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テレワーク: 労働基準監督署への届け出が必要になる場合

こんにちは。社会保険労務士の田中です。

コロナ禍が始まって間もない2020年5月頃から
テレワーク導入のご相談が増えてきました。
そして今でも数は減りましたが、ご相談を頂きます。

テレワーク自体はICTの進歩もあり、簡単にスタートできます。
極端な話、ノートPC1台があれば即日で可能です。

一方、ルールの整備が遅れがちになることが散見されます。
特に「事業場みなし労働時間制」とする場合はご注意ください。
以下に説明してまいります。


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☆☆☆☆ テレワーク事業場みなし労働時間制 ☆☆☆☆

自宅でテレワークする従業員労働時間の管理は困難です。
始業・終業のタイミングは本人からの報告が無ければ分かりません。
いわゆる「中抜け時間」も正確には把握できません。
実は残業をしていたとしても分かりません。

そのため「事業場みなし労働時間制」(以下「事業場外みなし」)を
導入することで、労働時間の管理についての負担は軽減されます。

※ 但し、軽減されるだけで会社としての責任はあります。
  特に健康管理は重要ですが、本コラムでは触れません。

テレワーク事業場外みなしは相性が良いといえます。


☆☆ 事業場みなし労働時間制を導入する時の注意 ☆☆

事業場外みなしを導入する時は、前述の健康管理の他、
次の2点に気を付けて下さい。

1 労使協定の締結、労働基準監督署への届け出が必要な場合
2 事業場みなし労働時間制を適用できる条件

以下、それぞれ説明いたします。


☆☆ 労使協定の締結、労基署への届け出が必要な場合 ☆☆

事業場外みなしは、労基法第38条の2で次のように定められています。

労働者労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に
 従事した場合において、労働時間算定し難いときは、
 所定労働時間労働したものとみなす。』

この第1項は考え方の原則ですね。続いて、

『ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて
 労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、
 厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に
 通常必要とされる時間労働したものとみなす。 』

としています。この第1項後半のただし書きの部分が重要です。
1日8時間では終わらず、9時間とか10時間は必要となる
仕事であれば、その時間だけ働いたとみなせる事を定めています。
そして、そのためには、第2項において

労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、
 その協定で定める時間を同項ただし書きの当該業務の遂行に
 通常必要とされる時間とする。 』

と、労使協定の締結が必要であることを定めた上で、第3項で

『 前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。 』

つまり、1日の労働時間を9時間や10時間とみなす場合は、
労使協定の締結 ⇒ 労働基準監督署への届け出 が
必要ということです。

また、例えば1日9時間労働とみなすのであれば、
1時間分の時間外労働手当の支払いも必要です。

この辺りがきちんと運用されているでしょうか?


☆☆ テレワークでの事業場外みなしを適用できる条件  ☆☆

事業場外みなしは、労使協定などの形式を整えれば良い、
という訳ではありません。

テレワークにおいて事業場外みなしを適用できる条件があります。
根拠となるのは今年の3月に改訂された
テレワークの適切な導入及び実施の促進のためのガイドライン」です。

法的根拠はありませんが、労基署ではこのガイドラインによって
指導(是正勧告等)を行うことが考えられます。

同ガイドラインP8-9では、この条件を
「6.様々な労働時間制度の活用 (2)労働時間の柔軟な取扱い
   ウ 事業場みなし労働時間制 」で次のように挙げています。

1 情報通信機器が、使用者の指示により常時通信可能な状態に
  おくこととされていないこと。

2 随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っていないこと。

詳細は下記をご確認ください。↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html

このルールもしっかりと押さえてください。
この運用に問題があるケースも見られます。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。(2021.05.18)

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テレワークに関する過去のコラムもご確認ください。
「家族の理解が必要だが、家族がリスクになることもある。」
https://www.soumunomori.com/column/article/atc-175225/
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