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新型コロナウィルス対策 マスクを着用して仕事をしていいの?


2020年2月5日号 (no. 1149)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【新型コロナウィルス対策 マスクを着用して仕事をしていいの?】
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■仕事中のマスクが許される職場、許されない職場。

インフルエンザの流行時期とコロナウィルスの広がりが同時期であるため、
病気にかかっている人だけでなく、健康な人、
普段からマスクをつけない人まで、マスクを付けるようになっています。

マスクでウイルスは防げない、と言われていますが、
マスクをつければ、少しでもコロナウイルスを防げそうな気持ちになりますから、
元気な人でもマスクをつけてしまう人が増えてしまうのでしょう。

日常生活で、マスクをつけるかどうかは、本人の自由ですから、
そこは他人が何か言うようなところではありません。

必要のない人が、マスクを付けることで、
お店のマスクが全部売り切れてしまう、という弊害はありますけれども、
個人的にマスクを使うことを止めるのは難しいですから、
ここは仕方のないところです。

問題は、仕事中にマスクをつけていいのかどうか。

インフルエンザが流行しているから、コロナウイルスが広がっているから、
マスクを着用して仕事をしてもいいのだろうか、
というのが労務管理で問題となります。

「緊急事態だから仕方ない」、
「仕事中にマスクをつけても、今回は特例的に許されていいんじゃないか」
という考え方もあります。政府だと、超法規的措置のようなものです。

お客さんと、直接に接触しない仕事だったら、
マスクを付けていたとしても、何ら問題にはなりません。

食品工場で加工作業を延々とする仕事。
工場内で部品を組み立てて製品を作る仕事。
金属の粉末が舞うような場所で加工作業をする仕事。
施設を清掃する仕事。

このような、お客さんと会話する必要がないような仕事だったら、
仕事中にマスクを付けたとしても、クレームは出ませんし、
むしろ付けた方がいいわけです。

しかし、お客さんと接する仕事、例えば、ホテルのスタッフ。
ホテルに来るお客さんと対話しなければいけないのですから、
そこでマスクをつけた状態になっているとなれば、
接客されたお客さんから不満が出るわけです。

マスクを付けて働くホテルスタッフなんて見たことがありません。

他にも、寿司屋も同様です。カウンターで、お寿司を握って、
目の前のお客さんにお寿司を出す仕事です。

あの板前さんが、マスクを付けて、お寿司を握って、
「へい、お待ち」とお客さんに出したら、どうなるでしょうか。
そんなお寿司、食べたいと思うでしょうか。

病気にかかっている板前さんが握ったお寿司なんじゃないか、
と人はお客さんは思ってしまうのでは。

また、マスクを付けていたら、板前さんとの会話も弾みません。
マスクを付けている人には、話しかけにくいものですから。

飲食店や小売業では、人と接する仕事(これが付加価値)がメインですから、
そういう場で、マスクを付けて仕事をするとなると、
「何だこのお店は」と不満を持つお客さんも出てきます。

実際にあった例として、とあるスーパーマーケットで、
レジ係の人たちが、ほぼ全員、マスクを付けている状態で接客をしていました。
ちなみに、そのお店ではマスク着用についてルールは決めていませんでした。

それを見たお客さんが、お店の意見箱というか、
意見を書いて投票するような箱があって、
そこに「このお店の従業員はなぜみんなマスクをつけて仕事してるんだ」
とクレームを書いた紙を投函しました。

お客さんと接する仕事で、マスクを付けていると、
お客さんとの間に、壁を作っているような印象を与えるのではないでしょうか。
親しみやすさが失われるような感じもあります。

マスクを付けるなら休む。出勤するならば付けない。
接客業では、このような基準が必要なのでしょう。

 

■引きこもる効果をマスクで得る人たち。

マスクを付けていると、分かりますけども、外界から遮断されて、
自分の殻に閉じこもってるような感覚を覚えます。

要するに、マスクを使って、引きこもり状態になっているようなものです。
部屋の中ではなく、外に出ているときも引きこもりモードを継続しているわけです。

あなたの周りにもいるんじゃないですか。
特別な理由があるわけじゃないのに、年がら年中ずっとマスクをつけてる人。

真夏の、汗だくになるような暑い日に、マスクを付けている人。
見たことがあるのでは。もう、不審者ですよね。

それはね、真冬にね、インフルエンザが流行している時期に、
マスクを付けていると言うならば分かりますよ。

他にも、春先に、花粉が飛んでるから、花粉症対策として、
マスクを付けている。外出時に限って。
そういうまっとうな事情があるんだったら、まあマスクを付けていても納得です。

