2020年1月9日号 (no. 1154)
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本日のテーマ【
36協定には残業を減らす効果は無い】
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36協定で残業は減らせない?
日本と同様、アメリカでも残業はありますが、
36協定のようなものはなく、
残業したことに対する
割増賃金率だけが定められています。
法定労働時間を超えて働いた場合、
賃金の割増率は50%以上。
残業に対する制限はシンプルにこれだけのようです。
日本だと、まず
法定労働時間でひとつのラインが引かれており、
そこを超えるときは、
36協定を締結する必要があります。
法定労働時間を超えたときの割増率は25%以上です。
さらに、月に
60時間以上の法定
時間外労働が生じる場合は、
50%以上の割増率になるというルールもあります。
残業時間に上限を設定するのが
36協定の役割なのですが、
ここで決めた上限時間を破るケースが少なからずあります。
厚生労働省が定期的に発表する『労働基準関係法令違反に係る公表事案』にも、
36協定で定めた上限時間を超過した事例がいくつも掲載されています。
長時間労働削減に向けた取組(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html
36協定は、
休日労働や法定
時間外労働をする場合に、
事前に締結しておく
労使協定です。
法定労働時間をオーバーして働くときは、
1日あたり2時間、1か月あたり30時間のように、
残業の上限を協定で決めてるわけです。
ただ、
労使協定という位置付けであって、
その内容がどうも守られにくい傾向があるようです。
公表される法令違反事例でも、
36協定で決めた上限時間を超過している事例がいくつもあるとなると、
「
労使協定だから、別に破っても大丈夫なんじゃないか」
と甘く見られてるのではないでしょうか。
残業を許すための手段として、
36協定が位置づけられてしまい、
残業時間に上限を設けて、それを減らしていくという目的は、
達成できていないのではないか、と思うのです。
減らすどころか、残業を増やしてしまっている。これが
36協定の実態です。
■
労働時間と割増率だけで残業の基準を作ると分かりやすい。
36協定を廃止して、一律で
割増賃金50%以上、
という制限を加えたら残業は減るのかどうか。
どうなるのかはやってみないと分からないのですが、
金銭的な制約に人は敏感に反応するものですから、
「50%割増ならば、もう残業はさせられない」
と考える
使用者が増えるのではないかと思います。
36協定だと、残業を減らそうという動機が弱くなりがちです。
残業を許すための
労使協定、と認識されているフシがありますから。
「
36協定を締結しとけば、自由に残業できるやろ」と考えている方も、
世の中にいらっしゃるのでは。
さらに、
36協定には、
特別条項を付加することができ、
さらに長時間の残業ができるような協定にすることもできます。
政府は、残業時間に上限を設けて、
長時間労働を抑止しようと考えていますが、割増率を高く設定し、
残業時間に制限を設けない方が、残業は減るのではないかと私は考えています。
36協定は、本当に残業を減らす効果があるのか、
残業を抑止するような効果があるのか、というと、
それは難しいだろうと私は思っています。
残業を許すために締結されているのが
36協定ですから。
労働時間の上限と
割増賃金率という数字を示して、
そこを基準に残業を減らしていこうとする方が分かりやすいでしょう。
50%割増になると、もうこれは
従業員に残業させるわけにはいかなくなります。
給与が1.5倍になりますからね。
仮に、1時間当たりの給与が2000円の人だと、
それが1.5倍になれば3000円です。これはなかなかの金額です。
働く人にとっては悪くない話で、
「それだけ割増してくれるならば、残業してもいいだろう」
と考える方も出てくるのではないかと思います。
しかも、
基本給の部分だけが割増されるだけでなく、
手当も含めて
割増賃金が付きます。
36協定で残業時間の上限を決めても、
その約束を破ってくる会社があるわけですから、
時間数に制限を課す方法は、あまりうまくいかないのでしょう。
数字で分かりやすい基準を作って、曖昧になる余地をなくしておかないと、
長時間労働はいつまでたっても減りません。
法定労働時間を超える残業しても、50%以上の割増が付くならば、
「別に残業してもいいよ」っていう人も出てきます。
一方で、
使用者としては残業されてしまうと、
給与が1.5倍になるわけですから、なんとしてでも残業を防がなきゃいけない。
労働時間数で制限しても守られにくいですが、
賃金の割増率でもって金銭的な制限を課せば、人は動きやすくなります。
労働時間数と割増率を、一例として、
月
45時間までは50%割増
月
45時間超は75%割増
月
60時間超は100%割増
というように、基準がハッキリしていると、
使用者は「残業させると高くつく」と認識します。
長時間労働をさせていると、お金がなくなって、会社が潰れますからね。
残業させなければ払う必要がありませんから、
使用者は
割増賃金の支払いを自主的に回避することも可能です。
さらに、
36協定を締結する手続きが不要になり、
毎年、
労使協定を締結し直して、協定書を
労働基準監督署に提出する必要もなくなります。
残業時間に上限を設けるのではなく、
割増賃金率を引き上げて長時間労働を減らす。
この方法の方が効果が期待できるのではないか、と私は思います。
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メールマガジン【本では読めない
労務管理のミソ】のご紹介
内容の一例・・・
『定額
残業代で
残業代は減らせるのか』
『15分未満の
勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の
変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=
法定休日と思い込んではいけない』
『
半日有給休暇と
半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は
賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』
など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。
本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。
【本では読めない
労務管理のミソ】
▽ ▽ <登録はこちら> ▽ ▽
https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source_20200109_1
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合格率0.07%を通り抜けた大学生。
今、私はこうやって
社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。
子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く
認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が
社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。
私が
社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが
社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、
社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。
「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、
社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。
私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。
実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって
社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
