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週7日出勤したとき、割増賃金はどうなる?


2019年3月23日号 (no. 1187)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【週7日出勤したとき、割増賃金はどうなる?】
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休日割増賃金が出る日、出ない日。


雇用されて会社などで働いていると、週に1日もしくは2日の休みがあるところが多いはずです。

労働基準法35条(以下、35条)では、毎週少なくとも1日は休日にする必要があり、週5日出勤、多くても週6日出勤にする必要があります。

この35条の休日は「法定休日」と言われており、この日に出勤すると、休日出勤に対する割増賃金を支払う必要があります。


例えば、週6日出勤で、日曜日だけが休日の場合。

月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:【休日

※見やすいように括弧を使っています。


もし、この日曜日を休みではなく出勤日に変えたとすると、その日の勤務に対しては休日割増賃金(35%以上の割増)を付ける必要があります。

ちなみに、法定休日の曜日は日曜日でなくても構いません。火曜日を休日にしても、金曜日を休日にしても、その日に勤務すれば休日割増賃金が必要です。


では、週5日出勤で、週休が2日だった場合はどうか。

月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:【休日
日曜日:【休日

土曜日と日曜日が休みですが、片方だけを出勤に変えた場合は、休日割増賃金は付きません(就業規則で特別な決まりがあれば話は別)。


月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:【休日
日曜日:出勤

このように、土曜日は予定通り休日にして、日曜日に出勤したとすると、この日曜日には休日割増賃金は付かないんです。

「でも、休日労働じゃないの?」と思うところでしょうが、35条で求められているのは、「少なくとも週に1日の休日」ですから、この場合、土曜日がその休日として位置付けられています。

ゆえに、日曜日に出勤したとしても、休日割増賃金は付かないというわけなんですね。


感情的には「休日労働だろう」と思うでしょうが、法律的には休日労働ではないのです。


ちなみに、土日を入れ替えた場合も同様です。

月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:【休日

このケースでは、日曜日は休日のままにして、土曜日を出勤日に変えています。

本来は、土曜日は休日ですから、その日に出勤すれば「休日労働だろう」と思うところですが、感覚的には休日労働ですけれども、法律的には休日割増賃金は付きません。

その理由は、先程と同じで、日曜日が35条の休日となっているため、土曜日は休日割増賃金が支払われる日にはならないからです。


休日に出勤すれば休日割増賃金が付く」と思っている方もいらっしゃるでしょうが、ここでの休日とは35条の「法定休日」を意味するものであって、それに当てはまらなければ、休日に出勤したとしても休日割増賃金は付かないのです。

 

 

■週休0日で働くと割増賃金は出る?


では、週7日で働いたら割増賃金はどうなるか。

月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:出勤

1日も休みなく働いたら、35条の法定休日はありませんから、法律違反になります。

ですが、36協定を締結して、職場で休日労働ができる状態になっていれば、週7日出勤も可能ではあります。

ただ、1週間に1日も休みがない状態で働くのはシンドイですし、続けられるものではありませんので、こういう働き方は避けるように勤務スケジュールを組むのが望ましいでしょう。
36協定が適用されていても、違法な状態には変わりありません。労使協定を締結していれば罰則は適用されないという効果が36協定にはあります。


上記の例では、すべての曜日が出勤日ですから、どの日が法定休日になるのか不明なのが悩ましいところです。


仮に、日曜日が法定休日になるとして考えてみましょう。

月曜日:出勤
火曜日:出勤
水曜日:出勤
木曜日:出勤
金曜日:出勤
土曜日:出勤
日曜日:出勤(この日を法定休日とみなす)

この場合、日曜日は休日労働となり、休日割増賃金が必要になります。


法定休日の曜日を予め決めていない場合は、日曜日ではなく、月曜日や水曜日を法定休日とみなして割増賃金を支払うことも有り得ます。


勤務時間が曜日ごとに同じならば問題ないですが、パートタイマーの方だと、曜日によって勤務時間が変わる方もいます。

月曜日:出勤(5時間勤務)
火曜日:出勤(3時間勤務)
水曜日:出勤(4時間勤務)
木曜日:出勤(3時間勤務)
金曜日:出勤(3時間勤務)
土曜日:出勤(5時間勤務)
日曜日:出勤(3時間勤務)
計26時間。


この場合、どの日を法定休日とみなすか。

時間給で給与が決まっているとすれば、使用者側の気持ちとしては、勤務時間が短い日を法定休日とみたしたいところ(割増賃金が少なくなるため)。一方、労働者側としては、5時間勤務の日を法定休日としてみなして欲しいと思うはず(割増賃金が多くなるため)。


週7日出勤にしてしまうと、上記のような面倒な問題を解決する必要がありますから、少なくとも週に1日は休日を入れるようにしたいところですね。

 
 
 


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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20190323_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20190323_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20190323_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20190323_5



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