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家族がインフルエンザだが、自分は元気なのに仕事を休まされた。


2019年1月28日号 (no. 1192)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【家族がインフルエンザだが、自分は元気なのに仕事を休まされた。給与はどうなる?】
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■自分がインフルエンザになって休むのは問題ない。


12月から2月はインフルエンザが流行するシーズン。

運悪くインフルエンザにかかり、寝込んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。


高熱が出て、体もだるくなるようですし(私はインフルエンザをまだ経験したことがありません)、そんな状態で仕事はできませんから、休むことになるでしょう。


会社によっては、伝染性の疾患にかかったときは、出勤を禁止するところもあり、インフルエンザや感染性胃腸炎になると、出勤できなくなります。

本人がインフルエンザになれば仕事を休ませられる。これは当然です。

出勤してこられて、ウィルスをばら撒かれたら困りますし、体がしんどくて仕事どころではないでしょう。


インフルエンザでダウンしたときは、有給休暇で休むか、4日以上出勤できないなら健康保険傷病手当金を申請することもできます。

風邪のときと対応は同じです。

 



■家族がインフルエンザだから自分が休む?


事業所によっては、本人だけでなく、家族がインフルエンザにかかった場合も出勤できなくなるところがあります。

従業員本人はピンピンしていて、元気いっぱいでも、その家族がインフルエンザにかかると、「家族がインフルエンザになったんですか? じゃあ、あなたも休んでください」と言われる。

確かに、感染力がありますし、ウィルスを運んでくる可能性があるわけですから、健康でも出勤させない、という判断もあるのかもしれません。

しかし、本人が元気な状態で休ませるとなると、これは労働者の責任で休んだものではありませんから、「使用者の責任で休ませた」と判断されます。


https://mainichi.jp/premier/business/articles/20190124/biz/00m/020/005000c
「子供がインフル」ママパートに“休業命令”はあり?

( - 引用開始 - )
 ◇インフルエンザが疑われるパート

 しかし、昨年秋に入所したB江さん(42)の対応は違いました。B江さんから「子供がインフルエンザにかかった」という連絡があったのは金曜日の夕方でした。その日、B江さんは子供の小学校が学級閉鎖になっていたため、近くに住む両親に子供を預けて出勤していました。B江さんが終業後に子供を迎えに行くと発熱していたため、病院でみてもらったところインフルエンザと診断されたといいます。

 B江さんは「子供は週末中に回復すると思うので、月曜日は出勤します」と言います。万が一、B江さんがインフルエンザにかかっていれば、他の従業員にうつりかねません。

 A子さんは、インフルエンザの潜伏期間は1~2日といわれているため、B江さんが感染していないことが確認できるまでもう少し様子をみてから出勤してもらいたいと考えました。しかし、かかっているかどうかがわからない状態で「休んでほしい」と言えるのかどうか悩みました。B江さんは入所して3カ月で、有給休暇がまだない状況です。

 ◇病気の疑いがある場合の対応ルールも

 インフルエンザの疑いがある従業員の対応について考えてみます。原則は、従業員が感染しておらず働ける状態の時は、会社側からの指示で休んでもらうのは難しいでしょう。ただし会社によっては、就業規則などで「家族が感染した場合は一定期間の就業を見合わせる」と定めている場合があります。

 例えば、介護施設や老人ホームなど病気が広がることで利用者に影響があるような職場は、働く人が病気にかかっていなくても、その人の家族からうつるリスクがあれば、感染していないことが確認できてから出勤を認めることをルールにしているケースがあります。その場合、感染前の出勤停止(休業)は最小限の期間にとどめるべきでしょう。
( - 引用終了 - )
 

1月26日時点では、インフルエンザの疑いがある従業員を休ませた場合は、ノーワーク・ノーペイと書かれていた記事ですが、28日時点で修正され、休業手当が必要との部分が追記されています。

