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資金調達における種類株式の有効利用

■Vol.38(通算 Vol.173) 2008-6-11 毎週水曜日配信        
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□□■    経営に生かせる人事労務・法律の知識 
■■■  ― 経営者、起業準備の方必見です!―
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■■■    「資金調達における種類株式の有効利用」
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■■■   週刊(毎週水曜日発行)
□□■             http://www.o-bamc.com
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皆さん、こんにちは!公認会計士の富田です。

今回は、資金調達における種類株式の有効利用について、一例をご紹介しま
しょう。


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     「資金調達における種類株式の有効利用」
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DES、すなわちデット・エクイティ・スワップは皆さんもよくご存じかと
思います。これは、債権者が債務者である会社を支援するために、貸付金を
株式に転換する手法です。
その際に債務者支援と債権者の利益確保との双方にメリットのある手法とし
てDESは数多くの会社で実施されてきています。このDES実施の局面で
種類株式である優先株式が数多く利用されています。

上場会社などでは、債務が多く自己資本比率が低い(負債/純資産比率が高
い)場合、株価が低迷し、資金調達のためにより多くの普通株式を発行しな
ければならなくなります。
そのため、既存の普通株主からしますと、議決権比率の低下、株式価値の希
薄化が懸念されるため、新たな普通株式の発行による資金調達は、なかなか
これを実現することが難しくなります。

そこで、このように株価が低迷し財務的に苦しい会社は、普通株式ではなく
議決権のない取得条項付優先株式によるエクイティ調達をすることで、既存
株主の利益を確保しつつ資金調達をすることが可能となるのです。
この優先株式は、単に議決権が付与されていないと言うだけではなく、ほと
んどの場合取得条項が付されています。
この取得条項を付す意味は、エクイティ調達後に会社の財務状況が改善し、
キャッシュ・ポジションに余裕が出て優先株式の償還余力ができたら、会社
の意思で優先株式を償還する権利を会社に留保しておくことで、優先株式
永久に残ることを避けて普通株主の株式価値を希薄化させないようにするこ
とにあります。

これからもこのような株式と借入金との双方の性格を併せ持つ優先株式は、
これからも有効な資金調達手段として多く利用されるでしょう。皆さんも、
知識の片隅に置いておいていただければよいかと思います。

それではまた、富田でした。


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