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1 はじめに
2
労働者災害補償保険法改正<
労災保険の目的の改正>
3 過去問データベース
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└■ 1 はじめに
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令和2年度試験が終わり、すでに1カ月以上経ちます。早いですね!
ところで、今年の試験を受けられた方は、
試験までは、自らのペースで勉強を進めていて、勉強が習慣化していたでしょう。
ただ、試験が終わった後は、その習慣が崩れてしまっているのではないでしょうか?
試験直後は、
休憩をしたりして、リフレッシュするために、どうしても、
試験直前とは、リズムが変わってしまいます。
そうなっていた場合、
もし、来年度の試験の合格を目指すのであれば、勉強をするという習慣、
そろそろ取り戻しましょう。
来年度初めて受験しようという方は、
まだ、勉強が習慣化されていないかもしれませんね?
長期間にわたって勉強を続けるうえでは、勉強することを習慣化するということは、
大切なことです。
ですので、できるだけ早く勉強をすることを習慣化しましょう。
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└■ 2
労働者災害補償保険法改正<
労災保険の目的の改正>
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今回は「
労災保険の目的の改正」です。
☆☆======================================================☆☆
今般の改正により、
労災保険の目的として、「複数事業
労働者」の2以上の事業の
業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)
についても
保険給付を行うことが加えられた(新労災法第1条)。これに伴い、
新労災法第2条の2において、新労災法第1条の目的を達成するため、
保険給付を
行う場合について複数業務要因災害が加えられた。この複数業務要因災害に関する
保険給付は、それぞれの就業先の業務上の負荷のみでは業務と疾病等との間に因果
関係が認められないことから、いずれの就業先も
労働基準法(以下「労基法」と
いう。)上の災害補償責任は負わないものである。
また、複数事業
労働者に関する
保険給付を行うこととなるため、事務の所轄につい
ても複数の都道府県労働局(以下「局」という。)及び
労働基準監督署(以下「署」
という。)が関係する場合が想定される。
業務災害及び
通勤災害に係る事務の所轄
の取扱いは従来の通りであるが、複数業務要因災害に係る事務の所轄は、生計を
維持する程度の最も高い事業の主たる事務所を管轄する局又は署となる(新労災則
第1条)。この場合における、生計を維持する程度の最も高い事業の主たる事務所
とは、原則として複数就業先のうち
給付基礎日額の
算定期間における
賃金総額が
最も高い
事業場を指すものである。
なお、
業務災害に係る事務を所轄する局又は署と複数業務要因災害に係る事務を
所轄する局又は署が異なる場合、
業務災害に係る事務を所轄する局又は署において
保険給付に係る調査を優先して行うこととなるため、複数業務要因災害に係る事務
を所轄する局又は署の事務の全部又は一部を、
業務災害に係る事務を所轄する局
又は署に委嘱することができることとした(新労災則第2条の2)。
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└■ 3 過去問データベース
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今回は、令和2年-労基法問6-A「
労働時間」です。
☆☆======================================================☆☆
運転手が2名乗り込んで、1名が往路を全部運転し、もう1名が復路を全部運転
することとする場合に、運転しない者が助手席で休息し又は仮眠している時間は
労働時間に当たる。
☆☆======================================================☆☆
「
労働時間」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H28-4-A 】
労働基準法第32条の
労働時間とは、「
労働者が
使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、右の
労働時間に該当するか否かは、
労働者の行為が
使用者の
指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」
とするのが、
最高裁判所の判例である。
【 H20-4-A 】
労働基準法が規制対象とする
労働時間とは、
労働者が
使用者の指揮命令下に
置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、
労働契約、
就業規則、
労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが
最高裁判所の判例で
ある。
【 H14-4-A 】
労働基準法第32条の
労働時間とは、
労働者が
使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、この
労働時間に該当するか否かは、
労働者の行為が
使用者
の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に
定まるものであって、
労働契約、
就業規則、
労働協約等の定めのいかんにより
決定されるべきものではない。
【 H22-4-A 】
ビルの巡回監視等の業務に従事する
労働者の実作業に従事していない
仮眠時間
についても、労働からの解放が保障されていない場合には労働準基法上の労働
時間に当たるとするのが
最高裁判所の判例である。
【 H19-5-B 】
労働基準法第32条の
労働時間とは、
労働者が
使用者の指揮命令下に置かれ
ている時間をいい、実作業に従事していない
仮眠時間が
労働基準法上の労働
時間に該当するか否かは、
労働者が実作業に従事していない
仮眠時間におい
て
使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かに
より客観的に定まるものというべきであるとするのが
最高裁判所の判例である。
【 H26-5-D 】
労働基準法第32条にいう「労働」とは、一般的に、
使用者の指揮監督のもと
にあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件
とはしない。したがって、例えば、運転手が2名乗り込んで交替で運転に当たる
場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠をとっているときで
あってもそれは「労働」であり、その状態にある時間は
労働基準法上の
労働時間
である。
【 H30-1-イ 】
貨物自動車に運転手が二人乗り込んで交替で運転に当たる場合において、運転
しない者については、助手席において仮眠している間は
労働時間としないこと
が認められている。
☆☆======================================================☆☆
「
労働時間」に関する判例や
通達からの出題です。
【 H28-4-A 】、【 H20-4-A 】、【 H14-4-A 】、【 H19-5-B 】
では、
労働時間とは、
「
労働者が
使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」
としています。
この部分は、そのとおりです。
使用者の指揮命令下に置かれている時間が
労働時間になります。
たとえば、
就業規則に、始業時刻が9時、終業時刻が18時、12時から13時
まで
休憩と定められていた場合、その間の8時間だけが
労働時間になる、とは
限らないということです。
実際に、その時間を超えて、
使用者の指揮命令下に置かれているのであれば、
その超えた時間も
労働時間となります。
ですので、
「
労働契約、
就業規則、
労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとする」
とある【 H20-4-A 】は、誤りです。
これに対して、
「
労働契約、
就業規則、
労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきもの
ではない」としている【 H14-4-A 】、
「
使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かに
より客観的に定まる」としている【 H28-4-A 】と【 H19-5-B 】、
この3問は、いずれも正しいです。
そこで、
【 H22-4-A 】ですが、
「労働からの解放が保障されていない」場合は、「
労働時間に当たる」としてい
ます。
「労働からの解放が保障されていない」というのは、
使用者の指揮命令下に置かれ
ている状態ですので、やはり、
労働時間となります。
ですので、【 H22-4-A 】も正しいです。
ちなみに、
仮眠時間って寝ている時間です。寝ていても
労働時間になるというと、
違和感を持つ人もいるかもしれません・・・
仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを
義務づけられているような場合には、
仮眠時間は全体として労働からの解放
が保障されているとはいえないので、
労働時間に当たるとされています。
それと、【 H26-5-D 】では、「労働」とはどういうものなのかを挙げつつ、
具体例を示していますが、この具体例は、
【 H30-1-イ 】と【 R2-6-A 】でも出題されています。
で、【 H26-5-D 】と【 R2-6-A 】では「
労働時間である」としているの
に対して、【 H30-1-イ 】では「
労働時間としないことが認められている」と
しています。
【 H26-5-D 】と【 R2-6-A 】が正しくて、【 H30-1-イ 】は誤りです。
「労働」とは、一般的に、
使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実
に精神又は肉体を活動させていることを要件とはしていません。
ですので、休息中や仮眠中も、「労働」となり得るのです。
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加藤 光大
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1 はじめに
2 労働者災害補償保険法改正<労災保険の目的の改正>
3 過去問データベース
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試験直前とは、リズムが変わってしまいます。
そうなっていた場合、
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└■ 2 労働者災害補償保険法改正<労災保険の目的の改正>
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今回は「労災保険の目的の改正」です。
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今般の改正により、労災保険の目的として、「複数事業労働者」の2以上の事業の
業務を要因とする負傷、疾病、障害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)
についても保険給付を行うことが加えられた(新労災法第1条)。これに伴い、
新労災法第2条の2において、新労災法第1条の目的を達成するため、保険給付を
行う場合について複数業務要因災害が加えられた。この複数業務要因災害に関する
保険給付は、それぞれの就業先の業務上の負荷のみでは業務と疾病等との間に因果
関係が認められないことから、いずれの就業先も労働基準法(以下「労基法」と
いう。)上の災害補償責任は負わないものである。
また、複数事業労働者に関する保険給付を行うこととなるため、事務の所轄につい
ても複数の都道府県労働局(以下「局」という。)及び労働基準監督署(以下「署」
という。)が関係する場合が想定される。業務災害及び通勤災害に係る事務の所轄
の取扱いは従来の通りであるが、複数業務要因災害に係る事務の所轄は、生計を
維持する程度の最も高い事業の主たる事務所を管轄する局又は署となる(新労災則
第1条)。この場合における、生計を維持する程度の最も高い事業の主たる事務所
とは、原則として複数就業先のうち給付基礎日額の算定期間における賃金総額が
最も高い事業場を指すものである。
なお、業務災害に係る事務を所轄する局又は署と複数業務要因災害に係る事務を
所轄する局又は署が異なる場合、業務災害に係る事務を所轄する局又は署において
保険給付に係る調査を優先して行うこととなるため、複数業務要因災害に係る事務
を所轄する局又は署の事務の全部又は一部を、業務災害に係る事務を所轄する局
又は署に委嘱することができることとした(新労災則第2条の2)。
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└■ 3 過去問データベース
