こんにちは。
社会保険労務士の田中です。
父親が2回目の
育児休業を取得した時も
育児休業給付はもらえます。
この場合の条件は、妻の
出産後8週間以内に父親が
1回目の
育児休業を取得していることです。
ここで妻の
出産日と
出産予定日が異なる場合はどのようになるか、
根拠となる育児
介護休業第5条の文言が分かりにくいため、
このコラムで説明します。
かなり細かい話になるので、
出産日と
出産予定日が異なることで、
2回目の
育児休業給付がもらえるか不安な方が読んで頂ければ結構です。
その場合も結論である最終項目だけを読んで頂ければ分かります。
(「「
出産後8週間以内」
出産日と
出産予定日が異なる時は?」の項目)
それ以外の部分は根拠を確認したい時にお読みください。
☆☆☆☆ 2回目の
育児休業には
育児休業給付は出ない ☆☆☆☆
育児休業を取得した時に心強い
育児休業給付ですが、
基本的には同一の子の
育児休業を再度、取得する場合は
もらえないことになっています。
根拠として
ハローワークで毎年8月に配布される黄色い冊子、
「
雇用保険事務手続きの手引き(令和3年8月)」を引きます。
P.156のQ8を要約します。
『
育児休業給付を3ヶ月受給後に職場復帰した者がいます。
同一の子について再度、
育児休業の取得を認めました。
この2回目の
育児休業に
育児休業給付は受けられますか? 』
回答は次のようになっています。
『
育児休業給付は、以下のような理由を除いて、同一の子について
再度の
育児休業の取得の場合は支給することができません。 』
ここで、「以下のような理由」の一つに次が挙げられています。
『 8 産休特例期間内(配偶者の
出産後8週間以内の期間に、
父親が
育児休業を取得した場合。)に
育児休業を実施した場合 』
つまり、父親が妻の
出産後8週間以内に
育児休業を取得して、
その後に、同じ子についての
育児休業を再度取得した場合は、
育児休業給付をもらえる、ということです。
☆☆☆☆
育児休業給付をもらうには「
育児休業」取得が必要 ☆☆☆☆
ここで、
雇用保険の
育児休業給付をもらう条件を確認します。
育児休業給付金の定めは、
雇用保険法第61条の7にあります。
この第1項によると「
育児休業を取得した場合」にもらえます。
この条文はカッコが何重にもなっていて、非常に読みづらいです。
本文よりもカッコ内の文字数の方がずっと多い・・・
カッコ以外の部分を読むと次のようになります。
(カッコ内が重要な事も多いのですが、ここでは一旦、無視します。)
『
育児休業給付金は、
被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、
その1歳に満たない子を養育するための休業をした場合において、
当該休業を開始した日前二年間にみなし
被保険者期間が通算して
十二箇月以上であったときに、支給単位について支給する。』
☆☆ 「
出産後8週間以内」
出産日と
出産予定日が異なる時は? ☆☆
まず結論です。
□
出産予定日(例 8/10)より早く子供が生まれた場合(例 8/5)
始点は、子供が生まれた日(8/5)
終点は、
出産予定日(8/10)から8週間後の日
□
出産予定日(例 8/10)より遅く子供が生まれた場合(例 8/15)
始点は、
出産予定日(8/10)
終点は、
出産日(8/15)から8週間後の日
※ つまり、どちらの場合も8週間より期間を長く取る事になります。
ここから、解説です。
育児休業給付をもらうには
育児休業を取得している事が条件です。
そして、その
育児休業は同一の子について2回目は取得できません。
しかし、その例外として父親が妻の「
出産後8週間以内」に
育児休業を
取得した場合は、その後、同一の子について再度の
育児休業を取得できます。
根拠は育児
介護休業法第5条(
育児休業の申出)第2項です。
これもカッコ以外を読むと次のようになります。
『前項の規定にかかわらず、
育児休業(※1)をしたことがある
労働者は、
当該
育児休業を開始した日に養育していた子については、
厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、
同項の申出をすることができない』
そして、再度の
育児休業を取得できる例外として、
この条文の※1の位置にあるカッコ内で次のように定めています。
(つまりカッコ内が重要な内容ということです。)
『 当該
育児休業に係る子の出生の日から起算して八週間を
経過する日の翌日まで(※2)の期間内に
労働者が当該子を
養育するためにした前項の規定による最初の申出によりする
育児休業を除く 』
(「前項の規定」とは通常の
育児休業のこと)
要は産後8週間以内に
育児休業を取得した場合については、
再度の
育児休業が取得できる、ということです。
そして、産後8週間以内は母親の場合は「産後休業」ですから、
「
育児休業」としている以上は父親の事を指します。
ようやく本題です。
前述の※2の位置に重要なカッコがあります。
出産日と
出産予定日が異なる場合のことです。
次のように定めています。
『
出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては
当該出生の日から当該
出産予定日から起算して八週間を
経過する日の翌日までとし、
出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては
当該
出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を
経過する日の翌日までとする。 』
この文言のうち、次に示す部分がポイントなのですが、
表現として「から」が2つ出てくるので、非常に悩みます。
「当該出生の日から当該
出産予定日から起算して八週間を経過する日」
「当該
出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日」
ここは次のように読み取ります。
まず、前段の子供が早く産まれた場合、
当該出生の日から ← これがスタート
当該
出産予定日から起算して八週間を経過する日 ← これがゴール
次に、後段の子供が遅く産まれた場合、
当該
出産予定日から ← これがスタート
当該出生の日から起算して八週間を経過する日 ← これがゴール
つまり、
出産日と
出産予定日が異なる場合は、
八週間より長い期間になるということです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。(2021.10.22)
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こんにちは。社会保険労務士の田中です。
