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コラムの泉

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みなし時間と36協定特別条項

私たちはある一定の年齢を越えると、「歳を取ること」をネガティブに考えがちです。
65歳を過ぎて「高齢者の仲間入り」した後は、齢を重ねる毎に体力は落ちますし、年金暮らしに
入れば収入も減ります。そして何よりも社会との関わりそのものが薄れてしまったような心細い
気持ちにもなってしまいます。
「年をとる=多くのものを失う」という負のイメージを強く持つ人は、誕生日が来ると「祝う」
というよりも「また齢を取ってしまうのか」という「不安な」気持ちの方が勝るようになって
しまいます(私もそうですが……)。
年を重ねることへのそうした不安は、「なるべく長く若さを保っていたい」という心の焦りを
生むこともあり、効果も定かではない薬品や栄養食品等に過度に頼ることにもなるようです。
心身の健康を気遣うことは確かに大切です。が、余りにも加齢を否定的に捉えるようになると、
心身や資金のバランスを欠くことにもなりかねません。
だから、「誰でも齢を取るし、歳を取れば心身の衰えが来るのが当り前」と割切ることが大切だと
指摘する識者もいます。でも言うは簡単ですが、実際には“俺は衰えた”と自ら認める人は限られていて、
逆に“俺は未だまだ現役並みだ”と自惚れている人の方が多いそうです

会社組織の序列の中で精神的緊張感やストレスを感じながらも家族のためにと耐えて来た
サラリーマンにとっては、引退直後はそれらからの解放感を感じ、幸福感を感じることも少なく
ないでしょう。でも、その解放感や幸福感は長くは続かないのです。いっとき過ぎると人は段々と
冷静になり、束縛の無い毎日に解放感を感じなくなります。
逆に、行く場所が無い毎日を途方に暮れるようになります。趣味や社会活動などで新たな自分の
居場所を見つけられる人は幸せです。新たな居場所を見つけることは簡単なことではないからです。
「引退後も居場所探しをしなくてはならないとは、実に「人の一生は重荷を負うて、遠き道を行くが
ごとし(家康)」だなぁと嘆く人も少なくないのです。
私も近づいて来た人生の終着駅を眺めながら重荷を背負って歩いていますが、そんなに幸福感も
感じることもなく、毎日の生活を惰性で繰り返しています。
然しこの間、涼風一陣のような光景に巡り合い、いっときの幸せ感に浸りました。

ある帰宅時の夕方、私は片側2車線道路に並行する歩道を歩いていました。信号が赤になり信号待ち
をしていたところ、横側の自動車道路の横断歩道を、杖を突いたおばあさんが渡り始めました。
道路は,片側2車線,合わせて4車線。おばあさんの道路を渡るスピードは,とても遅くて…。
さらに,おばあさんは,腰をかがめ,手に荷物を持っていて,本当にゆっくり。「あの横断歩道の信号は
早く変わるから、これじゃあ,渡れないよなあ。」私は渡り切ることができるのか,心配になりました。
おばあさんが渡っている横断歩道の横側には,信号が青になったらスタートする自動車が,2車線すべて
揃っていました。
「青になったらまずいなあ」と思っても,足が悪くやっとこ歩いている自分には何も出来ません。
そんな時,いよいよ信号が点滅をし始めました。おばあさんは,4車線のうち2車線まで渡ったのですが,
残りはまだ2車線。「間に合わないなあ。青になったら危ないなあ。」と思っていたその時。
高校生ぐらいの女の子が駆け寄って,素早く荷物を持ってあげ,そして,おばあさんの腰に手を当てて,
一緒に歩き始めました。女の子は,停車している自動車の運転手さんに,お辞儀もしていました。
声は聞こえませんが,「すみません。」って言っているようでした。何もできなかった私とは対照的に,
女の子は「危ないっ。」と,とっさに機転を利かせたのだと思います。
思ったことをすぐに行動に移す女の子の姿に,私は心が打たれました。その後,横断歩道は赤になりましたが,
待っていた2車線に並んだ自動車はすぐには動き出さず,おばあさんと女の子が横断歩道を渡り終えるのを
見届けてから,ゆっくりと動き始めました。
渡り終えた後、おばあさんと女の子は夫々別の道を歩いて行きました。傍で見ていた私は、女の子の
やさしい気持ちを,その姿を一緒に見ていた信号待ちの運転手さんと共有したような,とても温かい気持ちに
なりました。
「親切な人もいるもんだ。世の中捨てたもんではないなぁ!」との幸せ感とともに……。

前回の「個別労働紛争解決制度」についての話は、如何でしたでしょうか。
今回は、「みなし時間と36協定特別条項」についての話をします。

──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「みなし時間と36協定特別条項
研究開発業務に従事する社員に、所定労働日1日の「みなし労働時間」を9時間とする専門業務型裁量労働制
採用し、1ヵ月の時間外労働時間が、年間の最も多い月でも23時間に抑えれば、三六協定の限度時間である
45時間を下回るので、特別条項三六協定とする必要はないように思われますが、実務では、特別条項付協定
した方が良いのです。理由は下です。
裁量労働制により、1日のみなし労働時間を9時間とする場合、法定労働時間である8時間を1時間超えること
になりますので、三六協定届の締結・届出は必要です。三六協定の延長時間については、週休2日制であれば、
所定労働日数は最も多い月で23日(31日─(4週x2日)=23日)となりますので、1ヵ月の延長時間が23時間
(1ヵ月の所定労働日数×1時間)以上であればよいことになります。そして、それは1ヵ月の延長時間の
限度時間である45時間を下回りますので、特別条項付協定とする必要はないように思えます。
しかし、裁量労働制は所定労働日に対してのものであり、法定休日以外の休日所定休日)については対象では
ありません。そのため、所定休日に労働させる必要があった場合には、その日についてはみなし労働時間
適用はなく、現実の労働時間がそのまま時間外労働としてカウントされることになります。
仮に、1ヵ月に3回、所定休日に8時間労働した場合には、24時間の時間外労働となり、みなし労働時間の分
所定労働日数×1時間)とあわせた時間が、1ヵ月の限度時間である45時間を超えることがあります
(この例では所定労働日数が22日以上となる場合は、22日x1時間+24時間=46時間)。
従って、所定休日の労働がないのであれば特別条項付協定とする必要はありませんが、所定休日の労働が
考えられるのであれば、特別条項付協定として締結しておいた方がよいということになるのです。

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