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「「男性育休」制度の改正案」について

コロナ禍の中でも季節は巡ります。人の世の喜怒哀楽とは関係なく、季節は淡々と移ろって行きます。
春になれば、桜は精一杯の美しい化粧をして登場し、観る人を癒してくれます。外出が制限されると
いう不自由な日常生活の中でも、靖国通りの桜は例年通り、色鮮やかに咲き始めました。
3月22日(月曜日)の朝、地下鉄を降りて駅の階段をやっとこさと昇って、靖国道路に出るとパッと
桃色の桜が視界に飛び込んできました。毎年この景色を見ると“あぁ、今年も咲いたんだ!”と
嬉しくなります。
私は齢をとるごとに段々と感動する嬉しさの数が減って来てしまいましたが、変わらない嬉しさの一つが
この時期の桜です。
昨日の春の嵐をものともせず、もうほぼ満開に近い見事さで咲き誇り、なにやら見ている人の心を和ませます。
桜が咲き、花びらが風に舞うこの季節は、人々をウキウキとした気分にさせるのですが、私には一抹の
悲しさを感じさせる季節でもあります。
妻がすい臓癌で逝ってから今年でもう7回忌を迎えます。
癌を患い、最期の日々を自宅で過ごしていた妻が、最後に眺めた桜が
前の家に咲いた桜でした。明るい春の日差しの中、もう寝たきり状態となっていた妻の介護ベッドを
半分立ててやっと観られた桜。
病室にしていた小さな角部屋で、二人でただじっと眺めていました。妻の表情からは色んな思いが
駆け巡っている様子が窺えました。
そして疲れた妻が、ベッドを元に戻して横になったとき“桜、綺麗だった!有難う!”と呟いた言葉と
その時の顔が、桜の季節が来て、桃色の花を見るたびに頭に浮かびます。

春分の日(土曜日)、私は一人で靖国神社の桜を見に行きました。オフィスで仕事を終えた後、ブラブラと
ゆっくり歩きながら、咲き始めた桜を楽しみました。
桜の花びらが、青色の空と時々浮かんでは消える白い雲を背景に点々と連なって、まるで桃色の浮雲の様に
浮かんでいました。そんな桜を眺めながら私の頭の中では、子供のとき、独身のとき、結婚したての妻と
一緒のときなど懐かしい想い出の景色が、次から次へと走馬灯のように浮かんでは消えて行きました。

花見を終え、帰ろうとしたとき、急に“そうだ!「おうち花見」をしよう”と思いつきました。
私は一人暮らしのベテランなので「お一人様宴会」の達人です。「お一人様宴会」とは、要は侘しい孤食を、
楽しい宴会風にするために編み出した私なりの流儀です。
今回はお花見なので、今はやりの桜の枝を数本買い求めました。そしてお花見ですから、食べ物をケチっては
いけません。デパ地下まで足を延ばして、刺身や焼き鳥やらシュウマイやらを買い揃えました。それらを
ちゃんとした食器に盛り付け、テーブルの上に花瓶に生けた桜の枝とお気に入りの妻の写真を並べます。
そして取って置きの酒を取り出して、桜と妻に向かって話しかけたり、鼻歌を唸ったりして杯を傾けます。
時々目をしばたたかせ乍ら独り言を言っている姿は、傍から見るとチョット不気味かもしれませんが、
私は誰にも気兼ねせず勝手気ままに過ごせるこのお花見が結構気に入っています。

桜は、春になればサッと咲いてサッと散っていきます。それが、桜の「自分らしく生きる」ことなのでしょう。
未だ咲いたばかりの桜も直ぐに散り始めます。
私たちは「すぐに散ってしまうからこそ満開の花を愛おしみ、散り際の潔さに切なさを感じる」のでしょう。
桜が別れのシンボルとみられるようになったのはいつ頃からなのでしょうか。
一年に一度の桜を見ることによって、昔一緒に愛でた人への惜別の思いを募らせます。
桜の「花言葉」の一つに『私を忘れないで』という言葉があります。
これは、一年に一度、それも僅かな間しか咲き誇れない桜の寂しさを表しているのかもしれません。
私は散っていく桜の花びらを見るたびに、この桜の寂しさを想い、また人生の道半ばで心ならずもこの世を
旅立って行った妻の無念さを想います。


前回の「雇用調整助成金の要件緩和」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「「男性育休」制度の改正案」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
〇「男性育休」制度の改正案
令和元年度の男性の育休取得率は7.48%でした。過去最高ではあるものの、平成30年度 の7.16%から
小幅の上昇にとどまっており、依然低水準です。政府は令和7年までに、これを30%まで引き上げる
目標を掲げています。しかし、多忙化や収入減少への懸念、また「育児は女性がやるのが当たり前」
という意識からくるパタハラ(パタニティ・ハラスメント=男性社員が育休を取得するにあたり、
職場から嫌がらせを受けること)等を背景に、実際には取得は難しいと感じている男性社員が
多いようです。
この状況を改善するため、男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法と雇用保険法
改正案が閣議決定され、今国会に提出されました。骨子は以下の通りです。
(1)男性の育児休業取得促進のため、子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な
育児休業の枠組み(男性育休制度)の創設
(a)休業の申出期限は、原則休業の2週間前まで
(b)分割して取得できる回数は2回
(c)労使協定を締結している場合は、労働者と事業主の個別合意により、事前に調整した上で休業中に
就業することが可能
(2)育児休業を取得しやすい雇用環境整備および本人または配偶者の妊娠・出産の申出をした労働者に対する
個別の周知・意向確認措置の事業主への義務付け
(3)夫婦夫々が育児休業を分割して2回まで取得することを可能とする(男性版産休と組み合わせれば、
夫は最大4回の休みが取得可能)
(4)常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得状況の公表を義務付け
(5)有期雇用労働者育児休業及び介護休業の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上
である者」であることという要件を廃止
(6)育児休業給付に関する所要の規定の整備

成立すれば、上記(2)および(5)は令和4年4月1日から対応が求められます。
育休制度の充実は、若い世代の人材確保にも大きな効果があります。これを機に、社内の体制について
再考してみるのもよいかもしれません。

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