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テレワークと人材育成及び調整業務

令和3年6月15日 第213号
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人事のブレーン社会保険労務士レポート
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テレワークと人材育成及び調整業務

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1.はじめに
 前々回にテレワークの記事を書きましたが、テレワークを行うにあたり仕事
のやり方をどうすればいいのかというご質問を受けましたのでお話ししたいと
思います。

2.仕事の仕組みを変えること
 デジタル化を進めるために印鑑の廃止を政府が主導で始めました。
しかし紙媒体であれ、電子媒体であれ決裁は必要になります。
 印鑑という道具を用いて我々は決裁をしていました。
デジタル化とは印鑑を廃止することではなく、印鑑に変わる決裁方法としての
道具を見つけることです。
 ですから「印鑑を廃止すればできますよね?」という簡単な問題ではありま
せん。
日本のデジタル化を阻害しているのは印鑑ではなく、印鑑に変わる道具が示せ
ていない点なのです。
 印鑑を基本とした業務の仕組みを、印鑑に変わる決裁方法に変えることがデ
ジタル化なのです。
 ここをしっかりと認識しなければダメなわけです。

テレワークも同様です。
皆でわいわいがやがやと仕事をしている仕組みを変える仕組みを作ることなの
です。

3.OJT中心の教育
 テレワークで困るのは教育です。
日本企業の教育はOJT中心であり、教育担当の社員は自分の仕事をやりなが
ら、様々なことを教えています。
 教えられる社員は先輩の姿を見ながら様々なことを覚えていくのです。
欧米では自分の仕事の範囲が明確に決まっていますが、我が国は決まっていま
せん。
大まかに決めて阿吽の呼吸で仕事を進めていきます。
労働は宗教観や道徳観でその文化が決まりますから何が優れていて、何がダメ
なのかという議論は意味がありません。
 日本の文化の中で育んできた仕事のやり方は日本人の価値観や習慣に合致し
ており、欧米のやり方はなじまないものが多いのです。
ですから自分の仕事を明確に決めずに、阿吽の呼吸でお互いに協力して行うや
り方は日本の文化に合致しているのです。
 この様な文化では自分の仕事を完全に分離することは困難です。
大まかに決まっている仕事を自宅で行い、阿吽の呼吸で進める仕事は職場で行
う必要が出てきます。
 教育についても一人の新人に一人の教育担当がつくわけではありません。
職場ぐるみで育てていくので、これもまた阿吽の呼吸が必要になってきます。

 小学校のPTA会長をしておりますが、小学生は先生の話を理解できて学習
ができる児童は少数で、多数の児童は理解できた児童の真似をして学習をして
いるとのこと。
 
 これは新人教育も同様です。
とりわけ中小企業は座学研修をする時間的、人員的余裕はありません。
OJT中心で教育をしていく以上、テレワークを進めるうえでどの様に教育を
していくのかを考え、その仕組みを作ることが必要になってくるのです。

4.調整業務とテレワーク
 あるシンクタンクの調査では、テレワークで効率が上がった職種は専門職と
部長職。
効率が上がらないのは課長職と役員だそうです。
 これは前述のように我が国の労働慣習は阿吽の呼吸で助け合い行っているの
で、阿吽の呼吸で仕事ができない業務は誰がやるのか、部署間の調整をどうす
るのか。
これが課題になってきます。
 調整業務はテレワークに不向きですから効率が上がらないことは当然です。
専門職は自分の仕事がマイペースにできるので効率が上がります。
職場に出勤して皆で仕事をしていると、教育をしなければならなかったり、質
問や調整業務が入ってきたり、取引先からの問い合わせが来たりします。
 弊社でも在宅勤務を積極的に行う層はプレイングマネージャーであるマネジ
メント層であり、テレワークで自分の仕事に集中でき仕事が捗るということで
す。
 テレワークを行う場合にはこの様な調整業務を誰が行うのか。
専門職をはじめ調整業務にどの様に協力するのか。
これを取り決めることが非常に大切になってきます。

5.まとめ
 テレワークを導入するにあたり、今までの業務のやり方では難しいというこ
とをご理解いただき、仕組みを一から考え直す必要があるということを前提に
進めていただきたいと思います。
 育児や介護をしている労働者に対するテレワークは効果的であると考えます
が、それ以外の労働者については人材教育の観点から定着させることは非常に
大変であると考えます。

 政府がテレワークを推進していますが、政府自身がテレワークができない様
にプロジェクトチームを組んで時間をかけて進めていかないと人材育成に支障
が出て、組織のノウハウが失われる事態となってしまいます。
 しっかりと考えて導入していただきたいと思います。

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