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給与を前借りするよりも、電子マネーで給与を受け取る方がいい。


2019年2月28日号 (no. 1189)
3分労働ぷちコラム バックナンバーはこちら
http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【給与を前借りするよりも、電子マネーで給与を受け取る方がいい。】
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https://www.roudou-kk.co.jp/member/6665/
厚労省、賃金デジタル払い全国で 解禁へ年度内にも議論着手

( - 引用開始 - )
 厚生労働省は18日、プリペイドカードなど「デジタルマネー」での賃金支払いに関し、全国での解禁を検討していると明らかにした。労働者の同意を条件に、現金や金融機関への口座振り込みを定める規制を緩和する。政府内では国家戦略特区で試行する意見もあったが、利用が見込まれる外国人労働者の増加に備えて地域を限定しない。2018年度中にも労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論を始める。

 規制改革推進会議の作業部会で厚労省が解禁方針を説明した。「早期の実現を目指す」としている。給与を受け取れないリスクをなくす労働者保護策が課題になる。
( - 引用終了 - )



■電子マネーで給与を受け取る?


労働基準法24条では、「賃金は通貨払いするもの」と決められています。

労働基準法24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。


そのため、給与や賞与は、現金で手渡しするか、銀行に振り込んで支払うのが主流になっています。

現金で受け取るのが当たり前になっている賃金ですが、これをデジタル払いにするかどうか議論されています。


お店で買い物をして、現金で支払うとなると、予め現金を用意していないといけないですし、無ければATMで現金を引き出す手間もかかります。

月末近くになるとATMは混む傾向があり、お金を引き出すだけのためにATMに並ぶのはシンドイもの。


現金ではなく、電子マネーで賃金を受け取れば、ATMがあるところまで行く必要はありませんし、行列に並ぶこと無く、さらには手数料もかかりません。

お釣りのやり取りもなく、電子マネーで決済すると便利です。

 

ただ、賃金現金ではなく電子マネーで支払うとなると、気になる点が出てきます。

 
 

現金よりも通用する決済手段は無い。


現金ならば、どこのお店でも買い物ができるはずですが、電子マネーとなると、それを使えるお店が限られてきます。

一口に電子マネーといっても、色々な会社が独自に規格を作っており、自社ネットワークに加盟しているお店なら使えるものの、ネットワークに入っていないお店だと使えなくなります。


例えば、イオン系のお店だとWAONを利用できますが、セブン&アイグループのお店だとWAONは使えません。

逆に、セブン&アイグループのnanacoをイオン系列のお店に持っていっても使えないんですね。


クレジットカードでも、使えるお店があれば、現金払いしか受け付けていないお店もあります。


現金以外の決済手段を選択すると、現金に比べて流動性が低下します。


現金ならどこでも使えるのに、電子マネーやクレジットカードとなると、使えるお店が限られます。

決済手段で最も流動性が高いのは現金ですから、それを他のものに変換してしまうと、場合によっては買い物ができないこともあります。

 


■銀行口座に入った時点で現金は電子マネーに変わる。


賃金が銀行に振り込まれると、もうその時点で実質的に電子マネーになっています。

現金を数字に変換したものが電子マネーだとすると、銀行口座に入っている現金は電子マネーと言っても差し支えありません。


VISAデビットカードなど、現金を取り出さずに決済できる方法が普及してきています。

デビットカードとクレジットカードのいいとこ取りをしたようなカードで、表面上はクレジットカードのように使えますが、実質は銀行口座に連動したデビットカードです。


銀行の口座から現金を引き出さずに、ダイレクトにカードで決済できるため、ATMを利用する必要がありません。

また、残高の範囲内で決済するため、使いすぎも防げます。


QRコード決済も普及しつつありますが、こちらも銀行口座から現金を電子マネーに変換して使えます。


賃金を受け取る段階では現金のままにしておいて、その後で利用者が各自の選択に基づいて電子マネーに変換して使えば良いでしょう。

 


■インセンティブが無ければ電子マネーを使わない。


人は何らかの利点を感じると、行動を起こします。

例えば、賃金を電子マネーで受け取れば、給与が3%増えるとか。そういうインセンティブがあれば選択する人もいるでしょう。

しかし、現金払いと違いがないならば、あえて流動性を低下させてまで電子マネーを選びません。


流動性が低下することを受け入れられるほどの利点がデジタル払いにあるか。ここがポイントになります。


あえてデジタル払いを選ぶとすれば、決済コストが安いのは利点かもしれません。


現金で銀行振込を依頼すると費用がかかりますが、電子マネー払いなら手数料が安くなります。

手数料が安くなれば、月1回の支払いではなく、月2回払いや3回払いも可能になるでしょう。さらに、週払いや日払いですら容易ではないかと思います。


他には、日本に銀行口座を持っていない外国人労働者賃金を支払うにはデジタル払いは良い方法です。

銀行をバイパスして支払いができるため、手数料が安く、銀行口座を開設する必要もありません。

 


■給与前借りサービスよりも電子マネーで給与を先に受け取る。


国内に銀行口座を持っている人はデジタル払いを選ぶ可能性は低いかと思いますが、早めに給与を受け取りたい人や外国人には利用者が出てくるはずです。


給与を立て替え払いするサービスもありますが、手数料を考えれば、電子マネーで受け取る方が有利でしょう。

給与の支給日が月に1回だけだと、途中でお金が足りなくなって、給与を前払いしてもらいたくなります。しかし、電子マネーで給与を受け取れるなら、すでに働いた分だけ先に支給してもらうことも可能でしょう。


「給与は毎月1回」と固定することなく、月に3回なり4回と分けられるのがデジタル払いの利点の1つでしょうね。

1.決済の早さ。
2.手数料の安さ。
3.銀行口座不要。

この特徴を活かせるなら、多少なりとも流動性が低下しても、それをカバーできるほどのメリットが賃金デジタル払いにはあります。

 
 
 


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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理のミソ】
▽    ▽   <登録はこちら>    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_campaign=soumu_cm_common_20190228_1



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20190228_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20190228_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20190228_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20190228_5



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