とはいえ、学生の人が
社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。
そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。
https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_source=soumu_20200109_2
大学生が独学で
社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡
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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の
従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で
労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の
従業員と同じ。
週3日出勤で
契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には
有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない
労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような
労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの
労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_source=soumu_20200109_3
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
「
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い
残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、
割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に
勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は
勤務時間を短く、ある日は
勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu_20200109_4
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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、
雇用保険や
社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、
休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。
有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が
労務管理では起こります。
一例として、
Q:会社を休んだら、
社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:
休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、
残業代が増える?
Q:喫煙時間は
休憩なの?
Q:
代休や
振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
▽ ▽ 『仕事のハテナ 17のギモン』 ▽ ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu_20200109_5
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本日のテーマ【36協定には残業を減らす効果は無い】
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
■36協定で残業は減らせない?
日本と同様、アメリカでも残業はありますが、
36協定のようなものはなく、
残業したことに対する割増賃金率だけが定められています。
法定労働時間を超えて働いた場合、賃金の割増率は50%以上。
残業に対する制限はシンプルにこれだけのようです。
日本だと、まず法定労働時間でひとつのラインが引かれており、
そこを超えるときは、36協定を締結する必要があります。
法定労働時間を超えたときの割増率は25%以上です。
さらに、月に60時間以上の法定時間外労働が生じる場合は、
50%以上の割増率になるというルールもあります。
残業時間に上限を設定するのが36協定の役割なのですが、
ここで決めた上限時間を破るケースが少なからずあります。
厚生労働省が定期的に発表する『労働基準関係法令違反に係る公表事案』にも、36協定で定めた上限時間を超過した事例がいくつも掲載されています。
長時間労働削減に向けた取組(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kinkyu/151106.html
36協定は、休日労働や法定時間外労働をする場合に、
事前に締結しておく労使協定です。
法定労働時間をオーバーして働くときは、
1日あたり2時間、1か月あたり30時間のように、
残業の上限を協定で決めてるわけです。
ただ、労使協定という位置付けであって、
その内容がどうも守られにくい傾向があるようです。
公表される法令違反事例でも、
36協定で決めた上限時間を超過している事例がいくつもあるとなると、
「労使協定だから、別に破っても大丈夫なんじゃないか」
と甘く見られてるのではないでしょうか。
残業を許すための手段として、36協定が位置づけられてしまい、
残業時間に上限を設けて、それを減らしていくという目的は、
達成できていないのではないか、と思うのです。
減らすどころか、残業を増やしてしまっている。これが36協定の実態です。
■労働時間と割増率だけで残業の基準を作ると分かりやすい。
36協定を廃止して、一律で割増賃金50%以上、
という制限を加えたら残業は減るのかどうか。
どうなるのかはやってみないと分からないのですが、
金銭的な制約に人は敏感に反応するものですから、
「50%割増ならば、もう残業はさせられない」
と考える使用者が増えるのではないかと思います。
36協定だと、残業を減らそうという動機が弱くなりがちです。
残業を許すための労使協定、と認識されているフシがありますから。
「36協定を締結しとけば、自由に残業できるやろ」と考えている方も、
世の中にいらっしゃるのでは。
さらに、36協定には、特別条項を付加することができ、
さらに長時間の残業ができるような協定にすることもできます。
政府は、残業時間に上限を設けて、
長時間労働を抑止しようと考えていますが、割増率を高く設定し、
残業時間に制限を設けない方が、残業は減るのではないかと私は考えています。
36協定は、本当に残業を減らす効果があるのか、
残業を抑止するような効果があるのか、というと、
それは難しいだろうと私は思っています。
残業を許すために締結されているのが36協定ですから。
労働時間の上限と割増賃金率という数字を示して、
そこを基準に残業を減らしていこうとする方が分かりやすいでしょう。
50%割増になると、もうこれは従業員に残業させるわけにはいかなくなります。
給与が1.5倍になりますからね。
仮に、1時間当たりの給与が2000円の人だと、
それが1.5倍になれば3000円です。これはなかなかの金額です。
働く人にとっては悪くない話で、
「それだけ割増してくれるならば、残業してもいいだろう」
と考える方も出てくるのではないかと思います。
しかも、基本給の部分だけが割増されるだけでなく、
手当も含めて割増賃金が付きます。
36協定で残業時間の上限を決めても、
その約束を破ってくる会社があるわけですから、
時間数に制限を課す方法は、あまりうまくいかないのでしょう。
数字で分かりやすい基準を作って、曖昧になる余地をなくしておかないと、
長時間労働はいつまでたっても減りません。
法定労働時間を超える残業しても、50%以上の割増が付くならば、
「別に残業してもいいよ」っていう人も出てきます。
一方で、使用者としては残業されてしまうと、
給与が1.5倍になるわけですから、なんとしてでも残業を防がなきゃいけない。
