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コロナ休業で年次有給休暇が時効になったら


2021年12月1日号 (no. 1221)
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https://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム---
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本日のテーマ【コロナ休業で年次有給休暇時効になったら】
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■休業の責任は労働者に無く、会社にも無い。

休業する期間が2日から1週間ぐらいだったら、年次有給休暇時効が休業中に消滅する可能性は低いのでしょうけれども、休業期間が2ヶ月、3ヶ月になってしまうと、その休業期間中に年次有給休暇時効が到来してしまう方も出てきますよね。

休業しなければ年次有給休暇時効で消滅しなかったけれども、休業期間が例えば3ヶ月になったから、その間に年次有給休暇、前々年度から繰り越してきた年次有給休暇が消滅してしまう。この問題にどのように対処するのか。

何らかの措置を設けるのか。それとも、原則通り、2年繰り越してきた年次有給休暇は消滅するのか。

どういう扱いをしていいのかが悩んでしまうところですよね。



■原則通り時効で消滅させる。例外で時効を延長させる。どちらも正解。

労働義務の無い日に年次有給休暇を取れない。これが原則のルールとなっていて、休業で休んでいる日に年次有給休暇を充当することはできません。

となると、休業期間が3カ月に及んでしまうと、この3ヶ月間には年次有給休暇は使えない。じゃあその間に時効で消滅してしまった年次有給休暇は、そのまま時効になって消えてしまうのか。それとも時効期間を延長して使えるようにするのか。

先に結論を書けば、原則通り、2年で年次有給休暇時効で消滅させるのは正解であって正しい対応です。また、休業期間が3ヶ月になったので、その補填として年次有給休暇時効を例えば6か月延長するという対応もこれはこれで正解です。

年次有給休暇を買い上げればいいんじゃないか、と考える方もいるかもしれませんが、退職時点ならまだしも、在職している状態で年次有給休暇をお金で買い上げることはできません。お金で年次有給休暇を買うという対処法は無しです。

年次有給休暇時効は2年ですから、この2年よりも短く設定するのはダメですけれども、2年よりも長く設定する、今回の場合だったら2年で消滅するところ、例えば2年6ヶ月まで延長するとか。法律で決められた時効期間よりも長く設定するには労働者側に有利になるので、それは会社が任意に決めても構わないものです。

しかし、年次有給休暇時効を延長するとなると、延長してもらえる人と延長してもらえない人が出てきて、その差をどうするのかが問題なります。早い段階で年次有給休暇を使っていた人たちは時効にかからないでしょうし、ゆっくりとちょっとずつ取っていた人たちは時効にかかる可能性があるでしょうから、この両者の差をどのように解決していくのかが悩みどころです。

また、この延長措置は今回限りにするのか、これからも感染症が広がった時にも同じように対応するのかも考えなければいけませんよね。

さらに、人事労務関連のシステムも、2年で年次有給休暇を消滅させる設定になってるものもあるでしょうから、そのシステムの変更までできるのかどうか。

単に時効を延長すると言うだけでしたら難しいことではありませんけれども、社内での調整、事務手続きやシステムの変更といったところまで考えると、時効を延長させるのが妥当なのかどうか。

感染が広がるたびに休業しているとなれば、いつまた休業するのか分かりませんし、どれぐらいの期間の休業になるのかも予定できません。将来起こるかどうかも分からない、どれぐらいの休業規模になるのかもわからない。にも関わらず有給休暇時効について例外的な取り扱いを認めていたらキリがなくなるのではないかと。

休業期間が3ヶ月になったとしても、もっと早い段階で年次有給休暇を取ることはできたのでしょうし、年次有給休暇を取る余地が全くなかったわけではなく、休業期間以外だったら年次有給休暇を取れたのでしょうから、あえて時効を延長せずに、原則通りに2年の時効で消滅するとした方が分かりやすいのではないかと。

給与の全額が休業手当として支払われているならば、実質的には年次有給休暇を取っているのと変わりませんし(給与を受け取りながら休んでいる)、休業手当を受け取りながら休んでる日を年次有給休暇だとみなして満足していただくというのも1つの解決策です。





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『日曜日=法定休日と思い込んではいけない』
半日有給休暇半日欠勤の組み合わせはダメ?』
『寸志は賃金or贈り物?』
『ケータイは仕事道具か遊び道具か』

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本に書いていそうなんだけど、書いていない。
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合格率0.07%を通り抜けた大学生。


今、私はこうやって社労士という職業で仕事をしているわけですが、子供の頃からなりたかった職業というわけではなくて、大学生の頃に遭遇したきっかけが始まりです。

子供の頃になりたい職業というと、男の子ならば、警察官やスポーツ選手、パイロットというのが良くあるもの。女の子だと、スチュワーデス(今はキャビンアテンダント)、花屋さん、ケーキ屋さん、保育園の先生とか。そういう社会的に広く認知されたものが選ばれるので、小学生や中学生が社労士になりたいなんてことはゼロではないのでしょうが、極めて稀でしょう。

私が社労士試験に合格したのは大学4年のときで、いわゆる「現役合格」です。けれども、3年の時に一度不合格になって、ヘコんだんです。「たかが社労士試験ごときにオチたのか」って。だって、簡単そうなイメージがするでしょ、社労士なんて。チョチョッと勉強すれば、スルッと合格できるだろう。そう思っている人も少なくないはず。