父親が2回目の育児休業を取得した時も育児休業給付はもらえます。
この場合の条件は、妻の出産後8週間以内に父親が
1回目の育児休業を取得していることです。
ここで妻の出産日と出産予定日が異なる場合はどのようになるか、
根拠となる育児介護休業第5条の文言が分かりにくいため、
このコラムで説明します。
かなり細かい話になるので、出産日と出産予定日が異なることで、
2回目の育児休業給付がもらえるか不安な方が読んで頂ければ結構です。
その場合も結論である最終項目だけを読んで頂ければ分かります。
(「「出産後8週間以内」出産日と出産予定日が異なる時は?」の項目)
それ以外の部分は根拠を確認したい時にお読みください。
☆☆☆☆ 2回目の育児休業には育児休業給付は出ない ☆☆☆☆
育児休業を取得した時に心強い育児休業給付ですが、
基本的には同一の子の育児休業を再度、取得する場合は
もらえないことになっています。
根拠としてハローワークで毎年8月に配布される黄色い冊子、
「雇用保険事務手続きの手引き(令和3年8月)」を引きます。
P.156のQ8を要約します。
『 育児休業給付を3ヶ月受給後に職場復帰した者がいます。
同一の子について再度、育児休業の取得を認めました。
この2回目の育児休業に育児休業給付は受けられますか? 』
回答は次のようになっています。
『 育児休業給付は、以下のような理由を除いて、同一の子について
再度の育児休業の取得の場合は支給することができません。 』
ここで、「以下のような理由」の一つに次が挙げられています。
『 8 産休特例期間内(配偶者の出産後8週間以内の期間に、
父親が育児休業を取得した場合。)に育児休業を実施した場合 』
つまり、父親が妻の出産後8週間以内に育児休業を取得して、
その後に、同じ子についての育児休業を再度取得した場合は、
育児休業給付をもらえる、ということです。
☆☆☆☆ 育児休業給付をもらうには「育児休業」取得が必要 ☆☆☆☆
ここで、雇用保険の育児休業給付をもらう条件を確認します。
育児休業給付金の定めは、雇用保険法第61条の7にあります。
この第1項によると「育児休業を取得した場合」にもらえます。
この条文はカッコが何重にもなっていて、非常に読みづらいです。
本文よりもカッコ内の文字数の方がずっと多い・・・
カッコ以外の部分を読むと次のようになります。
(カッコ内が重要な事も多いのですが、ここでは一旦、無視します。)
『育児休業給付金は、被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、
その1歳に満たない子を養育するための休業をした場合において、
当該休業を開始した日前二年間にみなし被保険者期間が通算して
十二箇月以上であったときに、支給単位について支給する。』
☆☆ 「出産後8週間以内」出産日と出産予定日が異なる時は? ☆☆
まず結論です。
□ 出産予定日(例 8/10)より早く子供が生まれた場合(例 8/5)
始点は、子供が生まれた日(8/5)
終点は、出産予定日(8/10)から8週間後の日
□ 出産予定日(例 8/10)より遅く子供が生まれた場合(例 8/15)
始点は、出産予定日(8/10)
終点は、出産日(8/15)から8週間後の日
※ つまり、どちらの場合も8週間より期間を長く取る事になります。
ここから、解説です。
育児休業給付をもらうには育児休業を取得している事が条件です。
そして、その育児休業は同一の子について2回目は取得できません。
しかし、その例外として父親が妻の「出産後8週間以内」に育児休業を
取得した場合は、その後、同一の子について再度の育児休業を取得できます。
根拠は育児介護休業法第5条(育児休業の申出)第2項です。
これもカッコ以外を読むと次のようになります。
『前項の規定にかかわらず、育児休業(※1)をしたことがある労働者は、
当該育児休業を開始した日に養育していた子については、
厚生労働省令で定める特別の事情がある場合を除き、
同項の申出をすることができない』
そして、再度の育児休業を取得できる例外として、
この条文の※1の位置にあるカッコ内で次のように定めています。
(つまりカッコ内が重要な内容ということです。)
『 当該育児休業に係る子の出生の日から起算して八週間を
経過する日の翌日まで(※2)の期間内に労働者が当該子を
養育するためにした前項の規定による最初の申出によりする
育児休業を除く 』
(「前項の規定」とは通常の育児休業のこと)
要は産後8週間以内に育児休業を取得した場合については、
再度の育児休業が取得できる、ということです。
そして、産後8週間以内は母親の場合は「産後休業」ですから、
「育児休業」としている以上は父親の事を指します。
ようやく本題です。
前述の※2の位置に重要なカッコがあります。
出産日と出産予定日が異なる場合のことです。
次のように定めています。
『 出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては
当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を
経過する日の翌日までとし、
出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては
当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を
経過する日の翌日までとする。 』
この文言のうち、次に示す部分がポイントなのですが、
表現として「から」が2つ出てくるので、非常に悩みます。
「当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日」
「当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日」
ここは次のように読み取ります。
まず、前段の子供が早く産まれた場合、
当該出生の日から ← これがスタート
当該出産予定日から起算して八週間を経過する日 ← これがゴール
次に、後段の子供が遅く産まれた場合、
当該出産予定日から ← これがスタート
当該出生の日から起算して八週間を経過する日 ← これがゴール
つまり、出産日と出産予定日が異なる場合は、
八週間より長い期間になるということです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございます。(2021.10.22)
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(中央線、南武線、東横線、根岸線 の各沿線に注力しています。)
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