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準備信用調査と本信用調査

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2007年12月17日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL3
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL3.マーケティング
●準備信用調査と本信用調査
●閑話休題「マネジメント・サイクルを回せ」
●編集後記
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●準備信用調査と本信用調査

 セールスマン自身の信用調査によって、手形の不渡りなどはかなり防止で
きます。ところが、従来とかく、信用調査をすると得意先を失ってしまう、
といった誤った考えをもつ人が、中小企業の経営者層には多かったのです。

 オヤジの代からのつきあいだし、そんなことをするのはなんだか相手を信
用していないみたいで……というわけです。

1.準備信用調査
 まず、こうした前近代的な誤解を一掃し、もし、未調査であったら、次の
各項目にわたって準備信用調査を行うことです。

資本金・資本系統
●代表者・役員
●取引銀行
●年商・納税額
資産負債
●主要取引先と取引条件
●経営内容
従業員と人間関係
●業界での地位
●社歴

 これらを調べるには、組合同業者からのニュース、業界紙からのニュース
などの資料を参考にします。さわに、商業登記簿謄本、不動産登記簿法人
税・所得税などの申告状況などもあたってみる必要があるのは、いうまでも
ありません。

2.本信用調査
 さて、この準備信用調査が終わると、本信用調査にかかります。本信用調
査は、取引の最前線で活躍するセールスマン自身が、取引先の経営者や管理
者に面談したり、観察したりして行うものです。

 その内容は、以下の9項目について観察するものです。

●経営者が人格者かどうか
●その責任感は
従業員との関係は
●経営能力は
●整理整頓の状況は
●在庫は
●商談は上手か下手か
●来客の接遇ぶりは
●事業所の雰囲気は

 以上について調べれば、企業の現状は一応つかめます。また、準備信用調
査や本信用調査をしているいとまのない場合は、次の簡易調査を行うと便利
です。

(1)自分の取引銀行に問い合わせて、相手の相手の取引銀行に対して相手
   の預金借入金・取引状況・決済状況などを報告してもらうようにし
   ます。
(2)不動産登記簿の閲覧。特に所有権の有無・名義人・移転関係・抵当権
   その他の権利設定事実の有無を調べます。
(3)詐欺にかからないように、相手の事業所や自宅の概況・電話の有無を
   調べます。

3.銀行や興信所の調査
 調査といえば、まず銀行調査ですが、銀行には取引先の秘密をもらしては
ならないという義務があるので、銀行からの取引状況などを聞きだすことは、
難しい面があります。

 しかし、2、3回続けて聞きに行くと、警戒し始めます。そして、銀行の
ほうでも調査を始めだし、うまくいっていないとなると、照会先に、「どう
もここはあやしいですよ、よく注意して調査したほうがいいようです」など
と言ってくれる場合もありますが、そうなった頃には、既に手遅れです。

 一方、興信所ですが、古い興信所は信用がおけるし、かなり突っ込んだ調
査をしますが、急がせると前の調査にちょっと最近の資料を加える、といっ
た程度のことしかやらないこともあります。また、調査技術の未熟な若い人
が多いこともあるので、深いところまで観察が届かないことがあります。

 新しい興信所は、一生懸命やってはくれますが、資料が不備な点と、相手
からの聞き込みが十分でないので、うっかり信用してまるのみにすることは
危険です。

 それから同業者のニュースは、同業者は、仲のよい友達であれば、もちろ
ん悪くは言わないものです。また、仲の悪い人だと、逆に悪いところばかり
協調して言うものです。したがって、どちらも信頼できないと思うのが安全
です。

 いずれにしても、この三つの調査は、50%以上信頼することは無理では
ないかと思います。

 そこで、調査を総合的に判断する人が企業内部に必要となってきます。こ
の人は、セールスマンの調査と、他からの調査とが符号するか、どうかを調
べて、もし、不審な点があれば、再調査の指示をくだします。

