令和元年の大晦日をいつものと変わらず我が家で過ごし、そのまま令和2年のお正月を迎えました。
5回目となった私の「お一人様の年末年始」は、かくて何事もなくひそやかに過ぎ去って行きました。
5回目となると、年越しも流石にもう慣れたもので、今までで最もこころ穏やかに過ごしたように思います。
10年前の年末年始は、未だ妻も病魔に襲われる前で人並み以上に元気でした。私に“邪魔じゃま、どこかに行って”
と言いながら気合を入れて年末の掃除やらおせち料理作りに大忙しでした。私は邪魔にならないように
愛犬ハナちゃんと一緒に隅の方でテレビを見ながら嵐の通り過ぎるのをひたすら待っていたことを思い出します。
正月には妻の用意したおせち料理をつまむため、息子や娘達も年賀に来て賑やかでしたが、今はもう遠い昔のこと
となりました。
その後妻が病魔に侵されてからは、我が家の年末年始は段々と寂しくなって行きました。そして、妻が先立ってから
私の「お一人様の年末年始」が始まり、とうとう今回で5回目という節目を無事に迎えられたというわけです。
だからと言うわけでもないのですが、今の我が家では「お正月準備など」は特にせず「省エネ(手抜きとも言う。
要するに私はなにもしない)作戦」を実行しています。家政婦さんに、暮れの掃除も正月のお飾り
(といってもスーパーで売っている小さなもの)なども丸投げし、おせち料理も息子にお一人様用をネットで
注文して貰って、すべて準備完了です。
大晦日は「お一人様宴会」をしながら紅白歌合戦を見たのですが、終わりまではとても着いて行けませんでした。
そこで、途中からはアマゾンプライムの洋画鑑賞に切り替え、12時頃にカップヌードルをすすりながら年を越しました。
こういう年越しはちょっと寂しいようですけれど、私みたいなベテランには他人への気遣いが要らない
「お一人様の年末年始」の方が、気楽でいいもんです。
私が今、気取って言っている「お一人様宴会」とは、要は侘しい孤食を、気合いを入れた楽しい宴会にするための
「自分満足のtechnic」です。
宴会ですから、豪華ではなくても品数は揃えなければいけません。デパ地下まで買出しに行って、刺身や焼き鳥やら
シュウマイやらを買い揃えます。それらをちゃんとした食器に盛り付けて、取って置きの酒を傾けつつ(テレビ画面の)
女優さんをひやかし乍ら一人で盛り上がるのです。傍から見ているとチョット不気味かもしれませんが、私は結構
このスタイルを気に入っています。
齢を取ってから、私も益々怒りっぽくなったようです。でも、「怒りんぼの人は、
認知症になりやすい」との説も
ありますから、桑原々々。
若いころから怒りっぽい人、威張る人は
認知症の進行が速いそうです。当然のことですが、怒りっぽい人や威張る人には、
だんだんと人が寄り付かなくなります。他人が寄り付かなくなれば、「コミュニケーションの機会は減る。
他人の話を聞いて、自分の意見を言う機会も減る」ということになります。
つまり、「他人の話=情報の入力、自分の発言=情報の出力」といった脳を悩ます機会が減るわけです。私の場合も
学生時代の学友やサラリーマン時代の同僚・上司などで怒りっぽい人、威張る人とは、いつの間にか疎遠になっています。
とは言っても、不愉快なことがあれば怒るのが自然です。齢を取ればとるほど、怒りを抑制する力も衰えるのですから、
口や態度に出てしまうのもまた自然です。「我慢して怒らないでいれば、そのストレスを心の中に溜め込んでしまうので、
却って病気になってしまう」と指摘する専門家もいます。
だから「適度に怒る」、これが健康寿命を延ばすための秘訣だそうです。
その点、私は「適度以上に怒ります」ので、結構大丈夫かもしれません……(!?)。
前回の「育休中社員からの
退職申出」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「出張時の移動時間」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「出張時の移動時間」
───────────────────────────────
法令上「
労働時間とは、業務開始時刻から業務終了時刻までの時間から
休憩時間を控除した
時間を指すもの」とされます。
東京に勤務する社員が、香港の取引先と「翌週月曜日の朝9時に打ち合わせをする」とした場合、
通常は日曜のうちに顧客のいる香港まで移動して前泊したうえで、顧客の元を訪ねることになるかと思われます。
では、このような遠方出張のための移動は、
労働時間と認められるのでしょうか?
