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■
行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第99号/2007/3/1>■
1.はじめに
2.「
会社法務編/中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(43)」
3.「市
民法務編/ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(26)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。
行政書士の津留信康です。
先月、「要件事実に関する研修会(※1)」を受講したこともあり、
最近、「リーガル・カウンセリング(弁護士が行う法律相談の面談技法)」
に関して、興味を抱いています。
われわれ
行政書士は、法律相談を行うことはできませんが、
その技法や考え方については、
業務上、クライアントとの面談場面で、大いに活用できるのでは?と考えています。
まずは手始めに、書店で目に留まった、
「リーガル・カウンセリングの技法/法律文化社(※2)」を通じて、
その基本を学んでみよう!と思っています。
※1)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_957f.html
※2)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4589029294.html
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「
会社法務編―中小企業・
ベンチャー経営者&
起業予定者のための“
会社法”等のポイント(43)」
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★「2006/10/1発行の第89号」より、
「平成18年度
司法書士試験問題(※1)」の解説を通じて、
“
会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
本号は、「持分会社の
登記」に関する問題です。
※1)平成18年度
司法書士試験問題(法務省Webサイト)
午前の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-AM/am-all.pdf
午後の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-PM/pm-all.pdf
なお、同試験では、午前の部で、「
会社法等が8問(No.28~35)」、
午後の部で、「商業
登記法等が8問(No.28~35)」、出題されています。
※2)実際の問題は、すべて組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更してありますので、ご了承ください。
<午後の部・第35問/持分会社の
登記>
■持分会社の
登記に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
1.
合名会社または
合資会社の
定款に、
社員の退社の事由または持分の払戻しに関する定めがある場合において、
これらを変更したときは、その変更の
登記を申請しなければならない。
□正解 ×
□解説
合名会社または
合資会社において、
定款に、
「社員の退社の事由(
会社法第607条第1項第1号)」または
「持分の払戻し(同法第577条)」に関して定めることができますが、
これらは
登記事項ではありません(同法第912条・第913条)。
2.
合名会社に無限責任社員が入社する場合には、
無限責任社員の入社の
登記の申請書には、
当該無限責任社員が就任を承諾したことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解 ×
□解説
設問肢のような場合には、「社員の加入の事実を証する書面」
の添付を要します(商業
登記法第96条第1項)が、
「当該無限責任社員の
就任承諾書」の添付は、不要です。
3.
合資会社の業務を執行しない有限責任社員が、
持分の全部を他人に譲渡した場合には、
社員の変更の
登記の申請書には、
持分の譲渡について総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解 ×
□解説
設問肢のような場合には、
「業務を執行する社員全員の承諾があったことを証する書面」の添付で
事足りるため(
会社法第585条第2項・第4項、商業
登記法第93条・第111条)、
「総社員の同意があったことを証する書面」の添付までは、不要です。
4.
合資会社の有限責任社員の出資の価額の増加による
変更の
登記の申請書には、
総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
□正解 ○
□解説
「
会社法第576条第1項第6号・第637条、商業
登記法第93条・第111条」
を参照のこと。
5.持分会社が解散し、業務を執行する社員が清算人になった場合には、
清算人の
登記の申請書には、
定款を添付しなければならない。
□正解 ○
□解説
「
会社法第647条第1項、商業
登記法第99条第1項第1号・第111条・第118条」
を参照のこと。
★次号(2007/3/15発行予定の第100号)は、
「商業
登記の効力等」に関する問題です。
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3.「市
民法務編―ビジネスに役立つ“
民法”の基礎(26)」
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★本号では、「
民法(全5編/全1044条)」のうち、
「第3編
債権―第2章
契約―第1節 総則」の概要について、ご紹介します。
■「第2章
契約」の構成
□「第2章
契約(第521条~第696条)」では、
「第1節 総則(
契約の一般原則)」に続き、
「第2節~第14節」では、13種類の典型
契約について、規定されています。
□当メルマガでは、本号(第1節 総則)以下、次の順にご紹介していく予定です。
第100号(第2節~第4節 贈与・売買・ 交換)
第101号(第5節~第7節
消費貸借・
使用貸借・賃貸借)
第102号(第8節~第14節
雇用・
請負・
委任・
寄託・組合・終身定期金・
和解)
■第2章
契約―第1節 総則
□
契約の成立(第521条~第532条)
契約が成立するためには、「申込み」と「承諾」という形により、
当事者間の合意が形成される必要があります。
□
契約の効力
1.