労働時間数で制限しても守られにくいですが、
賃金の割増率でもって金銭的な制限を課せば、人は動きやすくなります。
労働時間数と割増率を、一例として、
月45時間までは50%割増
月45時間超は75%割増
月60時間超は100%割増
というように、基準がハッキリしていると、
使用者は「残業させると高くつく」と認識します。
長時間労働をさせていると、お金がなくなって、会社が潰れますからね。
残業させなければ払う必要がありませんから、
使用者は割増賃金の支払いを自主的に回避することも可能です。
さらに、36協定を締結する手続きが不要になり、
毎年、労使協定を締結し直して、協定書を労働基準監督署に提出する必要もなくなります。
残業時間に上限を設けるのではなく、
割増賃金率を引き上げて長時間労働を減らす。
この方法の方が効果が期待できるのではないか、と私は思います。
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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介
内容の一例・・・
『定額残業代で残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
『半日有給休暇と半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』
など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。
本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。
【本では読めない労務管理のミソ】
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https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_source_20200109_1
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合格率0.07%を通り抜けた大学生。
今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。
子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。
私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。
「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。
私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。
実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。
どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。
社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。
とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。
そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。
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大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡
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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】
高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。
中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。
若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。
それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。
もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。
週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。
休憩時間無しで働いている。
採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。
「学生には有給休暇が無い」と言われた。
テスト休みを取って時給を減らされた。
など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。
何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。
(知らないからといって許されるものではありませんけれども)
このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。
一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。
学生から好まれる職場と嫌われる職場。
その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。
「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
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残業で悩んでいませんか?
「長時間の残業が続いている」
「残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」
こういう悩み、よくありますよね。
ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。
法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。
とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?
毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。
例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。
仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。
でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。
「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。
『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu_20200109_4
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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。
他には、雇用保険や社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。
労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。
しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。
一例として、
Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休や振替休日はいつまでに取ればいいの?
このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。
▽ ▽ 『仕事のハテナ 17のギモン』 ▽ ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_source=soumu_20200109_5
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