原則として
労働時間にあたりません。但し、移動を兼ねて物の運搬や管理等を行ったときは
労働時間にあたる
場合もあります。
本件のように
休日に移動した場合には、その移動時間についても
休日割増賃金(
休日手当)をもらいたい、と
思われる方も多いのではないかと思います。
では、出張のための移動時間はなぜ
労働時間ではないのでしょうか?
出張のための移動時間についても、法的には「
労働者の行為が
使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが
できるかどうか」という基準によって、
労働時間にあたるか否かが判断されます。
確かに、出張のための移動は会社の指示に基づくものですし、移動中は飛行機等に乗っていなければならず、
行動の自由は制約されます。
然し、東京地裁平成24年7月27日の判決では、「何か果たすべき別段の用務を命じられるなど、具体的な
労務に従事して」
いない単なる移動時間については、
労働時間にあたらないと判断しています。
厚労省の
通達も、
休日に出張のため移動した場合であっても「移動中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は
休日労働として取り扱わなくても差支えない」としています(昭和33年2月13日基溌90号)。
以上の通り、
休日に出張先へ移動しても、その移動時間は原則として
労働時間にあたりませんが、移動時間に業務に用いる
物品の運搬・監視等の業務を行った場合には
労働時間にあたると法的には解釈されます。
出張中に
労務を行った場合は、その証拠として業務日誌や会社の備品の管理簿の記載等が考えられます。
また、出張時に、何時から何時までが
休憩時間や移動時間で、何時から何時までが
労働時間なのか、正確に把握して
算定することが困難となる場合は、「
事業場外の
みなし労働時間制」を適用して、
所定労働時間働いたものとみなすことが
できます。但し、上司が同行して
労働時間を把握・管理できる場合などは
事業場外の
みなし労働時間制を適用できません。
なお、
事業場外の
みなし労働時間制を適用するには
就業規則等に規定しておくことが必要です。
事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
http://www.humansource.co.jp/ へどうぞ
当事務所所長 野手 茂 著の「サラリーマン講座
退職金・年金編」が 文芸社
より、全国書店、ネット書店で販売中です。
令和元年の大晦日をいつものと変わらず我が家で過ごし、そのまま令和2年のお正月を迎えました。
5回目となった私の「お一人様の年末年始」は、かくて何事もなくひそやかに過ぎ去って行きました。
5回目となると、年越しも流石にもう慣れたもので、今までで最もこころ穏やかに過ごしたように思います。
10年前の年末年始は、未だ妻も病魔に襲われる前で人並み以上に元気でした。私に“邪魔じゃま、どこかに行って”
と言いながら気合を入れて年末の掃除やらおせち料理作りに大忙しでした。私は邪魔にならないように
愛犬ハナちゃんと一緒に隅の方でテレビを見ながら嵐の通り過ぎるのをひたすら待っていたことを思い出します。
正月には妻の用意したおせち料理をつまむため、息子や娘達も年賀に来て賑やかでしたが、今はもう遠い昔のこと
となりました。
その後妻が病魔に侵されてからは、我が家の年末年始は段々と寂しくなって行きました。そして、妻が先立ってから
私の「お一人様の年末年始」が始まり、とうとう今回で5回目という節目を無事に迎えられたというわけです。
だからと言うわけでもないのですが、今の我が家では「お正月準備など」は特にせず「省エネ(手抜きとも言う。
要するに私はなにもしない)作戦」を実行しています。家政婦さんに、暮れの掃除も正月のお飾り
(といってもスーパーで売っている小さなもの)なども丸投げし、おせち料理も息子にお一人様用をネットで
注文して貰って、すべて準備完了です。
大晦日は「お一人様宴会」をしながら紅白歌合戦を見たのですが、終わりまではとても着いて行けませんでした。
そこで、途中からはアマゾンプライムの洋画鑑賞に切り替え、12時頃にカップヌードルをすすりながら年を越しました。
こういう年越しはちょっと寂しいようですけれど、私みたいなベテランには他人への気遣いが要らない
「お一人様の年末年始」の方が、気楽でいいもんです。
私が今、気取って言っている「お一人様宴会」とは、要は侘しい孤食を、気合いを入れた楽しい宴会にするための
「自分満足のtechnic」です。
宴会ですから、豪華ではなくても品数は揃えなければいけません。デパ地下まで買出しに行って、刺身や焼き鳥やら
シュウマイやらを買い揃えます。それらをちゃんとした食器に盛り付けて、取って置きの酒を傾けつつ(テレビ画面の)
