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コラムの泉

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「男性育児参加の「ペア休」」について

今だからこそ気づく、「普通の暮らしの幸せ」……。
ちょっと心が疲れたとき、色んな方法で「あの頃」に戻ってみると、
「あの頃があるから、今がある」ということをあらためて感じられるかもしれません。

今でも私の心から離れない「あの頃」は、末期がんとの辛い戦いを強いられていた
妻と私と愛犬の三人が過ごした「あの頃」です。
もう長くはないと分かっていた妻の最後の望みは、「家で逝きたい」でした。
医師や看護師の「共倒れになるから慎重に」というアドバイスもありましたが、
私が家で看取ることを決めるには時間はかかりませんでした。

家で寝たきりの、苦しいだけの生活を送っていた妻が、ある日ポツリと
“お寿司を食べに行きたいなぁ”と呟きました。勿論、出来ないことは本人も
よく分かっていたでしょう。でも、私は何とか実現できないか頭を巡らせました。
車椅子と広い座席のハイヤーを手配し、車の横付け可能なエントランスのある
寿司レストランを予約、店内で車椅子を動かせるだけのスペースがあるか、確認した後、
一室を借り切り、子供たちにも連絡しました。
その時は妻も喜んで張り切っていました。でも、数日後に病状はさらに悪化し、
寿司旅行の決行前日に“やっぱり行くのは無理みたい”と泣きそうになって呟きました……。
残念ですが仕方ありません。すべての予約をキャンセルしました。そして、考えました。
折角、妻が言い出した人生最後かもしれないこの願いを何とか叶えられないか、代わりに
何か出来ないかと必死に考えました。
そして、“そうだ!家で寿司パーティをやろう”と思いつきました。
早速、出前寿司職人を調べて予約し、子供たちにもみんなで集まるように連絡しました。
当日は幸いにも晴れた日でした。午後、みんなが集まり、ベッドに横たわった妻の周りで
職人が作った出来立ての寿司を食べました。妻は食べられませんでしたが、みんなが
集まってくれたことを喜んでいました。
これが、妻と家族との本当の最後の晩餐でした………。
今でも私の心から離れない「あの頃」の思い出です。

新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、医師や看護師などの医療従事者は多忙を
極めています。感染者と密接が避けられない医療現場では、院内感染が多発。
医療従事者たちはいつ感染してもおかしくない状況下で、患者のために業務にあたっています。
母子家庭で育ったAさん。母親は、病院に勤務する看護師です。ある朝、出勤前の母親から
「話がある」と呼ばれたAさんは、正座をして聞くことにしました。
母親は、次のように話したといいます。
“あなた宛に遺書を書いたの。私に万一のことがあったら隔離されて、最悪の場合は
この姿ではあなたとお別れできないと思うの。だから、念のためにあなたに直接言いたい。
「あなたを産めてよかった。あなたを育てられて幸せだった。あなたが娘なのが私の自慢」。
私とあなたが暮らしてこられたのも、看護師という仕事があったからと感謝してる。
だから、私に万一のことがあっても、病院を恨んじゃだめよ。あなたの花嫁姿がみたい。
それが心残りになると思う。でも、私はそれでも仕事に行くね。感染しないように気を付けて
いるけど、絶対に感染しない保証はない。よく顔を見せて。”
2人でひとしきり泣いた後、「無事だったら2人で美味しいものを食べながら遺書を破ろう」
と約束し、仕事に出かけたと言います。
コロナウイルスに感染すると、症状によっては隔離され、家族であっても面会は制限されます。
さらに亡くなった場合も立ち会えず、遺骨となって戻るまで待たなければならないことを、看護師
である母親は知っていたのでしょう。
こんな覚悟をしてまでコロナ患者を支える医療従事者には本当に頭が下がります。
この遺書の話は、きっとAさんにはいつまで経っても忘れられない「あの頃の思い出」として
心に残ることでしょう。

私も妻から便箋に書いた遺書を受け取りました。そこには私が開いた寿司パーティへの感謝と
私へのエール(私の分まで幸せに、長生きして!)が、か細い字で書かれていました………。


前回の「選択的週休三日制」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「男性育児参加の「ペア休」」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「男性育児参加の「ペア休」」
令和元年度の厚生労働省の調査では、女性の育児休業取得率83%に対し男性は7.48%と、大きな差が
あります。こうした差が、女性が出産・育児を理由に退職したりする原因になったり、母親に
家事・育児の負担が偏る、いわゆる「ワンオペ育児」を発生させたりしているといわれます。
一方、ゼネラルリサーチ株式会社が2019年3月に20~40代男女を対象に実施したアンケート調査では、
男性の育休取得について57.4%が「許されるなら取得したい」と回答しています。
さらに、コロナ禍により共働きの夫婦がともに自宅でテレワークを行う機会が増えたこともあり、
以前にもまして育児に参加したいと考える男性が増えています。
このような変化を受け、共働きの父親と母親が一緒に育児休業を取る「ペア休」が、最近注目されています。
これは、「パパ・ママ育休プラス」という制度により、父親と母親で時期をずらして育児休業を取得し、
子どもが1歳2カ月になるまで休業期間を延長するというものです。
「ペア休」経験者によれば、育児休業に入る前から職場で仕事を分担し、互いに支え合う雰囲気が
生まれた他、育児休業中の家事・育児の負担を分担出来たことで本人も気持ちに余裕が持てた、
などの効果を実感できたという声があります。
今国会で成立した改正育児・介護休業法では、男性の育児休業取得促進のため、子の出生直後に取得できる、
新しい育児休業制度も設けられました。
新制度は、2回までの分割取得が可能で、労使協定を締結し、労働者と事業主が個別に同意している場合には
休業中の就業も一定程度可能とするなど、柔軟な制度となっています。
詳細は今後省令等において明らかにされ、令和3年6月6日から1年6月を超えない範囲内で政令が定める日より
施行されます。
企業において改正法対応を検討するタイミングはまだ少し先となりますが、昨今の変化を踏まえると、
今から育児休業を取得しやすい環境を整備しておくことは、若手人材の募集や定着を促す意味でも、
効果が期待できそうです。


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