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コラムの泉

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登録第6189796号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       3月17日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6189796号:

 上段に「VALUES」の欧文字を緑色で表し、その下段に
「Consulting & Creation Group」の
欧文字を黒色で表してなる構成

 指定商品・役務は、第9,35,41,42類の各商品・役務です。


 ところが、この商標は、

 登録第4394738,4435471,4450984,4471588号各商標

 「Value」、「VALUE」、「バリュー」の文字構成

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2018-016391)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「「VALUES」の文字は、下段の文字に比して大きく顕著に
表されており、上段の文字部分と下段の文字部分とは、異なる色彩
で表されていることからも、両文字部分は視覚上分離して観察される
といえるものである。」

 そうすると、

「構成中、大きく緑色で表された「VALUES」の文字部分を
もって、取引に資される場合もあるというのが相当である。」

 してみれば、

「その構成文字全体から生じる「バリューズコンサルティングアンド
クリエーショングループ」の称呼のほか、「VALUES」の文字
に相応して「バリューズ」の称呼を生じ、」

「該文字は「価値、価格」の意味を有する英語「value」
(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)の複数形と
いえるものであるから、「価値、価格」の観念を生じるものである。」

 一方、各引用商標

「「VALUE」の文字は、「価値、価格」(「ジーニアス英和
辞典第5版」株式会社大修館書店)の意味を有する英語であり、
「バリュー」の文字は、「VALUE」の読みを表したものといえる
から、本願商標はその構成文字に相応して「バリュー」の称呼及び
「価値、価格」の観念を生じるものである。」


 そこで、両者を比較すると、外観においては、

「その全体の構成の比較においては、構成文字や色彩の相違において
顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、判然と
区別できるものである。」

 また、

「「バリューズ」の称呼と、引用商標から生じる「バリュー」の
称呼とは、語尾における「ズ」の有無に差異があるところ、当該
「ズ」の音は、語尾に位置するとしても、明瞭に発音されるもの
であり、4音及び3音という比較的短い音構成からなる両称呼に
及ぼす影響は大きいものというのが相当であるから、それぞれを
称呼するときには、全体の語調、語感が異なり、両者は明瞭に聴別
できるものである。」

 観念は、

「ともに「価値、価格」の観念を生じるものであるから、本願商標
引用商標は、観念を共通にする場合もあるものといえる。」

 そうすると、

「観念を共通にする場合があるとしても、外観において明らかな
差異を有し、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、両者の
外観、称呼、観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、
連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務
出所について誤認混同を生じるおそれのない」

 非類似の商標であるとされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、観念が共通する商標の類否が問題となりました。

 観念が共通していても、外観や称呼で紛らわしくない場合には、
非類似になる場合があります。

 でみるだけ短い文字数でしかも外観や称呼で大きく異ならせる
ことが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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