現れる。

【解答】
ハとホ

【解説】
酸素欠乏症のリスクとなる作業場は多々ありますが、特に、酸素欠乏症と硫化水素中毒の両方に注意を払う必要がある作業場は、嫌気的細菌が繁殖するおそれのある場所で、以下の2つになります。
・海水が滞留している熱交換器等の内部
・し尿、パルプ液等腐敗分解しやすい物質を入れてあるタンク等の内部
従って、嫌気的細菌が繁殖するおそれが示唆されていない「イ」は誤りとなり、「ハ」は正しいとなります。
「ロ」につきまして、酸化第二鉄は既に酸化しており、常温常圧では酸素との反応はしないため、誤りとなります。
酸素欠乏症の症状は、酸素濃度16%程度から、頭痛、嘔気、集中力低下等の自覚症状が認められ、14%程度から意識がもうろうとし、明らかな他覚的症状が認められます。さらに、10%程度になると、行動の自由を失い、助けも呼べなくなり、意識消失発作等の危機的症状が認められるようになり、10%以下では生命の危険があります。従って、「ホ」は正しいです。
なお、酸素欠乏症等防止規則では、事業者は酸素濃度を18%以上(硫化水素濃度は100万分の10以下)に保つように換気することが定められており、選択肢に係る数値として注意が必要です。
酸素欠乏等の際に、救助をする場合は、二次災害の防止として、救助者には必ず空気呼吸器等又は送気マスクを使用させることが必要です。もし、墜落のおそれがある場合は、安全帯を装着させる必要があります。さらに、救助者と同様の装備をした監視者を配置し、救助者に不測の事態が発生した場合は、速やかに援助ができる体制を整えておくことも必要です。従って、「二」は誤りであり、特に選んではならない選択肢といえます。

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