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コラムの泉

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登録第6142199号: 「AI─CON」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       9月10号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6142199号: 「AI─CON」

 指定商品・役務は、第9,35,42,45類の各商品です。


 ところが、この商標は、

(1)登録第5940667号商標:「i-Con」

(2)登録第5053632号商標:「ICON」


 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-000972)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「文字は、「AI」及び「CON」の欧文字を「-」(ハイフン)
を介して、同書、同大にまとまりよく一体的に表されているもので
あり、その構成文字全体から生じる「アイコン」の称呼も無理なく
一連に称呼できるものである。」

 また、

「該文字は、一般的な辞書等には載録がなく、特定の意味合いを
有する語として知られているとも認められないものであるから、
一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 そうすると、

「その構成文字に相応して「アイコン」の称呼を生じ、特定の観念
を生じないものである。」


 一方、引用商標1は

「「i」及び「Con」の欧文字を「-」(ハイフン)を介して、
同じ書体でまとまりよく一体的に表されているものであり、その
構成文字全体から生じる「アイコン」の称呼も無理なく一連に称呼
できるものである。」

 また、

「該文字は、一般的な辞書等には載録がなく、特定の意味合いを
有する語として知られているとも認められないものであるから、
一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 そうすると、

「その構成文字に相応して「アイコン」の称呼を生じ、特定の観念
を生じないものである。」

 引用商標2は、

「「アイコン:コンピュータ画面で使用される小図形」の意味を
有する語(「プログレッシブ英和中辞典(第4版)」小学館)
として知られているものであるから、その構成文字に相応して
「アイコン」の称呼を生じ、「アイコン(コンピュータ画面で使用
される小図形)」の観念を生じるものである。」


 そこで、各商標と対比すると、引用商標1について、

「外観においては、両者は、最も目立つ語頭の「A」の欧文字の
有無や構成中の「I(i)」、「O(o)」及び「N(n)」の
欧文字における大文字と小文字の相違という顕著な差異を有する
ものであるから、外観上明確に区別できるものである。」

 次に、称呼においては、

「「アイコン」の称呼を共通にするものである。」

 そして、観念においては、

「特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較する
ことができない。」

 そうすると、

「観念において比較できず、称呼において共通する場合があると
しても、外観において顕著な差異を有するものであり、明確に区別
できるものであるから、これらを総合して考察すれば、両者は、
互いに非類似の商標というのが相当である。」

 また、引用商標2に対しては、

「外観においては、両者は、最も目立つ語頭の「A」の欧文字の
有無や「-」(ハイフン)の有無という顕著な差異を有するもの
であるから、外観上明確に区別できるものである。」

 次に、称呼においては、

「「アイコン」の称呼を共通にするものである。」

 そして、観念においては、

本願商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標2は
「アイコン(コンピュータ画面で使用される小図形)」の観念を
生じるものであるから、両者は、観念上相紛れるおそれはない。」

 そうすると、

「称呼において共通する場合があるとしても、外観及び観念において
明確に区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、
両者は、互いに非類似の商標というのが相当である。」

 とされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 称呼が共通していても、他の要素が大きく異なって区別できる
のであれば、非類似となる場合があります。

 外観や観念で異ならせる可能性が少しでもあれば異ならせること
が真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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