同時履行の
抗弁権(第533条)
双務
契約において、一方の当事者は、
「相手方が、
弁済期にある
債務を提供するまでは、
自分の
債務を
履行しないと主張する権利(
同時履行の
抗弁権)」
を有します。
2.危険負担(第534条~第536条)
「双務
契約において、一方の
債務が、
債務者の
責に帰することができない事由により
履行不能となった場合に、
他方の
債務は消滅するか否か」という問題を、「危険負担」の問題といい、
「
債権者主義(第534条・第535条)」と「
債務者主義(第536条)」
の考え方があります。
3.第三者のためにする
契約(第537条~第539条)
当事者の一方が、
契約により、
第三者に対して、ある給付をすることを約したときは、
その第三者は、「
債務者に対して、直接その給付を請求する権利」
を有します(第537条第1項)。
□
契約の解除(第540条~第548条)
契約または法律の規定により、当事者の一方が解除権を有するときは、
相手方への
意思表示によって、
契約を解除することができ(第540条第1項)、
相手方の承諾は必要ありません。
★次号(2007/3/15発行予定の第100号)では、
「第2章
契約―第2節~第4節 贈与・売買・交換」について、
ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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■「
行政書士・津留信康の法務サポートblog」の最近の記事より
□「
確定申告」は、お済みですか?
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_aa2d.html
■第99号は、いかがでしたか?
次号(第100号)は、2007/3/15発行予定です。
■編集責任者:
行政書士 津留信康
□津留
行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□
行政書士・津留信康の法務サポートblog
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/
□ご連絡専用アドレス
n-tsuru@mbr.nifty.com
■当メルマガの発行は、「まぐまぐ(
http://www.mag2.com/)」を利用しており、
購読の解除は、「
http://www.mag2.com/m/0000106995.html」からできます。
■当メールマガジンの無断転載等を禁じます。
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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第99号/2007/3/1>■
1.はじめに
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(43)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(26)」
4.編集後記
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1.はじめに
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皆様、こんにちは。行政書士の津留信康です。
先月、「要件事実に関する研修会(※1)」を受講したこともあり、
最近、「リーガル・カウンセリング(弁護士が行う法律相談の面談技法)」
に関して、興味を抱いています。
われわれ行政書士は、法律相談を行うことはできませんが、
その技法や考え方については、
業務上、クライアントとの面談場面で、大いに活用できるのでは?と考えています。
まずは手始めに、書店で目に留まった、
「リーガル・カウンセリングの技法/法律文化社(※2)」を通じて、
その基本を学んでみよう!と思っています。
※1)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_957f.html
※2)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4589029294.html
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(43)」
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★「2006/10/1発行の第89号」より、
「平成18年度司法書士試験問題(※1)」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
本号は、「持分会社の登記」に関する問題です。
※1)平成18年度司法書士試験問題(法務省Webサイト)
午前の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-AM/am-all.pdf
午後の部
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHOSHI/H18-PM/pm-all.pdf
なお、同試験では、午前の部で、「会社法等が8問(No.28~35)」、
午後の部で、「商業登記法等が8問(No.28~35)」、出題されています。
※2)実際の問題は、すべて組み合わせ問題ですが、
便宜上、単純な正誤問題に変更してありますので、ご了承ください。
<午後の部・第35問/持分会社の登記>