「よく知られている資格 = 難しい」、「あまり知られていない資格 = 難しくない」。こういう判断基準があって、社労士は後者に該当するため、難しくないだろうと思われてしまうわけです。

私もそうやってナメていたクチですから、不合格になったんです。

実際は、想像しているよりも難易度は高くて、大学生の頃に約1年ほど時間を投じて、やっとこさ合格したのが本当のところ。


どうすると不合格になるか。どんなテキストや問題集を使えばいいか。問題集の使い方。スマホをどうやって社労士試験対策に活用するか、などなど。学生の頃の視点で書いています。

社労士試験というと、社会人の受験者が多いですから、学生の人の経験談が少ないんですよね。だから、私の経験が学生の人に役立つんじゃないかと思います。

とはいえ、学生の人が社労士に興味を持つというのはやはりレアで、何らかのきっかけが無ければ出会えないでしょうね。ただ、珍しいといっても、毎年、1割弱ほどは学生の受験者がいるので、受験者の総数を5万人と仮定すると、その1割弱なら3,000人から4,000人ぐらいは学生がいます。

そういう方の役に立つならば、私の経験も使っていただきたいですね。


https://www.growthwk.com/entry/2017/02/28/121910
大学生が独学で社労士試験に合格する方法: 合格率0.07%の軌跡





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【学生から好かれる職場と学生から嫌われる職場】

高校生になれば、アルバイトをする機会があり、
過去、実際に経験した方、
もしくは、今まさに働いている学生の方もいるのでは。

中には、
「学生時代はアルバイトなんてしたことないよ」
という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう稀な方は経験が無いでしょうけれども、
学生のアルバイトというのは、
何故か、不思議と、どういう理屈なのか分かりませんが、
雑というか、荒っぽいというか、
そういう手荒い扱いを受けるんです。

若いし、体力もあるし、
少々、手荒に扱っても大丈夫だろうという感覚なのでしょうか。

それ、気持ちとしては分かりますけれども、
法令上は、学生も他の従業員と(ほぼ)同じであって、
一定のルールの下で労務管理しないといけないのです。

もちろん、
18歳未満は夜22時以降は働けないとか、
8時間を超えて働けないとか、
そういう学生ならではの制約は一部ありますけれども、
それ以外のところは他の従業員と同じ。

週3日出勤で契約したはずなのに、
実際は週5日出勤になっている。

休憩時間無しで働いている。

採用時に、1日5時間働くと決めたのに、
実際は1日3時間程度しか勤務させてもらえない。

「学生には有給休暇が無い」と言われた。

テスト休みを取って時給を減らされた。

など、
やってはいけない労務管理がなされてしまっている
という実情もあるようです。

何をやってはいけないかを知らないまま、
間違った対応をしてしまうこともあるでしょう。

(知らないからといって許されるものではありませんけれども)

このような労務管理をすると、学生から好感を持たれ、
辞めていく人が減るのではないか。

一方で、
「これをやってしまってはオシマイよ」
な感じの労務管理だと、
ザルで水をすくうように人が辞めていく。

学生から好まれる職場と嫌われる職場。

その境目はどこにあるのかについて書いたのが
『学校では教えてもらえない学生の働き方と雇い方 - 35の仕事のルール』
です。

「学生が好む職場」と「学生が嫌う職場」 その違いは何なのか。
https://www.growthwk.com/entry/2019/11/08/214715




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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

仕事に合わせて、ある日は勤務時間を短く、ある日は勤務時間を長くできれば、便利ですよね。

でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
https://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343





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決まったことを決まった手順で処理するのは難しいものではありません。例えば、給与計算。毎月1回は給与が支給されるので、その計算作業も毎月ありますけれども、頭を悩ませるほどのものではありません。

他には、雇用保険社会保険への加入手続きもちょくちょくと発生しますけれども、これも必要な書類を揃えて出すだけですから難しくない。

労務管理ではルーティンな業務があり、それらを処理するには特別な能力や知識は必要ありません。

しかし、時として、普段は遭遇しないような問題が起こります。例えば、休憩時間を1回ではなく何回かに分けて取るのはいいのかどうか。有給休暇を半日や時間単位で細かく分けて取ると便利なのかどうか。仕事着に着替える時間には給与は支払われるのかどうかなど。答えが1つに定まりにくい問題が労務管理では起こります。


一例として、

Q:会社を休んだら、社会保険料は安くなる?
Q:伊達マスクを付けて仕事をするの?
Q:休む人が多くて勤務シフトに穴が開く。対処策は?
Q:休憩時間を分けて取ってもいいの?
Q:残業を許可制にすれば残業は減る?
Q:残業しないほど、残業代が増える?
Q:喫煙時間は休憩なの?
Q:代休振替休日はいつまでに取ればいいの?


このような問題に対して、どのように対処するか。それについて書いたのが『仕事のハテナ 17のギモン』です。

▽    ▽   『仕事のハテナ 17のギモン』    ▽    ▽
https://www.growthwk.com/entry/2017/05/23/132023



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