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本来の能力が発揮できない・・・『プレゼンティズム』への対応

こんにちは。社会保険労務士の田中です。

最近、「プレゼンティーズム」という言葉を聞く機会が増えてきました。
まだ耳慣れない言葉ですが、多くの人は経験のある事だと思います。

簡単に言えば、「風邪ぎみ等で具合が悪かったり、睡眠不足の状態などが
あっても出社したが、仕事の能率はあまり上がらなかった。」という事です。

今回のコラムでは「プレゼンティーズム」についてお伝えします。


☆☆☆ そもそもプレゼンティーズムとは何? ☆☆☆

「プレゼンティーイズム」は「アブセンティーイズム」の反語で造語です。

病気などで従業員が欠勤する事を「アブセンティーイズム」と言います。
「absenteeism」(absent = 欠勤)

このアブセンティーイズムに「present = 出勤」を組み合わせた造語が、
「プレゼンティーイズム」です。日本語のカタカナ表記としては、
「プレゼンティーズム」や「プレゼンティズム」となります。

「プレゼンティーズム」は、出勤しているが心身の健康上の問題によって、
本来、発揮されるべき職務遂行能力が発揮できないこと、を言います。
「疾病就業」と訳す場合もあるようです。(しっくりこないですが…)

「プレゼンティーズム」という用語は目新しいですが、従来から
会社で表立って問題視はされずとも、それとなく意識されていた事です。


☆☆☆ プレゼンティーズムに会社はどう対応するべきか? ☆☆☆

プレゼンティーズムは個人の体調によるものであり、
一律のルールに基づいての対応は難しいでしょう。

まずは「プレゼンティーズムという考え方がある」という認識を
労使双方で共有して、随時に対応を考えていく事が大切でしょう。

なお、プレゼンティーズムへは次のような対応が考えられます。
あくまでも一例ですので各社に合った対応が必要になります。

(1)会社の基本スタンスを明確にする。
(例)「プレゼンティーズム」は誰にでも起こり得る。
 0にはできないので、影響を少なくすることを考えるべきである。

(2)従業員は健康管理の自覚をより強く持つ。(自己保健義務)

(3)従業員は健康管理の自覚を持った上で、
   早めの休養や有休取得、医師への受診を心がける。

(4)本人の判断だけではなく、同僚・直属上司・総務部は、
   心身に不調があると思われる従業員に声がけをして、
   早退や有休の取得、医師への相談などを奨める。

(5)本人が心身の不調により早退(または翌日以降の遅刻)をした場合、
   会社は給与規程に基づいて不就業減額をする。
   

☆☆☆☆☆☆ 日常においての留意点 ☆☆☆☆☆☆

1 早めに休む、早めに医師の診察を受ける。
  「病気かな?」「体調が悪いな」と思ったら有給休暇を取得する、
  早めに医師の診察を受ける、などの習慣を持つことが大切です。
  その際、時間単位有休を取得できれば、診察に必要な時間だけ休めます。

2 プレゼンティーズムを理解する職場風土を創る。
   体調が悪いのに無理をして仕事をすると効率が落ちたり、
  後日の欠勤につながりかねません。その結果、所属部署の生産性に
  大きなマイナスを与えるでしょう。

  この事を理解して、上司や同僚が早めの受診、休養を奨める
  雰囲気であれば、本人も負担感が軽くなるでしょうし、
  中長期での部署・組織としてのパフォーマンスは向上するでしょう。


人にはそれぞれ事情があります。それは皆、同じです。
「お互い様」の気持ちと思いやりを持ち、良い職場にしたいものです。


今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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田中事務所  特定社会保険労務士 田中理文
(立川・渋谷・新宿 で主に仕事をしています。)

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