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知っておきたい購買心理

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2008年2月4日発行 第1・第3週月曜日発行
メールマガジン:経営のパートナー VOL3
<経営学で企業を再生する>
【発行責任者】経営テクノ研究所 代表 舘 義之
【E-mail】tate@agate.plala.or.jp
【H P】http://www9.plala.or.jp/keiei-techno
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■CONTENTS■
VOL3.マーケティング
●知っておきたい購買心理
●閑話休題「労働分配率」
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●知っておきたい購買心理

 商談に入る前に、購買心理の知識を学んでおくと、大変便利です。
 「これはいらない」「これは高い」「おまえのところはサービスが悪い」
こういう断りは、いったい全部が真実なのか、それとも単なる口実なのか、
これを見分けられれば、商談に成功する確率も、ぐんと高くなるはずです。

1.真実と口実の断りの比率
 では、真実の断りと口実の断りと、どちらが多いかといえば、口実のほう
が断然多いのです。この真実と口実との断りの比率は、セールスマンや、保
険の外交員などの統計によると、大体、口実7、真実3くらいです。

 だから、われわれが商談をしながら、それは本当の断りか、口実の断りか、
ということを考えるとしたら、大体、口実と思えば間違いありません。こう
考えれば自信が湧いてくるでしょう。

 これは、日本だけではなく、アメリカでも、フランスやイギリスの本を見
ても、大体、7対3と書いてあります。レターマンは、この比率を68対
32といっています。

2.物を買う動機
 次に、物を買うのには、二つの動機があります。一つは、感情的な動機、
もう一つは、理性的な動機です。

 メーカー、あるいは卸問屋のセールスマンが、小売店に売る場合は、理性
から入って感情で締めくくります。つまり、この商品をお仕入になれば儲か
るとか、売れるとか、理性に訴えて説得するのが普通です。そして、商談の
最後に、「あなたのお店の力ならば十分に売れます」というふうにして、感
情に訴えます。「今、メーカーでは、生産が追いつかないほど注文が殺到し
ている商品です。お近くの○○商店でも、お客様のご希望で大量にお仕入に
なりました」といった具合です。

 ところが、一般消費者の場合は、そうではありません。まず、感情から入
って理性で締めくくるように訴えます。

 たとえば、食料品ならおいしいとか、洋品ならば、よく似合うとか、まず、
感情に訴えます。そして、それは、これこれの理由があると、理性で判断さ
せるようにします。「今、お召しのお洋服にぴったりのネクタイです。これ
だけの艶は、国産ではなかなかないものです。ご勉強いたしておきます」と
いうわけです。

 こういう二つの購買動機をつかんでおきますと、商談は、うまくいきます。
これは、どんな業種でも認められている原則です。

 H・ジョンソンによれば、人間が行動を起こす場合には、必ず動機がある、
といっています。

 この動機は、何によって起こるか、といいますと、普通、さまざまな刺激
によって誘発される興味によって起こります。興味から動機づけられ、行動
に移されて、販売なら販売・購買なら購買という行動が起こされる、という
のです。そして、行動によって満足が得られると、次に満足自体が新しい興
味を起こします。より大きな興味は、より大きい動機となっていく、とジョ
ンソンは、説明しています。

3.72%を発掘
 セールスというのは、この興味に、さまざまな刺激を与える行動にほかな
りません。

 心理学の教えによりますと、元来、人間が自分の欲望を、はっきり自覚し
ている場合(有効需要)と、欲望を漠然としか自覚していない場合(潜在需
要)との比率は、28%対72%といわれています。セールスマンは、もっと
もっと自信を持ってよいのです。

 たとえば、奨励金をつけたり、歩合をあげる、というのも、みんなセール
スマンのための刺激剤です。興味を刺激した結果、やろうという動機が起き、
行動に表れていくのです。

 この心理学の知識を、実際に応用するには、「低・賞・感・微」の四字に
尽きます。お経の文句のような言葉が出てきて恐縮ですが、これは、あらゆ
る人間関係を円滑にする秘訣です。

