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金融商品販売法の概要(2)

■Vol.116  2007-05-02 毎週水曜日配信           
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□□■    いまさら聞けない!お金と人と組織のこと 
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
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■■■      金融商品販売法の概要(2)
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■■■    週刊(毎週水曜日発行)
□□■             http://www.c3-co.com/
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 日頃何気なく食べているお寿司ですが、実は美容に良い食べ物だそうです。

 イクラ・エビ・鮭は、抗酸化物質アスタキサンチンを含み、シミに効果的。
 穴子やウニは、ビタミンAが豊富で、皮膚粘膜を保護し、お肌の潤いを保
 つのに有効とか。
 マグロ、カツオは、鉄分が多く貧血で、顔色がさえない人にも。
 アジ、サバなど、背の青い魚にはEPAやDHAが多く含まれ、血液をサ
 ラサラにしてくれます。にんにくと一緒に食べるとさらに効果的。

 全ての美容効果を狙って、たくさんお寿司を食べると・・・。今度は、お
 勘定を見て青い顔になりそうです。
  
  
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      金融商品販売法の概要(2)
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 弁護士の緒方義行です。

前回は、「金融商品販売法」のできた背景とその意義について説明しました
が、今回は、今回は「金融商品販売法」の具体的な内容について説明します。

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        説明義務の明確化
************************************

 金融商品としては、預貯金、信託、保険、有価証券、デリバティブなど、
幅広い金融商品が対象とされており(2条)、今後登場する新しい金融商品
については政令で定めることにしています(外国為替証拠金取引などは平成
16年より政令改正で追加されています。
 なお、商品先物取引については、今回の金融商品取引法制整備の一環とし
て商品取引所法が改正され、金融商品販売法が準用されています。)。
説明義務の対象となる重要事項(3条1項)は、以下の1~3のとおり、類
型化・明確化されています(今回の改正で拡充されています。)。これによ
り、「そもそも元本欠損があることやその原因など社会常識であって知って
いて当然である」などと業者から主張されて説明義務の存否について争うと
いった必要がなくなり、顧客の立証責任が軽減されています。
 説明の方法・程度については、これも今回の平成18年改正により、顧客
の知識、経験、財産状況及び契約締結目的(投資目的)に照らして、その顧
客に理解されるために必要な方法・程度によるものでなければならない(い
わゆる適合性の原則)とされています(3条2項)。
 なお、自ら金融商品の販売等を業として行っている者については、政令で
定める特定顧客(いわゆるプロ)として説明は不要であるとされており、ま
た、顧客が説明を必要としない旨を表明した場合にも説明の必要はありませ
ん(3条7項)。


(1) 「元本欠損(元本割れ)が生ずるおそれ」があるとき(3条1項1号3
号5号)

 元本欠損(元本割れ)が生ずるおそれがあるときは、その旨とその要因お
よびその要因で元本欠損が生ずるおそれを生じさせる取引の仕組みのうちの
重要な部分を説明しなければなりません。
 元本欠損が生ずる要因には、金利、通貨の価格や株式市場における相場の
変動など金融商品に典型的な価格変動リスクなどの「市場リスク」の要因
(1号)と業者の格下げや破綻等の「信用リスク」の要因(3号)があり、
その他にも、今後の金融イノベーションの進展により新しいタイプの要因
が出てきた場合には、適宜、政令でリスク要因が追加指定されることとな
っています(5号)。


(2) 「当初元本を上回る損失が生じるおそれ」があるとき(3条1項2号
4号6号)


 当初元本を上回る損失が生じるおそれがあるときは、その旨とその要因
およびその要因で当初元本を上回る損失が生じるおそれを生じさせる取引
の仕組みのうちの重要な部分を説明しなければなりません。
 この要因にも、「市場リスク」の要因(2号)と「信用リスク」の要因
(4号)があり、その他にも、政令で追加指定されるリスク要因(6号)
があります。

(3) 「権利を行使できる期間の制限または契約の解除ができる期間の制限」
があるとき(3条1項7号)

 ワラントやデリバティブなど権利を行使できる期間の制限や解約期間の
制限がある場合、これらはリスクを回避する手段についての情報であり、
知らなければリスクを回避できずに損失が発生する可能性があることから、
説明すべき重要事項とされています(7号)。


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    断定的判断の提供・確実性誤解告知の禁止
*************************************

今回の平成18年改正により、業者は金融商品の販売が行われるまでの間に、顧
客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認さ
せるおそれのあることを告げる行為を行ってはならないと定めて(4条)、断定
的判断の提供等が禁止されています。


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    無過失責任と損害額の推定
*************************************

 民法では、不法行為の要件として故意または過失が要求されていますが、金融
商品販売法では、業者が説明義務を負っている重要事項について説明をしなかっ
たとき、又は禁止されている断定的判断の提供等を行ったときは、その説明義務
違反または断定的判断の提供等によって生じた損害について賠償する責任を負う
と定めて(5条)、業者の損害賠償責任無過失責任としています。
 また、民法では、不法行為による損害賠償責任を追及する際、損害の因果関係
について原告(顧客)が立証責任を負い、裁判が長期化する傾向にありました。
 金融商品販売法では、顧客が説明義務違反または断定的判断の提供等がなされ
たとして業者に対してその損害の賠償を請求する場合には、元本欠損額は、説明
義務違反または断定的判断の提供等によって生じた損害額であると推定すると定
めて(6条)、元本欠損額については因果関係と損害額を推定することによって、
顧客の立証責任を軽減しています。


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    勧誘方針の策定・公表
*************************************

 業者(ただし、国、地方公共団体その他勧誘の適正を欠くおそれがないものと
して政令で定める者または特定顧客のみを顧客とする業者を除く。)は、顧客に
金融商品を勧めるに当たって、あらかじめ勧誘方針を策定して、公表しなければ
なりません(9条)。
 勧誘方針を策定せず、または公表しなかった場合は過料に処せられます(10
条)。
 策定・公表しなければならない「勧誘方針」には、次のものが盛り込まれなけ
ればなければなりません。

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(1) 勧誘の対象となる者の知識、経験、財産の状況および契約締結目的(投資目
的)に照らして配慮すべき事項
・・・既述の「適合性の原則」に関する事項のことです。

(2) 勧誘の方法および時間帯に関して勧誘の対象となる者に配慮すべき事項
・・・電話勧誘・訪問勧誘といったいわゆる不招請勧誘の禁止ルールの採用や迷惑
となるような時間帯の勧誘という不適切勧誘の禁止についての顧客に対する配慮・
自制について定めることを要請したものです。
 なお、金融商品取引法は、政令で指定される金融商品について、不招請の勧誘を
禁止し、勧誘に先立つ勧誘受諾意思の確認をしないでする勧誘を禁止し、取引を行
わない旨の意思を表示した顧客への再勧誘を禁止しています。

(3) その他勧誘の適正の確保に関する事項
・・・上記に加えて、業者の自主的な判断により盛り込まれるべき事項です。

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(弁護士 緒方 義行)




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