こんにちは、
産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で、末尾のようなセミナー開催等の情報発信をしております。
さらに、令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を
資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった
産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
http://hatarakikatakaikaku.com/
今回は、「就職氷河期世代の取扱について労働衛生的考察」についてコラムを作成しました。
労働衛生の取組を行うことで、
従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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仕事ができる就職氷河期世代の取扱について労働衛生的考察
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就職氷河期世代は、日本のバブル崩壊後、大規模な就職難が社会問題になった平成5年から平成17年頃までに就職活動を行った世代を指すとされています。この世代は、前後の世代が多く同世代が少ないため、前世代から現場の業務を少人数で引き継ぎ、相対的に大人数の後世代を管理するという過酷な勤務を求められることになりました。
今から10年程前は、就職氷河期世代は概ね25歳から35歳でありました。この年齢層は比較的若いので、NIOSH職業性ストレスモデルにおける個人的要因が大きく影響し、多少のストレスがかかっても、体調を崩す頻度は比較的少なかったといえます。しかし、現在はその年齢層が概ね35歳から45歳となっており、ストレス耐性の個人的要因が大幅に低下しています。
産業医として勤務してきた中で、過酷な環境に適応した仕事ができる氷河期世代について、「作業、管理とマネージメントができる」「作業と管理までができる管理職等」「作業だけができる管理職。」といったパターンに分けられ、それぞれで労働衛生の取り組む視点が変わることを感じました。
就職氷河期世代のタイプを見極め、適切な
労務管理に活用してください。
○作業、管理とマネージメントができる就職氷河期世代
このタイプは、自ら考え、判断し、動けるタイプですので、企業としては自律的に
収益を上げる人財と言えます。
しかし、現在のように
雇用が流動化した社会では、自律的であるが故に自ら選んで快適な職場に行く能力があります。従って、快適な職場でない場合は、離職してしまいます。
特に、若い時は自己研鑽の一環で、快適と感じていない職場での勤務を続けていた人が、一定の年齢を機に離職するということを何度も見てきました。
快適な職場形成を早めに行うことで、継続的な人財を確保してください。
○作業と管理までできる管理職の就職氷河期世代
このタイプは、企業の中でも代替困難な人材であることも多く、企業の
収益に直接影響を与える管理職も多く見ました。
同時に、重要な労働市場において高値が付いているため、ヘッドハンター達のターゲットにされていることが多いです。
従って、快適職場形成のみならず
報酬の見直しも必要となると思います。
○作業だけができる管理職の就職氷河期世代
このタイプは、
残業代を払う必要が無いという理由で、管理職になったパターンが多かったです。しかし、管理ができない管理職(作業としての仕事はできるが、管理職としての仕事はできていない。)であることから、以下のような課題が顕在化するようになってきています。
・部下に業務を分けることができず1人で遅くまで勤務している
・今の作業に執着が強く、生産性の改善に協力しない
・部署間の連携がとれず、縦割りでしか業務が行えない。 等
企業としては、作業を行えている正社員を整理することは大変困難と思います。しかし、管理ができない管理職の周囲に及ぼす影響は大きく、企業の
収益悪化にもつながります。前向きな対応としては、管理職教育を徹底して行うことですが、必要に応じて、
人事上厳しい対応をとることも必要です。
補足:生産性向上する
従業員への
業務命令のあり方について、日本の生産性が上がらない理由の1つに、生産性を上げて
勤務時間を減らした分新たな
業務命令で仕事が増えるため、生産性向上の意欲が減退していくというものがあります。生産性を向上させた社員に対しては、企業全体の生産性を向上させる視点で取り組ませ、生産性が向上した仕組みを他の
従業員に水平展開させることが重要です。
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働き方改革セミナー2019 ~法令に基づくメンタル疾患対策~
開催場所 八重洲 福岡銀行ビル DIAGONAL RUN TOKYO
※最寄り駅 地下鉄銀座線 京橋駅
東京都中央区八重洲2丁目8-7 福岡ビル4F
日時: 1)平成31年4月18日(木)15:00~17:00
2)平成31年4月26日(金)15:00~17:00
※入場は14:50~
1)
https://peatix.com/event/620889/view
2)
