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自転車通勤を増やしたければ、自転車にも通勤手当を出す。


2019年8月9日号 (no. 1173)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【自転車通勤を増やしたければ、自転車にも通勤手当を出す。】
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自転車通勤のコストはタダ?

国土交通省のウェブサイトに「自転車通勤導入に関する手引き」という文書が掲載されており、自転車での通勤を奨励する内容になっています。

自転車通勤導入に関する手引き(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001292044.pdf

通勤手段というと、電車かバスが主流ですが、自転車通勤している方もいます。

自宅から事業所まで距離が短ければ自転車通勤するでしょうが、自転車通勤には通勤手当を出さないところが多いのが残念な点です。

公共交通機関を利用すれば運賃がかかりますから、その費用通勤手当として支給するのは分かります。一方、自転車で職場まで行けば、時間と自転車を漕ぐ労力が必要とされるものの、運賃は発生しません。そのため、自転車通勤には通勤手当が出ないことが多いのです。

満員電車でヘトヘトになるよりは自転車で風を感じながら通勤する方が気持ちいいでしょうし、通勤用の車を駐車する費用もかからなくなりますし、色々と利点はあります。

ただ、通勤する本人が利点を感じないと、自転車での通勤を促進するのは難しくなります。

健康に良い、満員電車に乗らなくていい、こういう点も利点ではありますが、「よし、自転車通勤しよう」と決断するには弱いでしょう。

バスや電車は運賃がかかりますが、自転車通勤は運賃は必要無いものの、色々と費用はかかっています。

車両、消耗品交換などのメンテナンス、自転車を漕ぐ労力、雨の日に体が濡れる負担、暑い日に汗だくになる厄介さ、など自転車であってもタダで通勤できるわけではありません。

 

 

通勤手当が出れば、自転車通勤する人は増える。

通勤手当も出ないのに、なんでシンドイ思いをして自転車で職場に行かなければいけないのか」

「電車やバスに乗れば、乗っているだけで目的地に運んでくれるし、夏は涼しく、冬は温かい。自転車を漕ぐ体力も要らない」

このように思ってしまえば、自転車通勤しようと思う人は増えません。

しかし、通勤手当が出るとなると、話が変わってきます。

電車やバスなどの公共交通機関を利用しないと通勤手当は出ないと思っている方もいらっしゃるでしょうが、実は自転車での通勤に対しても税制上の非課税枠が用意されています。

No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm

職場から自宅まで近いという前提条件が必要ですが、片道2kmぐらいならば自転車での通勤ならば現実的なものです。

さすがに毎日、片道10kmなんて走っていられないし、真夏は汗だくになりますが、2kmからkmぐらいでしたら自転車で走れるでしょう。

自転車の平均時速を12km/hだとすると、片道3kmだと片道15分かかります。15分間、自転車を漕ぐ前提ですから、実際は一時停止や赤信号で停まります。となると、25分ぐらいはかかるでしょう。ゆっくり運転する人だと30分は見積もっておく必要があります。

ゆっくり運転して30分で3km。2kmだと20分。通勤時間としてはそう長いものではありません。

片道2キロメートル以上だと、月に4,200円までは非課税通勤手当を支給できます。なお、距離に応じて非課税の枠は大きくなります。

ちなみに、電車での通勤だと1ヶ月に15万円もの非課税枠があり、新幹線での通勤も想定してのことですが、ここまで優遇すると自転車通勤するなんてバカバカしくなります。

通勤ラッシュの原因の1つは、電車に対する税制上の優遇が厚すぎる点にあるのではないかと思っています。

仮に、自転車で自宅から職場まで行き来するとして、毎月4,200円を交通費として支給されたらどうなるでしょうか。年間だと50,400円になります。

自転車通勤して、年間50,400円の交通費が支給されたら。どうでしょう、「自転車通勤しようか」と思い始めるのではないでしょうか。

 


■インセンティブがなければ人は動かない。

「健康にいいですよ」、「満員電車に乗らなくて済みますよ」というだけでは自転車通勤しませんが、「1年で50,400円の交通費が出ますよ」となれば動く人は出てきます。

仮に、1回の自転車通勤で200円の通勤手当を出すとして、月に21回出勤すれば4,200円。これならば非課税枠の範囲内です。週5日出勤の方だと、月に21回ぐらいの出勤日数になるはずです。

月に4,200円だと、年に50,400円。2年に1回、自転車を買い換えるとすれば、100,800円の購入補助が付くようなものです。

ただ、2年も乗れば、パンク修理はするでしょうし、タイヤやブレーキシューも交換するはずです。それゆえ、車両代以外にも費用はある程度かかります。

シティサイクルだと、1台30,000円も出せばかなりいいものが手に入ります。2年で乗れなくなるほど品質が低いものは少なく、4年なり5年は乗れるものが手に入るでしょう。
 
スポーツタイプの自転車だと1台10万円ぐらいするでしょうが、通勤手当自転車を購入する際の補助として利用すれば、随分と費用負担が軽くなります。

このようなメリットがあれば自転車通勤しようかと思う人も出てきます。電車やバスで通勤しても、通勤手当はすべて運賃に消えますから後に残りません。

手当も出ないのに、単に健康を目的に自転車通勤する人がどれだけいるでしょうか。自転車好きの人ならば分かりますが、それ以外の人は違う選択をするはずです。

自転車通勤もタダではありませんから、何の見返りもなしに電車やバスから自転車での通勤に変える人は多くないでしょう。

通勤手当が出るかどうか」ここが自転車通勤が普及するかどうかの境目です。

税制上の非課税枠を1キロメートル以上から設定すれば、自転車通勤に対して手当を出しやすくなります。

例えば、

1キロメートル以上5キロメートル未満:2,900円
2キロメートル以上10キロメートル未満:4,200円

このように、もう1段階メニューを追加すれば、自転車通勤にも適用しやすいでしょう。

 


住宅手当も組み合わせて自転車通勤を増やす。

職場から近い場所に住んでいる人に住宅手当を出すようにして、さらに自転車通勤通勤手当も出せば、遠いところから通勤する人は減ります。

月に15万円もの非課税枠を作ってしまうと、もっと遠くから通勤しても大丈夫だと思ってしまい、通勤ラッシュは解消できません。

職場の近くに住めば、住宅手当が出て、さらに自転車通勤すれば通勤手当も出る。自転車を買い換える費用も少なくなり、常にキレイな自転車に乗れる。

自分がどれだけ得をするか。人が行動を起こすかどうかの出発点はここです。






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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理のミソ】
▽    ▽   <登録はこちら>    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_campaign=soumu_cm_common_20190809_1



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20190809_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20190809_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20190809_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20190809_5



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