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半日有給休暇、時間単位有給休暇、導入するほどの利点があるのか


2020年5月11日号 (no. 1206)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【半日有給休暇時間単位有給休暇、導入するほどの利点があるのかどうか。】
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年次有給休暇を細切れにすれば、労務管理も手間が増える。


年次有給休暇は1日単位で使うもの。そう決めている事業所が大半であろうと思いますが、 中には半日単位で有給休暇が使いたい1時間や2時間といった時間単位で年次有給休暇を使える事業所もあります

細かな単位で年次有給休暇は使えるか自分に労務管理をしているというようなイメージが伝わりますけれども、実際の労務管理での運用は面倒なものとなります

本来畳一日単位で有給休暇を使うだけですからメニューは一つです

しかし半日は時間単位で年次有給休暇が使えるとなるとメニューがさらに二つ追加され合計で三つもできてしまいます

そのそれぞれのメニューに対してどういう条件で運用するのか対象者が誰なのか残日数の完了とするとか細かく決めていく必要があるわけです

そういう面倒な作業をしてでも半日単位有給休暇4時間単位有給休暇を導入したいのかどうかそこまでの需要があるのかどうか制度を作る前に検討が必要です

 


半日有給休暇時間単位有給休暇の問題点。


なぜ、年次有給休暇を1日単位で使わないのか。なぜ、細切れで年次有給休暇を使いたがるのか。

半日や時間単位で細かく使うよりも、丸1日休んでしまったほうが気分が楽でしょう。

午前中だけ半日有給休暇を使うと、午後から仕事に行かなきゃいけないわけですし、午後から半日有給休暇を使うとなると、午前だけ仕事に行く必要があります。

そういう中途半端な使い方をするよりも、1日休んじゃえばいいんじゃないか。こう考えるのですが、少ないながらも、細切れで年次有給休暇を使いたいという需要はあるようです。

半日単位や時間単位で有給休暇を使えるような職場ならば、普段から年次有給休暇を使いやすい環境なのでしょうから、細かくチョロチョロと使うのではなく、1日単位だけでなく3日や4日と、まとめて使ってしまうほうが、休暇として本来の機能を発揮できるのでは。

1日単位、半日単位、時間単位、このように3つもメニューを作ってしまうと、それぞれのメニューごとに条件を設定して、運用をしていかねばなりません。

仮に、年次有給休暇を半日単位で使えるとして、付与された年次有給休暇の何日分を半日有給休暇として使えるようにするのか。

付与された日数の10日分までなのか、それとも5日分までか。さらには、付与された日数のすべてを半日単位で使っても構わないのか。

付与された日数を基準にするのではなく、残日数が6日以上ある人を対象に半日単位で有給休暇を使える、なんていう条件設定もありそうです。付与日数ではなく、残日数を基準にしている点が先程と違うところ。

さらに、半日の定義も問題となります。

どこからどこまでが半日に相当するのか。午前と午後に分けるとしたら、午前というのは何時から何時までか。午後は何時から何時までなのか。

これも事業所ごとや個人ごとに定義や考え方が変わってくるわけです。

一例として、午前は3時間相当で、午後は4時間半に相当する、つまり午前と午後の時間配分が違っている事業所もあります。単純に、午前4時間、午後は4時間と分けられるとは限りません。

そういう事業所で半日有給休暇を運用するとなれば問題が発生しますよね。同じ半日有給休暇であるならば、より時間が長い午後の方に取ったほうが、従業員としては得だと判断してしまいます。休みの時間が長くなるわけですから。

午前と午後のアンバランスな状況に対処するために、半日単位有給休暇時間単位有給休暇を組み合わせて対処するなどという複雑な方法を用いる事業所まであります。

上記の例を用いると、半日を労働時間3時間相当と扱い、午後は1時間30分足りないので、そこに時間単位有給休暇を差し込んで切り抜けようというものです。

このように面倒な運用をしてまで年次有給休暇を切り刻みたいのかどうか。 制度を導入する前に考えないといけないでしょう。

1日の所定労働時間は8時間。世間的には、そう思われていますけれども、職場によっては1日7時間30分とか7時間45分後など、所定労働時間が8時間になっていない職場もあります。

そういう職場でどうやって半日単位の有給休暇を制度として運用していくのか。

さらには、パートタイマーの人だと、日によって勤務時間が違いますから、月曜日は4時間勤務だったけれども木曜日は6時間勤務と日によって変化します。こういう人が半日単位で有給休暇を使うとなれば、どう対処するのか。

勤務時間が長い日を狙って半日単位有給休暇を取ってもいいのでしょうか。従業員はそういう合理的な判断をするはずです。

かといって、フルタイムで勤務する人しか半日有給休暇を使えませんとなると、パートタイムで働く人たちからすると不満に感じるのでは。

時間単位の有給休暇でも、法律上は、付与された日数の5日分が時間単位で使えると決められていますけれども、労働者に有利になるよう、これを7日分にする事業所もあれば、すべての年次有給休暇を時間単位で使って構わないという事業所もありそうです。

時間単位といっても、1時間単位で使えるのか、2時間単位で使うのか。さらには、30分単位での使用も認めるのか。

考え出すと切りが無いほど問題点があります。

そういう問題点をクリアしてでも、年次有給休暇を細切れで使いたいのかどうか、運用していきたいのかどうか。これは制度を導入する前に考えないといけない点です。

1時間の年次有給休暇なんて、もはや休暇とは呼べず、ただの休憩と同じでしょう。

 



■用事で使うものではなく、気分転換で使うもの。


事業所によっては、半日単位、時間単位の年次有給休暇を用意せず、従来通り1日単位で使うだけというところもあります。

制度を導入する義務はなく、事業所ごとの任意です。

休暇ですから、本来は用事のために使うような休暇ではなくて、気分をリフレッシュするために使うもの。

病気だとか家の用事だとか、そういう必要に迫られて取るような休暇ではなくて、特に理由はないけど、休暇を取って休もうか、というぐらいの感覚で使われるのが本来の年次有給休暇です。

半日休むぐらいならば1日休んでしまえばいいのです。2時間だけ休暇を取るぐらいならば1日休んでしまえばいい。

数時間で済む用事ならば、勤務時間を短縮して対応できますから、年次有給休暇はなるべくまとめて取るようにしたほうが残日数が早く減りますし(年次有給休暇の取得義務化にも対応しやすい)、休暇を取った本人も満足できるでしょう。

 
 
   
 


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メールマガジン【本では読めない労務管理のミソ】のご紹介


内容の一例・・・
『定額残業代残業代は減らせるのか』
『15分未満の勤務時間は切り捨て?』
『4週4日以外の変形休日制度もある』
『長時間残業を減らす方法は2つある』
『管理職は週休3日が理想』
『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

など、その他盛りだくさんのテーマでお送りしています。

本に書いていそうなんだけど、書いていない。
そんな内容が満載。



【本では読めない労務管理のミソ】
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https://www.growthwk.com/entry/2008/05/26/125405?utm_campaign=soumu_cm_common_20200511_1



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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910?utm_campaign=soumu_cm_common_20200511_2
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡



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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715?utm_campaign=soumu_cm_common_20200511_3


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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_campaign=soumu_cm_common_20200511_4



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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023?utm_campaign=soumu_cm_common_20200511_5



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