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登録第6433539号:「鳳寿」

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□■□【真似とは言わせない!ネーミングのツボ】□■□
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□                       4月26日号
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 弁理士の深澤です。

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★このメルマガの目的♪
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 このメルマガでは、商標の審判・裁判事例等を通して、

○どんな商標が類似といわれたのか
○識別力のある商標とはどんなものなのか

 といったことから、ネーミングを考える際のツボを明らかにして
いきます。

(配信中止はこちらまでhttp://www.mag2.com/m/0000241197.html)

 それでは、今週も始めます。

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★今回の事例♪
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 今回取り上げるのは、

○登録第6433539号:「鳳寿」

 指定役務は、第35類の各役務です。

 ところが、この商標は、

 登録第5582771号商標:「鳳寿梅」

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。


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★判断の分かれ目♪
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 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服
の審判(不服2020-017444)が請求されました。

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 まず、この商標

「文字は,辞書等に載録されているものではなく,また,特定の
意味合いを有するものとして認識されているというような事情も
見いだせないものである。」

 そうすると、

「その構成文字に相応して「ホウジュ」の称呼が生じるとみるのが
自然であり,特定の観念は生じない。」

 一方、引用商標は、

「同じ書体,同じ大きさ,等間隔で表され,漢字3字からなり,
外観上まとまりよく一体的に構成されているものであるから,その
構成中のいずれかの語のみが看者に強く印象付けられるとはいい
難い。」

 また、

「「鳳寿」の文字部分は特定の意味合いを認識させるものではなく,
加えて当該文字部分が特定の事業者の出所表示として広く知られた
ものであるといった特段の事情も見られないことから,「鳳」,
「寿」及び「梅」の漢字3字から構成される引用商標において,
殊更「鳳寿」の文字部分のみが一連の語として抽出,認識される
事情はないというべきである。」

 さらに、

「構成文字に相応して生じる「ホウジュバイ」又は「ホウジュウメ」
の称呼も,よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 そうすると、

「構成全体をもって不可分一体のものと認識し,把握されるとみる
のが相当であるから,その構成全体の文字に相応して「ホウジュバイ」
又は「ホウジュウメ」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。」

 そこでそれぞれ比較すると、

「漢字3字又は2字と極めて少ない文字数の構成よりなるもので
あるから,両商標は,外観上,明確に区別できるものである。」

 また、「ホウジュ」の称呼と、「ホウジュバイ」又は「ホウジュウメ」
の称呼とを比較すると、

「音構成において明らかな差異があるから,両者は十分に聴別可能
である。」

 さらに、観念については、

「いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念について
比較することはできない。」

 そうすると、

「観念については比較することはできず,外観及び称呼においては
明確に区別できるものであるから,」

 非類似の商標と判断されました。

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、一部が共通する商標との類似が問題となりました。

 一部が共通していても、全体で比較して混同しなければ非類似に
なります。

 全体での統一感を出すことが真似とは言わせないツボになります。

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 お役に立ちましたでしょうか?

 今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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真似とは言わせない!ネーミングのツボ(毎週火曜日発行)

ご質問・ご感想お待ちしております!

  編集・発行 深澤 潔
  http://brand-service.biz/

 各種商品・サービスのネーミング、会社ロゴ等の商標登録関連
を扱っております
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名無し

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