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年末年始に出勤を強制されて、実家に帰省できない。


2018年12月12日号 (no. 1194)
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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【年末年始に出勤を強制されて、実家に帰省できない。休めないならもう辞めたい?】
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■年末年始が繁忙期の商売。


12月になると、年末年始の勤務シフトが気になってくるところ。

 
年末年始は例年、休みになる職場で働いている方ならば、気にすることはないのですが、サービス業で仕事をしている方は事情が変わります。

第一次産業や第二次産業は、年末年始が休みになる傾向があって、休めないという話はあまり聞きません。

しかし、第三次産業、例えば外食や小売、宿泊、運輸の仕事は、12月から1月初めが繁忙期になります。


12月は歳末セール。1月は初売り。

ショッピングセンターや百貨店に行くと、これでもかと宣伝されていますよね。

書き入れ時ですからね、消費者向けの商売は。


クリスマス、大晦日、初詣。

年末から年明けは、何かとソワソワするイベントが多くて、「仕事なんかしていないで、外で年末を感じたい」と思うもの。

ですが、繁忙期の商売では、出勤してもらわないと仕事が回らないため、サービス業では出勤している人も多いです。


働いている人は休みたい。クリスマスは出勤したくない。年末年始は実家に帰省したい。


会社としては出勤してもらいたい。お客さんがたくさんお店に来る。注文が多い。


この対立する要求をどのように調整していくか。


年末年始の勤務シフトをどうやって作っていくか。これは労務管理の悩みの1つですね。

 

 


■暇な日も忙しい日も給与が同じではやる気は出ない。


学生のアルバイトを例にすると、普段の給与が時間給1,000円だとして、年末年始の給与もいつもと同じ時間給1,000円なら何が起こるか。

「他の日と給与が同じなら、クリスマスは出勤したくないわ」
「給与が変わらないなら、休んで実家に帰省するよ」

このように反応するのが自然では?


職場でこういう人、いませんか。年末が近くなると辞めていく人。

12月に入ってすぐに辞める人やクリスマスの直前、12月20日頃に辞める人とか。

クリスマスから年末年始に、自分の希望通りに勤務シフトを組んでもらえないなら辞めてしまおう。

そして、年が変わって、1月の後半になったら、また新しい職場で働き始める。

実に合理的で賢い判断です。

 

学生なら、パッと仕事を始めて、パッと辞めても支障はありませんからね。

会社側としては、こういう行動をする学生がいると想定して、勤務シフトを組んでいかないといけないのです。

 

とはいえ、「クリスマスと年末年始は自由に休みは入れさせないぞ。会社側で勤務シフトは決めるからな」と強圧的な態度に出ても問題は解決しません。

 

労務管理は、言い換えると「感情管理」です。人の感情を扱うのが労務管理ですから、その感情に逆らうような判断をしてしまうと、よろしくない結果を招きます。

 

12月の後半に、一斉に人が辞めてしまって、商売どころではなくなる可能性もあります。

 

 


■12月28日から1月5日の間は給与が50%割増。


では、どうやって年末の勤務シフトを組んでいくか。

具体的には、インセンティブを用意して出勤してもらいます。


例えば、12月28日から1月5日までの9日間限定で、給与を割増します。

・1日6時間以上出勤した人には、1日の給与に3,000円をプラスする。
・1日8時間以上出勤した人には、1日の給与に5,000円をプラスする。

これは、一定時間以上の勤務をした人を対象に、給与を上乗せする方法です。

 

他には、給与は通常通りにして、出勤した日数分だけ特別有給休暇を付与するのも良いですね。

仮に、上記の9日間のうち6日出勤したなら、6日分の特別有給休暇が与えられ、その特別有給休暇は2月末までの間に消化する。

この特別有給休暇は法定の有給休暇とは別枠で、会社が独自に付与するものです。

特別有給休暇を取得する期限を設定しておくのもポイントです。休暇が付与されても使えないなら無意味ですから、2月までにリミットを設定して取得します。


後は、時間給を割増にするのもアリです。

・12月28日から30日までは、時間給30%割増。
・12月31日から1月3日までは、時間給50%割増。
・1月4日から5日は、時間給30%割増。

このように日によって少し差を付けておくのも良いでしょう。

割増期間も、12月28日からではなく、12月23日から設定しても構いません。

 

 


■インセンティブがあるかどうか。それが問題だ。


人はインセンティブに反応する生き物です。

反対に、インセンティブがなければ人は反応しないんですね。


金銭的なインセンティブだけでなく、人から褒められるとか、尊敬されるとか、「ありがとう」と感謝されるとか、こういった無形の報酬もインセンティブになります。

他にも、仕事が面白いというのも重要なところです。給与が多くても、仕事がつまらないと人は離れていきます。

 

何のインセンティブも用意せずに、「クリスマスは休めないぞ」、「年末年始の休み希望は受け付けないぞ」と言うのは、人の感情を理解していないトンチンカンな対応と言わざるを得ないでしょう。

動いて欲しければ、インセンティブ(俗っぽい表現をすれば「人参」)を用意すればいいのです。

 

インセンティブがあるなら帰省せずに働く人も出てくるでしょう。

12月末から1月の始めはどこも混雑します。道路は渋滞し、ホテルやアミューズメントパークは人でいっぱい。

旅行代金も跳ね上がりますからね。通常期の2倍なり3倍ぐらいに料金がアップしても旅行の中身は同じです。

同じ商品なら料金が高いよりも安い方が良いですからね。


そういう時期をズラして、1月の中旬以降に帰省するなり旅行すれば快適でしょう。


勤務シフトを埋めていくには、「クリスマスや年末年始に出勤してもいい」と思わせる仕掛けが必要です。

暇な時期も繁忙期も同じ条件ならば、忙しい時期に働きたくないのは当たり前です。

キーになるのは「インセンティブ」です。

 
 
 


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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
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『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理のミソ】
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https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_campaign=soumu_cm_common_20181212_1



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20181212_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20181212_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20181212_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20181212_5



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