 そういうことをすることによって、信用調査はいっそう確実になるはずで
す。その責任者は、もちろん営業課長です。

4.常時調査で注意する点
 セールスマンは、取引先の状況について、一番ニュースをキャッチしやす
いのですから、常に神経を尖らせて調査をする必要があります。

 常時信用調査書というものをつくっておいて、どこを注意して調査したら
いいか、明らかにしておくことです。その注意点を列挙します。

(1)スーパーマーケットの信用調査のポイント
●小資産の店
●坪あたり売上高が500万円以下の店
●店員が三坪に一人より多い店
 <スーパーは、人件費をかけなければこそ成功する>
●食料品の売上が60%以上の店
●安売りだけが特色の店
 <スーパーであっても個性のない店は淘汰される>
●月に1回も棚卸を実施していない店
 <在庫管理の悪い店は、経理も曖昧である>
●有力店が入っていない店
●支払が延びだした店
●経営層に経験者が参加していない店
●我流経営の店

(2)小売店の信用調査のポイント
 注意点が三つ以内なら、取引をしてもよいが警戒する、四つあったら、再
調査をする、五つ以上は取引しない、だいたい、こういう目安でいけば間違
いないでしょう。

●経営が派手
●店主の名誉欲が強い
<組合の幹部にまつりあげられて得意になっていたり、身分不相応な団体や
 セミナーにばかり顔を出している>
●店主の射幸心が強い
<競馬、競輪などに凝るような人は、商売でも一発を狙いすぎる>
●儲かりすぎる店
●乱売主義の店
●豪華すぎる改装をする店
●店員がいつかない店
●店主が特売品ばかり仕入たがる店
●仕入先がしばしば変わる店
●商品管理が悪くて、正確な棚卸を実施していない店

(3)仲卸店の信用調査のポイント
●経営者がセミナーなどで、にわか勉強で独走し、社員の現実と遊離してい
 ないか
●急激な拡大政策をとったため、人材が枯渇していないか
●有能な社員が続々退社していないか
●遠隔地へのダンピングをしていないか
借入金によって、実力不相応の社屋を新築していないか
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●閑話休題「マネジメント・サイクルを回せ」 

 企業は、ゴーイング・コンサーンといわれるように、たとえその構成員全
員が入れ替わっても、なお存続しうる存在でなければなりません。したがっ
て、永遠に存続し続けるためには、現状を維持するばかりでなく、絶えず成
長し、発展を続けなければならないのです。

 すなわち、企業は、現状を「維持」するばかりでなく、絶えずこれを向上
させようとする努力と、現状にあきたりないで、場合によっては現状を否定
することによって、「革新」の道を選び、新しく生きかえる努力とを繰り返
す必要があります。

 このように、企業の目的は、「維持目的」と「革新目的」との両面があり、
それぞれを重点的に達成させる必要があります。

 そこで維持目的を達成するためには、企業はプラン(計画)→ドウ(実施)
→チェック(検討)→アクション(改善処置)の「マネジメント・サイクル」
を、マネジメントの成果が上昇するように、少しずつ程度を高めながら、継
続的に繰り返さなければなりません。

 食品偽装問題を発生させる企業や成果の上がらない企業では、このマネジ
メント・サイクルが仕事のうえで定着していないのです。

 計画を立てることはやさしい、誰でもできます。難しいのは実施であり、
なお難しいのは検討・改善処置です。私は職業がら多くの会社、多くの人
に接しています。そして、それらの人々の行動をみるにつけ、つくづく感
じることは、検討・改善処置の弱さです。

 検討・改善処置を強めるためには、決められたことを守る、守らせる、
あるいは、悪いところを随時改善すべきということを、経営者や経営幹部が
断行する姿勢がなによりも不可欠となります。
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●編集後記

 今年もメルマガをご愛読いただきましてありがとうございました。今回の
メルマガが今年の最後となります。

来年からは、「セールスの信念をつくる」や「商談の全過程を公開」などに
ついて紹介していく予定です。その主な内容は、次のようなものです。

1.セールスの信念をつくる
●セールスマンシップとは
●信念はどこから生まれるか
●誰もがかかる訪問恐怖症と治し方
●スランプを乗りきる方法

2.商談の全過程を公開
●話術の基礎知識
●興味を起こさせる話
●心理話法と聞き上手
●商談をどうきりだすか
●断りに負けない研究
●応酬話法

 最後に皆様のご多幸を心からお祈り申しあげます。
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