 

https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakiryo/20190126-00112545/
子のインフルを理由に労働者に休みを命じた使用者には給料を全額払う義務があります。

こちらはまた別の方が書いたもの。


ノーワーク・ノーペイではなく、使用者の責任で労働者を休ませると、仕事をさせていなくても給与を払わないといけないんです。

こちらでは民法536条2項を根拠に、休ませた場合でも給与を払う必要があると説明されています。


民法536条2項を根拠にすると休んだ日の給与を全額支払う必要がありますが、一般法である民法とは別に、特別法である労働基準法がありますので、この場合は労働基準法26条が優先して適用されます。

 

第26条
使用者責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

休ませた日の給与の60%以上を払うなら、健康な従業員を休ませることも可能になります。


【家族がインフルエンザの場合、従業員を出勤させない】という類のルールを設けている会社もあるでしょうが、誰がこういうルールを最初に作り出したのかは定かではありませんが、労働者本人に責任が無い休業だと、休ませた日でも給与を払わないといけなくなります。

仕事をしてもらっていないのに、給与を払わないといけないのです。


「えぇ〜!? そうなの?」と驚く方もいるかもしれませんが、それが法律なのです。

だから、家族がインフルエンザだからといって、健康な従業員を休ませてはいけないのです。

 



休業手当雇用契約のキャンセル料。会社は従業員を好き勝手に休ませられない。


休業手当は、ホテルや飲食店のキャンセル料と似ています。

例えば、宿泊の予約をして、1週間前までにキャンセルすればキャンセル料は0%。3日前までだと50%。当日キャンセルは100%。このようにキャンセル料を設定しているのが普通です。

ドタキャンされると、準備した手間が無駄になりますし、食事を用意していたら、それも無駄になります。そのため、ホテルはキャンセル料を設定して、一方的なキャンセルに備えています。


雇用契約にもキャンセル料のようなものがあり、それが「労働基準法26条の休業手当」なのです。

使用者は、雇用契約で約束した通りに労働者が働けるようにする義務があります。週に5日出勤すると決めていたら、キチンと週5日働けるようにしないといけません。また、10時から19時まで勤務すると決めていたら、10時から19時まで確実に働けるようにしないといけないのです。

会社の都合で、週3日勤務に変えてみたり、10時から16時までの勤務時間に変えてはダメなのです。

 

家族がインフルエンザだからといって一方的に休みにすれば、出勤日数が減り、雇用契約の内容を履行できなくなりますから、使用者労働者にキャンセル料(雇用契約の一部を履行できないので、債務履行に対する補償)として休業手当を払う必要があります。


従業員本人は健康だけれども、どうしても休んでもらいたい」ならば、休業手当を支払うか、法定の年次有給休暇とは別枠で特別有給休暇休業手当の内容を含んでいるのでOK)を与えるのもアリです。

さらに、必要な休みが2日か3日で済むならば、他の日と出勤日を振り替えるという方法もあります。これならば休業手当の支払いを回避できます。


特別有給休暇を与えてまで健康な人を休ませる必要があるのかどうか。ここは考えてほしいところです。


雇用契約で約束した内容は、使用者労働者がお互いに守らないといけないものですから、使用者が一方的に出勤日を減らしたり、勤務時間を短縮したりはできないのです。

ただ、「家族がインフルエンザになっている間は、従業員本人はマスクを着用して勤務しなければいけない」という程度ならば、ルールとして求めることは可能です。これならば休む必要はありませんし、休業手当も不要です。また、要求している内容も妥当なものですから、本人も受け入れやすいでしょう。


最後に、インフルエンザの場合に限らず、暇だからと言って出勤日数を一方的に減らしたり、早退させた場合も休業手当の支払いが必要になりますので注意が必要です。

 
 
 


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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理のミソ】
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https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_campaign=soumu_cm_common_20190128_1



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20190128_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20190128_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20190128_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20190128_5



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