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コラムの泉

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登録第6241423号

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       12月1日号
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 弁理士 深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6241423号:

 右上がりの白色斜線を1本ずつ施した「T」の欧文字と「IYO」
の欧文字の間に,5本の右上がりの白色斜線を施した黒色の正三角形を
配し(以下「上段部分」という。),その下部に「TAIYO 
CORPORATION」の欧文字(以下「下段部分」という。)
を横書きしてなる構成

 指定商品・役務は、第1,3,5,29,30,32類の各商品です。

 ところが、この商標は、

 登録第4925057号商標、登録第4925059号商標

 黄緑色で太く「タイヨー」の片仮名を横書きしてなる構成

 等と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2019-012546)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「上段部分は,図案化されていることに加え,下段部分に比較して
大きく表示されていることから,両者は視覚上分離して看取される
ものであって,両者を分離して観察することが取引上不自然である
と思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難い。」

 また、下段部分は、

「その構成中「TAIYO」の文字は,辞書等に掲載された語では
なく,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として
理解されるものである。そして,「CORPORATION」の
文字は,「有限会社。株式会社。」等の意味を有する英語
(「ベーシック ジーニアス英和辞典」 株式会社大修館書店)
であり,これらの法人の種類を表す語として広く使用されている
ことからすれば,当該文字は,商品の出所識別標識としての機能が
ないか,弱いものといわざるを得ない。」

 そうすると、

「下段部分においては,「TAIYO」の文字部分が自他商品の
識別標識としての機能を果たし得る要部として認識され,当該文字
部分にのみ着目し,その文字部分から生ずる称呼及び観念をもって
取引に資する場合も決して少なくないというべきである。」

 してみれば、

「その構成中の上段部分と,下段部分中「TAIYO」の文字部分
とがそれぞれ独立して,取引者,需要者に対し商品の出所識別標識
としての機能を果たし得るものといえるから,本願商標の構成中,
上段部分,又は下段部分中「TAIYO」の文字部分のみを要部
として抽出し,他人の商標と比較して商標の類否を判断することも
許されるというべきである。」

 そうすると、

「下段部分中「TAIYO」の文字部分は,前記のとおり,特定の
意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるもの
であるから,特定の観念は生じないものであり,その構成文字に
相応して,「タイヨー」又は「タイヨ」の称呼を生じるものである。」

 したがって、

「全体から生ずる「タイヨーコーポレイション」又は「タイヨコー
ポレーション」のほか,下段部分中「TAIYO」の文字部分に
相応して「タイヨー」又は「タイヨ」の称呼をも生じ,特定の観念
を生じないものである。」

 一方、引用商標

「文字は,辞書等に掲載された語ではなく,特定の意味合いを想起
させることのない一種の造語として理解されるものである。」

 したがって、

「その構成文字に相応して,「タイヨー」の称呼を生じ,特定の
観念を生じないものである。」

 そこで、両者を比較すると、

「図案化された部分の有無,構成文字の種類,数,書体及び色彩に
おいて明らかな差異があるから,外観上,明確に区別し得るもので
ある。」

 称呼は、

「両者は,「タイヨー」の称呼を共通にする場合がある。」

 観念は、

「両者は,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較
することができないものである。」

 そうすると、両者は、

「称呼においては共通する場合があり,観念において比較できない
としても,外観においては,その印象が相違し,判然と区別し得る
ものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要
者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,」

 非類似の商標とされました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 称呼が共通していても、外観に大きな違いがあれば、非類似に
なる場合があります。

 外観を大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。 

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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