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■行政書士津留信康の『身近な法務サポートマガジン』<第132号/2008/9/15>■
1.はじめに
~「平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集」のご案内
2.「会社法務編/中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(76)」
3.「市民法務編/ビジネスに役立つ“民法”の基礎(59)」
4.編集後記
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1.はじめに
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こんにちは。行政書士の津留信康です。
最近、業務上の必要性から、
「リーガル・カウンセリング」について、少しずつ勉強しています。
「カウンセリング」や「カウンセラー」なら聞いたことはあるけど、
「リーガル・カウンセリング」って・・・?という方が多いのかもしれませんが、
ご興味のある方は、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_9a94.html
それでは、今回も、どうぞ最後までおつきあいください。
★「平成20年度行政書士試験」の受験申込期間も終了し、
いよいよ本番まで2ヵ月足らずとなりました。
2008/11/9(日)の本番に向けての総仕上げには、
私も執筆に参加した、
「平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集(TAC出版)」
が最適ですので、どうぞご活用ください!!
本試験型の模擬試験全3回から構成された同問題集は、
重要論点を網羅し、解説も充実しています。
※1)平成20年度行政書士試験の概要
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_246a_1.html
※2)平成20年度版・ラストスパート行政書士直前予想問題集のご購入は、
こちらが便利ですので、どうぞご利用ください。
http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/20_ad8d.html
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2.「会社法務編―中小企業・ベンチャー経営者&
起業予定者のための“会社法”等のポイント(76)」
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★本稿では、「平成20年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
“会社法”等に関する理解を深めていただいておりますが、
第2回は、「株式会社の設立の登記」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■株式会社の設立の登記に関する次の記述のうち、
正しいものはどれか(午後―第34問)。
1.設立しようとする株式会社と本店の所在場所が同一であり、
かつ、同一の商号の登記がされている株式会社が、
その商号を変更していたにもかかわらず、
当該商号の変更の登記をしないときは、
設立しようとする株式会社の発起人は、
申請書に、当該商号の登記に係る本店の所在場所において、
同一の商号を使用しようとする者であることを証する書面を添付して、
当該商号の登記の抹消を申請することができる。
□正解: ○
□解説
本肢は、商業登記法第33条第1項第3号・第2項の規定に沿った内容です。
2.設立しようとする株式会社と本店の所在場所が同一であり、
かつ、同一の商号の登記がされている株式会社がある場合であっても、
当該株式会社が、裁判所による破産手続き開始の決定を受け、
かつ、その旨の登記がされているときは、
当該設立しようとする株式会社の設立の登記を申請することができる。
□正解: ×
□解説
本肢のような場合には、
株式会社の設立登記を申請することはできません(商業登記法第27条)。
<ご参考になれば・・・>
倒産とは?・・・
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_15ae.html
3.株式会社が設立の登記をする場合において、
その定款に設立費用に係る定めがあるときは、
当該登記の申請書に記載する資本金の額は、
当該株式会社に対して払込みまたは給付のあった額から
当該設立費用の額を減じて得た額を基準として計算した額
としなければならない。
□正解: ×
□解説
株式会社の負担する設立に関する費用(会社法第28条第4号)について、
本肢のような資本金額の算定は、できません(同法第445条第1項・第2項、
会社計算規則第74条第1項・附則第11条第5号)。
4.株式会社の設立の登記の申請書に、
当該株式会社に対する払込みを証する書面として添付すべき預金通帳の写しは、
その記載された入出金の履歴から、
払込金額に相当する額が口座に入金された事実
を確認することができるだけでは足りず、
払込期日または登記申請日において、
その口座に払込金額相当額の残高があることを確認することができるもの
でなければならない。
□正解: ×
□解説
株式会社の設立登記の申請書に添付すべき、
当該株式会社に対する払込みを証する書面とは、
発起設立の場合、
「払込金受入証明書(後述の先例別紙1)」のほか、
「設立時代表取締役又は設立時代表執行役の作成に係る
払込取扱機関に払い込まれた金額を証明する書面に、
払込取扱機関における口座の預金通帳の写し等を合てつしたもの」
が該当します(商業登記法第47条第2項第5号、※先例P8~9)。
なお、募集設立の場合には、従来どおり、
「払込取扱機関の払込金の保管に関する証明書」が必要ですすが、
これまでの様式に加え、
「株式払込金保管証明書(後述の先例別紙2)」も該当します(※同上先例)。
※)会社法の施行に伴う商業登記事務の取り扱いについて(法務省)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji108.html
5.公告方法を電子公告とする旨の定款の定め
のある株式会社の設立の登記においては、
決算公告の内容を掲載するウェッブページのアドレスを、
決算公告以外の内容を掲載するウェッブページのアドレスとは別に
登記することができる。
□正解: ○
□解説
本肢は、会社法第440条第1項・第911条第3項第29号イ、
会社法施行規則第220条第2項の規定に沿った内容です。
<ご参考になれば・・・>
決算公告(J-Net21)・・・
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/2007/03/q535.html
電子公告(同上)・・・
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/2007/03/q536.html