■持分会社の登記に関する次の1~5の記述のうち、正しいものはどれか。
1.合名会社または合資会社の定款に、
社員の退社の事由または持分の払戻しに関する定めがある場合において、
これらを変更したときは、その変更の登記を申請しなければならない。
□正解 ×
□解説
合名会社または合資会社において、定款に、
「社員の退社の事由(会社法第607条第1項第1号)」または
「持分の払戻し(同法第577条)」に関して定めることができますが、
これらは登記事項ではありません(同法第912条・第913条)。
2.合名会社に無限責任社員が入社する場合には、
無限責任社員の入社の登記の申請書には、
当該無限責任社員が就任を承諾したことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解 ×
□解説
設問肢のような場合には、「社員の加入の事実を証する書面」
の添付を要します(商業登記法第96条第1項)が、
「当該無限責任社員の就任承諾書」の添付は、不要です。
3.合資会社の業務を執行しない有限責任社員が、
持分の全部を他人に譲渡した場合には、
社員の変更の登記の申請書には、
持分の譲渡について総社員の同意があったことを証する書面
を添付しなければならない。
□正解 ×
□解説
設問肢のような場合には、
「業務を執行する社員全員の承諾があったことを証する書面」の添付で
事足りるため(会社法第585条第2項・第4項、商業登記法第93条・第111条)、
「総社員の同意があったことを証する書面」の添付までは、不要です。
4.合資会社の有限責任社員の出資の価額の増加による
変更の登記の申請書には、
総社員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
□正解 ○
□解説
「会社法第576条第1項第6号・第637条、商業登記法第93条・第111条」
を参照のこと。
5.持分会社が解散し、業務を執行する社員が清算人になった場合には、
清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。
□正解 ○
□解説
「会社法第647条第1項、商業登記法第99条第1項第1号・第111条・第118条」
を参照のこと。
★次号(2007/3/15発行予定の第100号)は、
「商業登記の効力等」に関する問題です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(26)」
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★本号では、「民法(全5編/全1044条)」のうち、
「第3編 債権―第2章 契約―第1節 総則」の概要について、ご紹介します。
■「第2章 契約」の構成
□「第2章 契約(第521条~第696条)」では、
「第1節 総則(契約の一般原則)」に続き、
「第2節~第14節」では、13種類の典型契約について、規定されています。
□当メルマガでは、本号(第1節 総則)以下、次の順にご紹介していく予定です。
第100号(第2節~第4節 贈与・売買・ 交換)
第101号(第5節~第7節 消費貸借・使用貸借・賃貸借)
第102号(第8節~第14節 雇用・請負・委任・寄託・組合・終身定期金・和解)
■第2章 契約―第1節 総則
□契約の成立(第521条~第532条)
契約が成立するためには、「申込み」と「承諾」という形により、
当事者間の合意が形成される必要があります。
□契約の効力
1.同時履行の抗弁権(第533条)
双務契約において、一方の当事者は、
「相手方が、弁済期にある債務を提供するまでは、
自分の債務を履行しないと主張する権利(同時履行の抗弁権)」
を有します。
2.危険負担(第534条~第536条)
「双務契約において、一方の債務が、
債務者の責に帰することができない事由により履行不能となった場合に、
他方の債務は消滅するか否か」という問題を、「危険負担」の問題といい、
「債権者主義(第534条・第535条)」と「債務者主義(第536条)」
の考え方があります。
3.第三者のためにする契約(第537条~第539条)
当事者の一方が、契約により、
第三者に対して、ある給付をすることを約したときは、
その第三者は、「債務者に対して、直接その給付を請求する権利」
を有します(第537条第1項)。
□契約の解除(第540条~第548条)
契約または法律の規定により、当事者の一方が解除権を有するときは、
相手方への意思表示によって、契約を解除することができ(第540条第1項)、
相手方の承諾は必要ありません。
★次号(2007/3/15発行予定の第100号)では、
「第2章 契約―第2節~第4節 贈与・売買・交換」について、
ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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■「行政書士・津留信康の法務サポートblog」の最近の記事より
□「確定申告」は、お済みですか?
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_aa2d.html
■第99号は、いかがでしたか?
次号(第100号)は、2007/3/15発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
□行政書士・津留信康の法務サポートblog
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