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○中小企業戦略【
総務の知恵】 2021.10.1
評価をしない評価制度のご案内 vol.370
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なかはしです。
10月になりましたね。
自民党の岸田文雄新総裁が誕生いたしました。目玉政策は、令和版「所得倍増
計画」とのことです。失われた30年が取り戻せることを期待しています。
今回は、
社員の育成および評価について、ご苦労されている経営者も多いと考えます。
「評価をしない評価制度」榎本あつし 著 をご参考に社員の育成の方向性を
ご提案いたします。
<評価をしない評価制度の目的とは>
人事評価制度を導入したからといって、一足飛びに企業の成長には、つながりませ
ん。その前段階として、(
人事考課制度の目的は)
・給与・
賞与を適正に決めることで社員の定着を等につなげる
・スキルや適性を把握し、より良い組織構成につなげる
・人材育成により、社員の能力を去年よりも今年と、毎年高めるようにしていく
・その人材が、指示待ちでなく積極的に自分から動くように動機づけられる
・その人材が、バラバラの方向に向かって分散するのではなく、同じ方向に向かって
がんばっていく
これらを実現して、結果として、企業の成長につながるのです。これらの目的のため
の手段が
人事評価制度というツールなのです。そして、「評価をしない評価制度」が
得意とするものが、前述の、「人材育成、動機づけ、ベクトルあわせ」の3つです。
この3つの目的、1)社員が成長し、2)
モチベーション高く行動し、3)同じ方向を向い
ていく、つまり、社員の「パフォーマンス向上」につながっていくのです。
<
人事評価が難しい点 アンケートでわかること>
1)
人事評価制度に不満を感じる理由を教えて下さい
・評価基準が不明確・・62.8%
・評価者の価値観や経験によって
ばらつきが出て、不公平だと感じる・・45.2%
・評価結果のフィードバック、説明が不十分、または、仕組みがない・・・28.1%
・自己評価よりも低く評価され、その理由がわからない・・・22.9%
・評価結果が昇進、昇格に結びつく制度ではない・・・22.0%
・会社の定める評価指標が、現実に即していない・・・20.6%
(アデコグループ/2018年2月7日~2月12日調査)
2)
人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることをお答え下さい。
・それぞれの部下に対して適切な目標を設定することが難しい・・・58.8%
・部下の目標の添削に時間がかかる・・・36.1%
・客観的に評価をすること・・・36.1%
・部下と面談しなければならない・・・35.1%
・評価に関する業務自体が自身の評価に加味されないこと・・・21.6%
・過去に部下自身が設定した目標との比較が難しい・・・20.6%
・面談で部下と何を話せばいいかわからない・・・12.4%
・評価シートと部下本人を紐づけること・・・10.3%
(あしたのチーム/2019年11月11日調査)
結局、「難しい」「負担が大きい」となってしましいます。
「
人事評価しなければ、良いのでは」ということになります。
<鉛筆なめなめによる決定は、>
もし、今まで
人事評価制度というものがないいう会社は、どのように給与を決めていたのでしょうか。
評価をしていないのですから、指標になるような客観的な数字などもなく、いわゆる、社長の「鉛筆なめなめ」で、
なんとなく決めていたのではないでしょうか。
中小企業においては、むしろ、結果としてこのやり方の方がうまく行っているケースを
多く見てきています。社長は、しっかりと社員を見ています。
人というものは不思議なもので、満足・不満足は絶対値で決まるものでなく、
期待値との相対的な差で決まります。新しいタスクに取り組をするチャレンジ制度を導入しまししょう。
<行動の原理原則である強化と弱化とは>
人の行動には、原理原則があります、そこで、応用行動分析学の中で、
まず、基本ともいえる「強化の原理」と「弱化の原理」をご紹介しましよう。
「強化の原理」・・何かの行動をした結果、よいことが起きるか、悪いことがなくなると、
その行動は繰り返されるようになります。
1)強化の例
友達からマンガをすすめられた
↓
マンガを買って読む
↓
とても面白かった(その後マンガを読むようになった)
2)弱化の例
友達からマンガをすすめられた
↓
マンガを買って読む
↓
とてもつまらなかった(その後マンガを読まなくなった)
「強化」「弱化」を表していた図は、行動を時系列に分析している図なのですが、
このように一連の流れで行動を分析することを「
ABC 分析」と言います。「
ABC」とは
一連の流れに出てくる3つの内容の頭文字を表す言葉です。
「A」・・先行条件(Antecedent)
「B」・・行動(Behavior)
「C」・・結果(Consequence)
強化の例にあてはめると
友達からマンガをすすめられた「A」:先行条件
↓
マンガを買って読む「B」:行動
↓
とても面白かった(その後マンガを読むようになった)「C」:結果
別の例題で、中堅社員Dは部下の新人Aから仕事の質問をされました。アドバイス
をしたところ、「そんなことはわかっています」と言われ、中堅社員さんはアドバイスを
しなくなった。
仕事の質問をされた「A」:先行条件
↓
アドバイスをした「B」:行動(
↓
「わかってます」と回答(その後アドバイスをしないようになった)「C」:結果
組織の目標に向けて、新しい提案書をつくる(行動)と、上司が最初は「頑張ってる
ね」と評価してくれたが、だんだんと見てくれなくなったため、提案書を作らなくなっ
た。「評価する」ということはかなり負担が大きく、強化しないとできないものです。
中小企業の場合、上の立場の人ほど、お客様とのやり取りを担当するなど、実務の
最前線でいることが多く、プレイヤー要素が強いので、部下の行動を見てられないと
いう実情もあります。社員に発揮してほしい行動、パフォーマンスに対しては、記録
して、フィードバックするようにしなければ、なりません。