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今回は、令和2年-労基法問6-A「労働時間」です。
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運転手が2名乗り込んで、1名が往路を全部運転し、もう1名が復路を全部運転
することとする場合に、運転しない者が助手席で休息し又は仮眠している時間は
労働時間に当たる。
☆☆======================================================☆☆
「労働時間」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H28-4-A 】
労働基準法第32条の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の
指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まる」
とするのが、最高裁判所の判例である。
【 H20-4-A 】
労働基準法が規制対象とする労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に
置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、
労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所の判例で
ある。
【 H14-4-A 】
労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれて
いる時間をいい、この労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者
の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に
定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより
決定されるべきものではない。
【 H22-4-A 】
ビルの巡回監視等の業務に従事する労働者の実作業に従事していない仮眠時間
についても、労働からの解放が保障されていない場合には労働準基法上の労働
時間に当たるとするのが最高裁判所の判例である。
【 H19-5-B 】
労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれ
ている時間をいい、実作業に従事していない仮眠時間が労働基準法上の労働
時間に該当するか否かは、労働者が実作業に従事していない仮眠時間におい
て使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かに
より客観的に定まるものというべきであるとするのが最高裁判所の判例である。
【 H26-5-D 】
労働基準法第32条にいう「労働」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもと
にあることをいい、必ずしも現実に精神又は肉体を活動させていることを要件
とはしない。したがって、例えば、運転手が2名乗り込んで交替で運転に当たる
場合において運転しない者が助手席で休息し、又は仮眠をとっているときで
あってもそれは「労働」であり、その状態にある時間は労働基準法上の労働時間
である。
【 H30-1-イ 】
貨物自動車に運転手が二人乗り込んで交替で運転に当たる場合において、運転
しない者については、助手席において仮眠している間は労働時間としないこと
が認められている。
☆☆======================================================☆☆
「労働時間」に関する判例や通達からの出題です。
【 H28-4-A 】、【 H20-4-A 】、【 H14-4-A 】、【 H19-5-B 】
では、労働時間とは、
「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいう」
としています。
この部分は、そのとおりです。
使用者の指揮命令下に置かれている時間が労働時間になります。
たとえば、就業規則に、始業時刻が9時、終業時刻が18時、12時から13時
まで休憩と定められていた場合、その間の8時間だけが労働時間になる、とは
限らないということです。
実際に、その時間を超えて、使用者の指揮命令下に置かれているのであれば、
その超えた時間も労働時間となります。
ですので、
「労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとする」
とある【 H20-4-A 】は、誤りです。
これに対して、
「労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきもの
ではない」としている【 H14-4-A 】、
「使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるか否かに
より客観的に定まる」としている【 H28-4-A 】と【 H19-5-B 】、
この3問は、いずれも正しいです。
そこで、
【 H22-4-A 】ですが、
「労働からの解放が保障されていない」場合は、「労働時間に当たる」としてい
ます。
「労働からの解放が保障されていない」というのは、使用者の指揮命令下に置かれ
ている状態ですので、やはり、労働時間となります。
ですので、【 H22-4-A 】も正しいです。
ちなみに、
仮眠時間って寝ている時間です。寝ていても労働時間になるというと、
違和感を持つ人もいるかもしれません・・・
仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相当の対応をすることを
義務づけられているような場合には、仮眠時間は全体として労働からの解放
が保障されているとはいえないので、労働時間に当たるとされています。
それと、【 H26-5-D 】では、「労働」とはどういうものなのかを挙げつつ、
具体例を示していますが、この具体例は、
【 H30-1-イ 】と【 R2-6-A 】でも出題されています。
で、【 H26-5-D 】と【 R2-6-A 】では「労働時間である」としているの
に対して、【 H30-1-イ 】では「労働時間としないことが認められている」と
しています。
【 H26-5-D 】と【 R2-6-A 】が正しくて、【 H30-1-イ 】は誤りです。
「労働」とは、一般的に、使用者の指揮監督のもとにあることをいい、必ずしも現実
に精神又は肉体を活動させていることを要件とはしていません。
ですので、休息中や仮眠中も、「労働」となり得るのです。
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