低・賞・感・微とは、次の四つの頭言葉です。
●低姿勢
 弱い犬はほえる、という諺のとおり、実力のある人間は、威張らない、高
ぶらないものです。お辞儀にしても、相手よりおそくあげます。さげるとき
よりも、あげるときのスピードをおそくしたほうがよいのです。
●ほめ言葉
 お世辞や、お追従ではなく、よいところをほめるのです。
●感謝の言葉
 商売の五大用語といわれる「ありがとうございます」「かしこまりました」
「おそれいります」「あいすみません」「おまたせいたしました」が、最初の
言葉です。
●微笑
 微笑は、われわれ日本人は、人の前で白い歯を見せるな、と伝統的にしつ
けられてきたせいか、あまり得意ではありません。しかし、微笑は、販売を
促進する不思議な技法の一つです。

4.販売を成功させる条件
 完全に販売を成功させるためには、話術以前に注意すべきことがあります。
それは、次の五つです。
●できることからやる
 明らかに不可能なことから始めると、失敗します。
●一時に一事をやる
 あれもこれも一時にやるのは、効果がありません。
●にこにこしながらやる
●ほめながらやる
●感謝をしながらやる

 そして、人間行動の基本的心理がジョンソンサークル興味→動機→行動→
満足のように動くものだということを、はっきりとわきまえていれば、いつ、
どこで、誰と取引しても、必ず成功します。こうした人間行動の基本的心理
を忘れてはなりません。 

 得意先の開拓は、もちろんのこと、より多く買ってもらう法、あるいはよ
り長く付き合ってもらう法、取引だけでなく、同僚との関係でも、または部
下の教育でも、上司との連絡強調でも、もっといえば奥さんの操縦でも、自
由自在にいくのです。

5.購買心理の八つの段階
もう一つ、繁栄をもたらすよび知識として、購買心理の八段階について説明
します。

それは、注意→興味→連想→欲望→比較選択→確認→決定→満足という段階
で、商談の最中に、今、顧客の購買決定への心がどの辺まで動いているか、
ということを見ることが必要です。

 これを外販セールスにあてはめますと、
●注意……計画を立てる(身だしなみ、事前の情報収集)
●興味……アプローチする(アプローチ話法、相手のニーズをつかむ)
●連想……説明する(商品提示、イメージアップにつなげる)
●欲望……説得する(セリングポイントを明確にし、相手の立場で話をする)
●比較選択……納得する(ベネフィットポイントを明確に、コンサルティング
            セールスをする)
●確認……クロージングする(クロージング話法、TOPの判断)
●決定……サービスを受ける(アフターサービスの説明、クレーム処理の体制)
●満足……満足を持続する(固定客づくり、顧客のニーズを再びつかむ)
となります。これは、店内セールスも大差はありません。
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●閑話休題「労働分配率」

 最近、労働分配率が話題になっています。それは、現在の低賃金に対する
対する対策の一因として取上げられてきたものと思います。

 どんなに高い賃金を支払っても、それを吸収できる生産性が上げられれば
問題はありません。そこで、人件費の上昇と生産性の上昇とのバランスを見
るためのよい指標が労働分配率という比率です。

 労働分配率とは、企業の生みだした付加価値に対する人件費の比率です。
労働分配率は、次式で算出されます。
労働分配率=(総人件費÷付加価値)×100
総人件費=役員報酬給料手当福利厚生費+賄費
        付加価値=売上高売上原価
            =生産高(売上高)-仕入材料+外注加工費

 労働分配率が高い場合は、人件費が大きいのか、付加価値が小さいのか、
あるいは、その逆かのいずれかです。一般に、労働分配率は、40~60%
の間が多く、60%を超えると、営業利益がたいてい欠損になっています。

 付加価値とは、企業が製品、またはサービスを売って得た売上高から、
材料費、外注加工費などの外部購入費用を差引いたものです。したがっ
て、どんなに売上高を増大させても、外部の支払が多くなれば、付加価値
が大きいとはいえないのです。また、付加価値は、限界利益と同じです。

 この付加価値は、人件費や諸経費、および利益に配分されます。人件費に
配分されることを労働分配率といい、諸経費や利益に配分されることを資本
分配率といいます。

 付加価値の考え方から、生産性を向上させるには、次の対策が不可欠にな
ります。
1.付加価値の割合を大きくすること
  ●新製品を開発すること
  ●引き合う仕事をみつける
  ●原材料や外注加工費の削減
2.付加価値のなかに占める利益の割合を多くすること
  ●労働を有効に活用するための目標管理の実践
  ●諸経費の節約

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