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〒540-0011
大阪市中央区農人橋2丁目1番31号 第6松屋ビル
オフィス中橋
社会保険労務士 中橋章好
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自民党の岸田文雄新総裁が誕生いたしました。目玉政策は、令和版「所得倍増
計画」とのことです。失われた30年が取り戻せることを期待しています。
今回は、
社員の育成および評価について、ご苦労されている経営者も多いと考えます。
「評価をしない評価制度」榎本あつし 著 をご参考に社員の育成の方向性を
ご提案いたします。
<評価をしない評価制度の目的とは>
人事評価制度を導入したからといって、一足飛びに企業の成長には、つながりませ
ん。その前段階として、(人事考課制度の目的は)
・給与・賞与を適正に決めることで社員の定着を等につなげる
・スキルや適性を把握し、より良い組織構成につなげる
・人材育成により、社員の能力を去年よりも今年と、毎年高めるようにしていく
・その人材が、指示待ちでなく積極的に自分から動くように動機づけられる
・その人材が、バラバラの方向に向かって分散するのではなく、同じ方向に向かって
がんばっていく
これらを実現して、結果として、企業の成長につながるのです。これらの目的のため
の手段が人事評価制度というツールなのです。そして、「評価をしない評価制度」が
得意とするものが、前述の、「人材育成、動機づけ、ベクトルあわせ」の3つです。
この3つの目的、1)社員が成長し、2)モチベーション高く行動し、3)同じ方向を向い
ていく、つまり、社員の「パフォーマンス向上」につながっていくのです。
<人事評価が難しい点 アンケートでわかること>
1)人事評価制度に不満を感じる理由を教えて下さい
・評価基準が不明確・・62.8%
・評価者の価値観や経験によってばらつきが出て、不公平だと感じる・・45.2%
・評価結果のフィードバック、説明が不十分、または、仕組みがない・・・28.1%
・自己評価よりも低く評価され、その理由がわからない・・・22.9%
・評価結果が昇進、昇格に結びつく制度ではない・・・22.0%
・会社の定める評価指標が、現実に即していない・・・20.6%
(アデコグループ/2018年2月7日~2月12日調査)
2)人事評価の運用において面倒、手間、負担、楽にしたいと感じることをお答え下さい。
・それぞれの部下に対して適切な目標を設定することが難しい・・・58.8%
・部下の目標の添削に時間がかかる・・・36.1%
・客観的に評価をすること・・・36.1%
・部下と面談しなければならない・・・35.1%
・評価に関する業務自体が自身の評価に加味されないこと・・・21.6%
・過去に部下自身が設定した目標との比較が難しい・・・20.6%
・面談で部下と何を話せばいいかわからない・・・12.4%
・評価シートと部下本人を紐づけること・・・10.3%
(あしたのチーム/2019年11月11日調査)
結局、「難しい」「負担が大きい」となってしましいます。
「人事評価しなければ、良いのでは」ということになります。
<鉛筆なめなめによる決定は、>
もし、今まで人事評価制度というものがないいう会社は、どのように給与を決めていたのでしょうか。
評価をしていないのですから、指標になるような客観的な数字などもなく、いわゆる、社長の「鉛筆なめなめ」で、
なんとなく決めていたのではないでしょうか。
中小企業においては、むしろ、結果としてこのやり方の方がうまく行っているケースを
多く見てきています。社長は、しっかりと社員を見ています。
人というものは不思議なもので、満足・不満足は絶対値で決まるものでなく、
期待値との相対的な差で決まります。新しいタスクに取り組をするチャレンジ制度を導入しまししょう。
<行動の原理原則である強化と弱化とは>
人の行動には、原理原則があります、そこで、応用行動分析学の中で、
まず、基本ともいえる「強化の原理」と「弱化の原理」をご紹介しましよう。
「強化の原理」・・何かの行動をした結果、よいことが起きるか、悪いことがなくなると、
その行動は繰り返されるようになります。
1)強化の例
友達からマンガをすすめられた
↓
マンガを買って読む
↓
とても面白かった(その後マンガを読むようになった)
2)弱化の例
友達からマンガをすすめられた
↓
マンガを買って読む
↓
とてもつまらなかった(その後マンガを読まなくなった)
「強化」「弱化」を表していた図は、行動を時系列に分析している図なのですが、
このように一連の流れで行動を分析することを「ABC 分析」と言います。「ABC」とは
一連の流れに出てくる3つの内容の頭文字を表す言葉です。
「A」・・先行条件(Antecedent)
「B」・・行動(Behavior)
「C」・・結果(Consequence)
強化の例にあてはめると
友達からマンガをすすめられた「A」:先行条件
↓
マンガを買って読む「B」:行動
↓
とても面白かった(その後マンガを読むようになった)「C」:結果
別の例題で、中堅社員Dは部下の新人Aから仕事の質問をされました。アドバイス
をしたところ、「そんなことはわかっています」と言われ、中堅社員さんはアドバイスを
しなくなった。
仕事の質問をされた「A」:先行条件
↓
アドバイスをした「B」:行動(
↓
「わかってます」と回答(その後アドバイスをしないようになった)「C」:結果
組織の目標に向けて、新しい提案書をつくる(行動)と、上司が最初は「頑張ってる
ね」と評価してくれたが、だんだんと見てくれなくなったため、提案書を作らなくなっ
た。「評価する」ということはかなり負担が大きく、強化しないとできないものです。
中小企業の場合、上の立場の人ほど、お客様とのやり取りを担当するなど、実務の
最前線でいることが多く、プレイヤー要素が強いので、部下の行動を見てられないと
いう実情もあります。社員に発揮してほしい行動、パフォーマンスに対しては、記録
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