https://peatix.com/event/620892/view
こんにちは、産業医・労働衛生コンサルタントの朝長健太です。
産業医として化学工場、営業事務所、IT企業で勤務し、厚生労働省において労働行政に携わり、臨床医として治療を行った複数の健康管理の視点で、末尾のようなセミナー開催等の情報発信をしております。
さらに、令和元日(5月1日)に、「令和の働き方 部下がいる全ての人のための 働き方改革を資産形成につなげる方法」を出版し、今まで高価であった産業医が持つ情報を、お手頃な価格にすることができました。
http://hatarakikatakaikaku.com/
今回は、「就職氷河期世代の取扱について労働衛生的考察」についてコラムを作成しました。
労働衛生の取組を行うことで、従業員に培われる「技術」「経験」「人間関係」等の財産を、企業が安定して享受するためにご活用ください。
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仕事ができる就職氷河期世代の取扱について労働衛生的考察
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就職氷河期世代は、日本のバブル崩壊後、大規模な就職難が社会問題になった平成5年から平成17年頃までに就職活動を行った世代を指すとされています。この世代は、前後の世代が多く同世代が少ないため、前世代から現場の業務を少人数で引き継ぎ、相対的に大人数の後世代を管理するという過酷な勤務を求められることになりました。
今から10年程前は、就職氷河期世代は概ね25歳から35歳でありました。この年齢層は比較的若いので、NIOSH職業性ストレスモデルにおける個人的要因が大きく影響し、多少のストレスがかかっても、体調を崩す頻度は比較的少なかったといえます。しかし、現在はその年齢層が概ね35歳から45歳となっており、ストレス耐性の個人的要因が大幅に低下しています。
産業医として勤務してきた中で、過酷な環境に適応した仕事ができる氷河期世代について、「作業、管理とマネージメントができる」「作業と管理までができる管理職等」「作業だけができる管理職。」といったパターンに分けられ、それぞれで労働衛生の取り組む視点が変わることを感じました。
就職氷河期世代のタイプを見極め、適切な労務管理に活用してください。
○作業、管理とマネージメントができる就職氷河期世代
このタイプは、自ら考え、判断し、動けるタイプですので、企業としては自律的に収益を上げる人財と言えます。
しかし、現在のように雇用が流動化した社会では、自律的であるが故に自ら選んで快適な職場に行く能力があります。従って、快適な職場でない場合は、離職してしまいます。
特に、若い時は自己研鑽の一環で、快適と感じていない職場での勤務を続けていた人が、一定の年齢を機に離職するということを何度も見てきました。
快適な職場形成を早めに行うことで、継続的な人財を確保してください。
○作業と管理までできる管理職の就職氷河期世代
このタイプは、企業の中でも代替困難な人材であることも多く、企業の収益に直接影響を与える管理職も多く見ました。
同時に、重要な労働市場において高値が付いているため、ヘッドハンター達のターゲットにされていることが多いです。
従って、快適職場形成のみならず報酬の見直しも必要となると思います。
○作業だけができる管理職の就職氷河期世代
このタイプは、残業代を払う必要が無いという理由で、管理職になったパターンが多かったです。しかし、管理ができない管理職(作業としての仕事はできるが、管理職としての仕事はできていない。)であることから、以下のような課題が顕在化するようになってきています。
・部下に業務を分けることができず1人で遅くまで勤務している
・今の作業に執着が強く、生産性の改善に協力しない
・部署間の連携がとれず、縦割りでしか業務が行えない。 等
企業としては、作業を行えている正社員を整理することは大変困難と思います。しかし、管理ができない管理職の周囲に及ぼす影響は大きく、企業の収益悪化にもつながります。前向きな対応としては、管理職教育を徹底して行うことですが、必要に応じて、人事上厳しい対応をとることも必要です。
補足:生産性向上する従業員への業務命令のあり方について、日本の生産性が上がらない理由の1つに、生産性を上げて勤務時間を減らした分新たな業務命令で仕事が増えるため、生産性向上の意欲が減退していくというものがあります。生産性を向上させた社員に対しては、企業全体の生産性を向上させる視点で取り組ませ、生産性が向上した仕組みを他の従業員に水平展開させることが重要です。
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働き方改革セミナー2019 ~法令に基づくメンタル疾患対策~
開催場所 八重洲 福岡銀行ビル DIAGONAL RUN TOKYO
※最寄り駅 地下鉄銀座線 京橋駅
東京都中央区八重洲2丁目8-7 福岡ビル4F
日時: 1)平成31年4月18日(木)15:00~17:00
2)平成31年4月26日(金)15:00~17:00
※入場は14:50~
1)
https://peatix.com/event/620889/view
2)
https://peatix.com/event/620892/view