こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
8月も残り数日になりました。
今年は梅雨明けが8月に入ってからでしたので、
ずいぶんと夏を短く感じました。
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○○○○
労働者に
労災保険、
役員に特別加入 ○○○○
基本的なことですが、
労災保険は
労働者が対象です。
労働者災害補償保険法の第1条(目的)に次のようにあります。
「業務上の事由又は
通勤による
労働者の負傷、疾病…に対して
必要な
保険給付を行い…」(抜粋)
従って、社員やアルバイト・パートは対象になりますが、
役員は対象になりません。
ところが、小さな会社の社長は机に座っているだけではなく、
実際に
従業員と一緒に客先を回ったり、時には作業したり
などという事も多く、ケガをする可能性があります。
そのため、一定規模以下の会社の
役員は「特別加入」という制度で
労災(
業務災害と
通勤災害)の対象となることができます。
根拠は
労災保険法 第34条(
中小事業主等の特別加入)です。
なお、特別加入の詳細はこちらをご確認ください。↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/kanyu.html
○○○○
労災保険の主な給付 「療養」と「休業」 ○○○○
労災の給付には、まず「
療養補償給付」があります。
その範囲は
労災保険法 第13条にあり次の通りです。(抜粋)
・診察 ・薬剤または治療材料の支給 ・処置、手術その他の治療
・病院又は診療所への入院
また、「
休業補償給付」として、給与の6割が補償される、
という制度もあります。(
労災保険法 第14条)
「労災の補償」というと、このイメージが強いのではないでしょうか。
○○○○
労災保険料はいくら位なのか? ○○○○
労災保険料は、
労働者の年収×
労災保険料率です。
労災保険料率は「その他の各種事業」の場合、3/1000です。
例えば年収350万円では、10,500円です。(全額会社が負担)
なお、労災が発生しやすい事業では高くなります。(最大88/1000)
そして、
役員が
労災保険に特別加入する場合は、上記の「年収」に
相当する金額を任意に決められます。
9,125,000円から1,277,500円まで16段階あります。
保険料は「その他の各種事業」の会社において
年収相当額9,125,000円を選んだ場合、27,375円(年間)
また、休業をした場合の
休業給付は1
日当たり15,000円です。
(9,125,000円÷365日×0.6)
同様に、年収相当額1,277,500円では、3,682円(年間)です。
休業給付は1
日当たり2,100円です。
(1,277,500円÷365日×0.6)
○○○○ 特別加入は
休業補償だけが目的ではない ○○○○
特別加入をすると
保険料に応じた休業(補償)給付を受けられますが、
必ずしもそれを第一の目的とはしない考え方もあります。
つまり、休業(補償)給付よりも療養(補償)給付を受けられることを
目的にする、という事です。こちらは支払った
保険料とは関係なく、
自己負担額が0円となりますので、一つの方法です。
休業(補償)給付は、それ程もらわなくても良いけれど、
医療機関でしっかりと対応してもらいたい、という
考えに合った方法でしょう。
○○○○ 特別加入はどうすればできるか? ○○○○
役員の特別加入は、
労働基準監督署に届け出るのですが、
実は、企業単独ではできません。
「
労働保険事務組合」に
労働保険の事務処理を委託することが
特別加入の条件となっています。
商工会議所や
社会保険労務士が窓口となっています。
(当所も窓口となっています。)
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(2020.08.26)
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こんにちは。社会保険労務士の田中です。
8月も残り数日になりました。
今年は梅雨明けが8月に入ってからでしたので、
ずいぶんと夏を短く感じました。
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○○○○ 労働者に労災保険、役員に特別加入 ○○○○
基本的なことですが、労災保険は労働者が対象です。
労働者災害補償保険法の第1条(目的)に次のようにあります。
「業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病…に対して
必要な保険給付を行い…」(抜粋)
従って、社員やアルバイト・パートは対象になりますが、
役員は対象になりません。
ところが、小さな会社の社長は机に座っているだけではなく、
実際に従業員と一緒に客先を回ったり、時には作業したり
などという事も多く、ケガをする可能性があります。
そのため、一定規模以下の会社の役員は「特別加入」という制度で
労災(業務災害と通勤災害)の対象となることができます。
根拠は労災保険法 第34条(中小事業主等の特別加入)です。
なお、特別加入の詳細はこちらをご確認ください。↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/kanyu.html
○○○○ 労災保険の主な給付 「療養」と「休業」 ○○○○
労災の給付には、まず「療養補償給付」があります。
その範囲は労災保険法 第13条にあり次の通りです。(抜粋)
・診察 ・薬剤または治療材料の支給 ・処置、手術その他の治療
・病院又は診療所への入院
また、「休業補償給付」として、給与の6割が補償される、
という制度もあります。(労災保険法 第14条)
「労災の補償」というと、このイメージが強いのではないでしょうか。
○○○○ 労災保険料はいくら位なのか? ○○○○
労災保険料は、労働者の年収×労災保険料率です。
労災保険料率は「その他の各種事業」の場合、3/1000です。
例えば年収350万円では、10,500円です。(全額会社が負担)
なお、労災が発生しやすい事業では高くなります。(最大88/1000)
そして、役員が労災保険に特別加入する場合は、上記の「年収」に
相当する金額を任意に決められます。
9,125,000円から1,277,500円まで16段階あります。
保険料は「その他の各種事業」の会社において
年収相当額9,125,000円を選んだ場合、27,375円(年間)
また、休業をした場合の休業給付は1日当たり15,000円です。
(9,125,000円÷365日×0.6)
同様に、年収相当額1,277,500円では、3,682円(年間)です。
休業給付は1日当たり2,100円です。
(1,277,500円÷365日×0.6)
○○○○ 特別加入は休業補償だけが目的ではない ○○○○
特別加入をすると保険料に応じた休業(補償)給付を受けられますが、
必ずしもそれを第一の目的とはしない考え方もあります。
つまり、休業(補償)給付よりも療養(補償)給付を受けられることを
目的にする、という事です。こちらは支払った保険料とは関係なく、
自己負担額が0円となりますので、一つの方法です。
休業(補償)給付は、それ程もらわなくても良いけれど、
医療機関でしっかりと対応してもらいたい、という
考えに合った方法でしょう。
○○○○ 特別加入はどうすればできるか? ○○○○
役員の特別加入は、労働基準監督署に届け出るのですが、
実は、企業単独ではできません。
「労働保険事務組合」に労働保険の事務処理を委託することが
特別加入の条件となっています。
商工会議所や社会保険労務士が窓口となっています。
(当所も窓口となっています。)
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(2020.08.26)
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田中事務所 特定社会保険労務士 田中理文
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