けれども、そんな事情もなく、常に、外でも、建物の中でも、
ずっとマスクをつけてる人、年がら年中、春でも、
夏でも、秋でも、冬でも、ずっと付けている人って、
見るんじゃないすかね。筆者も知っています、そういう人。

「マスク依存症」という言葉があり、
ずっとマスクを付けていないと、落ち着かないような状態になるようです。

マスクを付けていれば、口周りがほわっと温かくなって、
冬場には、一種の防寒具として使えます。
ただ、付けていると、確かに、周りの人達から遮断されてるというか、
壁を作ってるというか、自分だけの世界が出来上がってるというか、
そういう不思議な効果があるのが分かります。

普段マスクを付けない人だと、そういう効果が分からないでしょうけれども、
ちょくちょくマスクを付けていると、
マスクを使って引きこもっている感覚が分かるようになります。

その引きこもり感覚が分かってしまうと、
マスク依存症になっちゃうわけです。



■マスク着用のルールも決める必要がある。

小売大手イオンでは、2019年12月から、
就業中にマスクを着用するのは原則として禁止になりました。

何か特別な理由があり、病気中や花粉症など、
そういう特別な理由がある場合は、着用を許すのでしょうが、
原則として仕事中はダメというルールになったようです。

なお、2020年1月、コロナウィルスが流行している状況下では、
特例としてマスク着用可能としているとのこと。

今までマスク着用について、
何らのルールを決めていなかったのも良くないのですが、
ルールが無ければ、好きなように決めていい、と考えるのが人間です。

就業規則に、マスクを着用していいのかどうか、
について書かれていない。服装規定にも、書かれてない。
身だしなみ規定にも書かれていない。
だったら、自分の判断で、付けるかどうか決めてもいいんだ、と解釈するもの。

生魚、生肉、食べ物を直接に取り扱う仕事だったら、
マスクを着用するのはアリですし、むしろ推奨されるべきなのでしょう。

けれども、それ以外の人は、マスクを着用する必要はないわけです。

コロナウィルスの感染が広がり、
特例でマスクの着用を認めるとしても、いつまでにするのか。
どこかで区切りを付けないといけないでしょう。

放置すると、ズルズルと、ずっとマスクを着用して勤務する人が出てきます。
どさくさ紛れに。

予防のために仕事中にマスクを付けたい。
そういう要望を出す人もいますけれども、仕事中の服装というのは、
従業員が好きに決めていいものではなく、事業所がどういう服装にするか、
どういう身だしなみするか、を決めます。

髪型、髪の色、爪、ユニフォーム、どんな靴を履くか、
どんなシャツを着るか、そういう事を細かく決めるのが職場のルールです。

他人同士が集まって働く職場ですから、
細かいルールが多々あるのはやむを得ないことです。
政府が決めた法律と同じです。

そのルールの中に、マスクに関する項目が今までなかったので、
各々が好きなように、マスクを使っていた、
というのがこれまでの実情でした。

ルールとして決めるのは、シンプルなもので、
「マスクを着用するなら休む、出勤するならマスクを着用しない」、
原則となる基準はこれです。

マスクを付けなきゃいけないほど、体調に問題があるんだったら、
出勤せずに休めばいいのです。

インフルエンザやコロナウイルスを防ぐという名目で、
マスクを付けてしまうと、ウイルスなんて目に見えないものですから、
ウイルスが飛散してると言ってしまえば、
いつでもマスクを付けられるということになってしまいます。

まさに、言ったもの勝ちです。

予防目的でマスクを付けてOKだと、
いつでもマスクを付けて構わないと解釈されてしまうのです。

一時的に許可するならば、いつからいつまでにするのか。
これはキチンと決めないといけません。

接客を主とするサービス業では、こういう状態ではいけないわけです。

髪の色や爪、ユニフォーム、そういったルールを決めるだけでなく、
マスクの着用ルールも、今後は決めておく必要があります。




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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu_20200204_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_source=soumu_20200204_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu_20200204_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu_20200204_5


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