電子公告制度(法務省)・・・
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji81.html
決算公告のすすめ(国立印刷局)・・・
http://kanpou.npb.go.jp/images/s_guide.pdf
★仕事柄、「会社を設立した後は、
商業登記の申請は、できるだけ自分でやりたいんだけど・・・」
とのご相談を受けることも少なくありません。
もちろん、複雑な案件の時には、
登記のご専門家・司法書士さんへのご相談がベストですが、
比較的シンプルな案件であれば・・・。
詳しくは、こちら(※)をご覧ください。
※)
http://m-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_ee6b.html
★次号(2008/10/1発行予定の第133号)では、
「特例有限会社の登記」について、ご紹介する予定です。
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3.「市民法務編―ビジネスに役立つ“民法”の基礎(59)」
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★本稿では、「平成20年度司法書士試験問題」の解説を通じて、
民法各編についての理解を深めていただいておりますが、
第2回目は「遺留分」に関する問題です。
※)便宜上、問題文・設問肢の内容を一部変更している場合がありますので、
ご了承ください。
■遺留分に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、各肢に記載された者以外に、
相続人になるべき者はいないものとする(午前―第24問)。
1.被相続人Aに、妻BおよびAの兄Cがいる場合に、
AがBに対し全財産を遺贈したときは、Cは、
相続財産の2分の1に相続分の4分の1を乗じた相続財産の8分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができる。
□正解: ×
□解説
遺留分を有する者は、兄弟姉妹以外の相続人です(民法第1028条)。
よって、被相続人Aの兄Cは、遺留分を有さず、
Bに対し遺留分減殺請求をすることはできません。
2.被相続人Aに、妻Bと既に死亡している子Cの子Dがいる場合に、
AがBに対し全財産を遺贈したときは、Dは、
相続財産の2分の1に相続分の2分の1を乗じた相続財産の4分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができる。
□正解: ○
□解説
本肢は、民法第1028条第2号・第1044条(第887条第2項を準用)
の規定に沿った内容です。
<参考>遺留分減殺による物件返還請求調停(裁判所HP)
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_07_13.html
3.被相続人Aに、妻Bと相続欠格者である子Cおよびその子Dがいる場合に、
AがBに対し全財産を遺贈したときは、Dは、
相続財産の2分の1に相続分の2分の1を乗じた相続財産の4分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができる。
□正解: ○
□解説
肢2の解説をご参照ください。
4.被相続人Aに、妻B、嫡出子であるCおよびDがいる場合に、
AがBに対し全財産を遺贈したが、
Cが、Aの生前に家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄していたときは、Dは、
相続財産の2分の1に相続分の2分の1を乗じた相続財産の4分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができる。
□正解: ×
□解説
共同相続人の1人のした遺留分を放棄は、
他の共同相続人の遺留分に影響を及ぼしません(民法第1043条第2項)。
つまり、Cが、Aの生前に、家庭裁判所の許可を得て、
遺留分を放棄していた(同法同条第1項)としても、
Dの遺留分が、その割合に応じて、増加するわけではありません。
よって、Dは、
相続財産の2分の1に相続分の4分の1を乗じた相続財産の8分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができます(同法第1028条第2号、
第1044条/第900条第1号・第4号本文を準用)。
<参考>遺留分放棄の許可(裁判所HP)
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui/kazi/kazi_06_26.html
5.被相続人Aに、妻B、子C、子Cの子DおよびAの父Eがいる場合に、
AがBに対し全財産を遺贈したが、
CがAの死亡後に相続放棄をしたときは、Eは、
相続財産の2分の1に相続分の3分の1を乗じた相続財産の6分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができる。
□正解: ○
□解説
本肢のような場合、
Cは、初めから相続人とならなかったものとみなされ(民法第939条)、
Dには、代襲相続は生じません(同法第887条第2項)。
よって、本肢における相続人は、BおよびEとなり、Eは、
相続財産の2分の1に相続分の3分の1を乗じた相続財産の6分の1について、
Bに対し遺留分減殺請求をすることができます(同法第1028条第2号、
第1044条/第900条第2号を準用)。
★最近、本問の「遺留分」に関するご相談については、
相続をする側からだけでなく、相続を受ける側からのもの
が増えているようです(本来、特定の相続人に財産を集中させることが望ましい、
事業承継や農地の相続等のケースの場合であっても・・・)。
今後、相続をする側(遺言を作成する側)としては、
個々の遺留分に十分配慮するという姿勢が、益々必要となってくるでしょう。
★次号(2008/10/1発行予定の第133号)では、
「遺言執行者が関与する登記」について、ご紹介する予定です。
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4.編集後記
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★2009年1月実施予定の「株券電子化」に向けての準備はお済みですか?
詳しくは、こちら(※)をどうぞ。
※)
http://n-tsuru.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_d931.html
■第132号は、いかがでしたか?
次号(第133号)は、2008/10/1発行予定です。
■編集責任者:行政書士 津留信康
□津留行政書士事務所
http://www.n-tsuru.com
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