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職場のハラスメント対応

多くのサラリーマンが60歳や65歳には定年を迎え、その後は悠々自適の生活を夢見るのですが、
現実はそう甘くはないようです。
数年前に定年退職をしたある男性も、定年後の暮らしの味気なさをぼやいていました。退職後半年ぐらいは、
やりたかったゴルフ三昧、映画三昧、旅行三昧など趣味だけでもそれなりに楽しい生活でしたが、それらが一巡した後は、
家に居る時間がどうしても長くなり、そこで「あれっ?家には俺の居場所がないんだ」ということに気づいたそうです。
子供は既に独立して家を離れていたので、定年後、家に居るのは奥さんと二人だけ。二人で話す話題はそんなにあるわけ
でもなく、奥さんが家にいる間、彼はただ居間に寝転んで新聞を読んだり、テレビを眺めるだけ。そして二人とも毎日の
そんな雰囲気にいたたまれなくなったそうです。確かに考えてみれば、奥さんが忙しく家事をしている間、旦那が傍で
手持ち無沙汰げに新聞を読んだり、テレビを眺めていては、奥さんの目障りになるに決まっています。
仕方なく、知人は、近くの図書館に行き、新聞コーナーに置いてある新聞を隅から隅まで読み、読み終わった後は
借りた本を閲覧席でじっくり読んで時間を潰したそうです。でも、やがて図書館通いにも飽きてしまい、
別の「居場所探し」をする羽目になってしまったと嘆いていました。

こう考えると「居場所」というものは、人が社会生活を円滑に送っていくためには必要不可欠な場所だと思います。
学校や勤め先、住まう地域などの「場」で、ただ居るだけということではなく、なんらかの役を担って「気兼ねなく
居られる場所」が、「居場所」ということになるでしょうか。
現在の中高年世代、特に男性は、「会社第一主義」のもとに働いてきた人たちです。 家は「帰って寝るだけ」の場所で、
家族の問題は奥さん任せにしていたため、既に「家の秩序」は奥さんと子供達が決めたものになっていて、心休まる場所
になりづらいのです。
では、会社はどうかというと、ただでさえ役職定年や年収減など、中高年社員を取り巻く環境は厳しく、モチベーション
維持するのに四苦八苦しています。それに加え、昨今では「今までの職務経験や知識が役に立たないような」
新たなIT分野などへも挑戦せざるを得なくなっていて、とても会社は自分の「居たい場所」ではなくなっています。
更に定年後は、この会社で過ごす時間が無くなります。
もともと職場以外の友達が少なく、社交性もそんなになく、趣味も単独でできるものばかり(読書、一人カラオケなど)
という人が会社を退職した場合は、一気に会社という一日の大半を過ごしていた場所がなくなってしまいます。
そうなると、他に自分の居場所を見つけられなければ、ほぼ毎日24時間家に居ることになり、妻を悩ますことで有名な
3大台詞、“俺の昼飯は?”、“どこへ出かけるんだ?”、“俺も一緒について行く”が炸裂してしまいます。
妻は、夫の現役時代には作らなくて済んでいた昼食を毎日作らなくてはならなくなり、誰にも気兼ねなくしていた外出が
できなくなり、ぬれ落ち葉がまとわりつき……とストレスが蓄積され、いずれ家庭内戦争(もしくは冷戦状態)が勃発
してしまいます。
そして、堪忍袋の緒が切れた妻は、ある日 “お昼ご飯は自分で用意してほしい”と告げるのです。更に続けて言います。
“週に3日は、昼間は外に出ていてほしい”……と。
言われた旦那も今更、妻と揉めたくはないので、言われるままに外での活動先を探し始めます。でも、地域活動やら
パートの仕事を探しても、肉体労働には自信が無かったり、場所が遠かったりとうまく行きません。
さらに「何の伝手(つて)」もないところに一人で出かけて仕事探しをするのもプライドが傷つき、次第に探す気持ちさえ
起きなくなってしまいます。
でも、あるとき、はたと外で時間をつぶすせる方法を見つけます。東京都のシルバーパスの利用です。
シルバーパス(残念ながら70歳以上の方が利用できます)は、都営の電車、バスが乗り放題となり、便宜性が一層高まります。「電車やバスに乗って都内の名所を巡り、昼時になれば安くて旨い店で昼食を済ませ、疲れたら公園のベンチで一休み。
手持ち無沙汰になれば持参しているお気に入りの文庫本に目を通し、夕刻になったら家路につく……」。
これで奥様との家庭生活は安定し、気分良く(?)引退生活を過ごせるというものです。
そういえば通勤で都営地下鉄を利用している私は、夕方早めの帰宅時、時々帽子を被り小さなリュックを背中に背負って
文庫本を手にした爺さんと遭遇し、優先席の取合い競争をすることがあります。席取り競争になれば一歩出遅れ常に
負けてしまう私は、「体力がある元気な爺さんには勝てない」といつも負け惜しみをつぶやきながらドア際の立ち席を
居場所に過ごす羽目になります……。

さて、今回は「職場のハラスメント対応」の話をします。
──────────◆ 目 次 ◆──────────────
「職場のハラスメント対応」    
改正労働施策総合推進法の施行により、令和2年6月(中小企業では令和4年4月)から職場のパワハラ防止対策が
義務化され、多くの企業ではハラスメント防止対策に一層取り組んでいるところです。
労働者側のハラスメントへの意識も高まっていることから、現場では様々なハラスメント事案への対応に迫られる機会も
増えているようです。
そして、実際にハラスメント事案が発生した場合に、その対応について、頭を痛める企業も増えています。
東京都産業労働局「職場のハラスメント防止への取組等に関する調査」によれば、従業員が相談した際の職場の対応は
「被害者へのヒアリング」の割合が多く、行為者への処分としては「けん責(口頭又は文書での注意等)」が62.5%で最多、
次いで「配置転換」29.4%、「出勤停止」11.3%、「降格」11.0%が続いています。  
被害者への対応は、「加害者を配置転換させる等当事者間を引き離すよう人事上の配慮をした」が 58.6%で最多、
「被害者の精神的なショックが大きかったため、メンタルケアを行った」28.8%、「加害者から被害者への謝罪を
あっせんした」25.2%となっています。
ハラスメント事案が発生し、当事者や第三者への事実確認のヒアリングを行ったものの、判断に迷うというケースは
少なくありません。その後の対応がさらなるトラブルを生む可能性もあります。
企業としては、状況を踏まえて引き続き適切な対応を検討していくことが求められます。


以上

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