女優さんをひやかし乍ら一人で盛り上がるのです。傍から見ているとチョット不気味かもしれませんが、私は結構
このスタイルを気に入っています。
齢を取ってから、私も益々怒りっぽくなったようです。でも、「怒りんぼの人は、認知症になりやすい」との説も
ありますから、桑原々々。
若いころから怒りっぽい人、威張る人は認知症の進行が速いそうです。当然のことですが、怒りっぽい人や威張る人には、
だんだんと人が寄り付かなくなります。他人が寄り付かなくなれば、「コミュニケーションの機会は減る。
他人の話を聞いて、自分の意見を言う機会も減る」ということになります。
つまり、「他人の話=情報の入力、自分の発言=情報の出力」といった脳を悩ます機会が減るわけです。私の場合も
学生時代の学友やサラリーマン時代の同僚・上司などで怒りっぽい人、威張る人とは、いつの間にか疎遠になっています。
とは言っても、不愉快なことがあれば怒るのが自然です。齢を取ればとるほど、怒りを抑制する力も衰えるのですから、
口や態度に出てしまうのもまた自然です。「我慢して怒らないでいれば、そのストレスを心の中に溜め込んでしまうので、
却って病気になってしまう」と指摘する専門家もいます。
だから「適度に怒る」、これが健康寿命を延ばすための秘訣だそうです。
その点、私は「適度以上に怒ります」ので、結構大丈夫かもしれません……(!?)。
前回の「育休中社員からの退職申出」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「出張時の移動時間」についての話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
○「出張時の移動時間」
───────────────────────────────
法令上「労働時間とは、業務開始時刻から業務終了時刻までの時間から休憩時間を控除した
時間を指すもの」とされます。
東京に勤務する社員が、香港の取引先と「翌週月曜日の朝9時に打ち合わせをする」とした場合、
通常は日曜のうちに顧客のいる香港まで移動して前泊したうえで、顧客の元を訪ねることになるかと思われます。
では、このような遠方出張のための移動は、労働時間と認められるのでしょうか?
原則として労働時間にあたりません。但し、移動を兼ねて物の運搬や管理等を行ったときは労働時間にあたる
場合もあります。
本件のように休日に移動した場合には、その移動時間についても休日割増賃金(休日手当)をもらいたい、と
思われる方も多いのではないかと思います。
では、出張のための移動時間はなぜ労働時間ではないのでしょうか?
出張のための移動時間についても、法的には「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが
できるかどうか」という基準によって、労働時間にあたるか否かが判断されます。
確かに、出張のための移動は会社の指示に基づくものですし、移動中は飛行機等に乗っていなければならず、
行動の自由は制約されます。
然し、東京地裁平成24年7月27日の判決では、「何か果たすべき別段の用務を命じられるなど、具体的な労務に従事して」
いない単なる移動時間については、労働時間にあたらないと判断しています。
厚労省の通達も、休日に出張のため移動した場合であっても「移動中における物品の監視等別段の指示がある場合の外は
休日労働として取り扱わなくても差支えない」としています(昭和33年2月13日基溌90号)。
以上の通り、休日に出張先へ移動しても、その移動時間は原則として労働時間にあたりませんが、移動時間に業務に用いる
物品の運搬・監視等の業務を行った場合には労働時間にあたると法的には解釈されます。
出張中に労務を行った場合は、その証拠として業務日誌や会社の備品の管理簿の記載等が考えられます。
また、出張時に、何時から何時までが休憩時間や移動時間で、何時から何時までが労働時間なのか、正確に把握して
算定することが困難となる場合は、「事業場外のみなし労働時間制」を適用して、所定労働時間働いたものとみなすことが
できます。但し、上司が同行して労働時間を把握・管理できる場合などは事業場外のみなし労働時間制を適用できません。
なお、事業場外のみなし労働時間制を適用するには就業規則等に規定しておくことが必要です。
事務所のホームページを更新しております。
ご興味のある方は、
http://www.node-office.com/index/index.html
または、
http://www.humansource.co.jp/ へどうぞ
当事務所所長 野手 茂 著の「サラリーマン講座 退職金・年金編」が 文芸社
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