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退職するからといって、先行有給休暇の取り返しはできない。



2009年10月28日号 (no. 389)
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http://www.soumunomori.com/profile/uid-20903/





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---3分労働ぷちコラム-------------
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本日のテーマ【退職するからといって、先行有給休暇の取り返しはできない】
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■病気欠勤に先行付与の休暇を割り当てる。


病気で欠勤するときには、通常の欠勤ではなく有給休暇を割り当てて欠勤控除を回避するという手段がよく用いられますよね。

そのまま欠勤してしまうと給与も支払われないし、欠勤評価になってしまうから、それならば有給休暇を割り当ててフォローしようというわけです。

このような処理はよく行われていますから、ご存知の方も多いはず。


では、病気欠勤の多い人がいて、手持ちの有給休暇(法定付与分の休暇)ではカバーできなかったとき、会社が先行的に有給休暇を付与(将来の休暇を先取りすること)して、病欠と休暇を相殺している環境を考えてみましょう。

つまり、まだ1年10ヶ月しか勤務していないけれども、2年6ヶ月時点で付与される12日分の休暇を、1年10ヶ月の時点で使い始めるようなものですね。

法定の条件は満たしていないけれども、会社の判断で先行的に休暇を付与して、その休暇を病欠に割り当てていくという仕組みです。


そこで、先行付与の休暇を使ってしまっている病気がちの社員さんが退職するとなったら、どうするのでしょうか。

例えば、勤続2年の時点で、「6ヶ月で10日の休暇」、「1年6ヶ月で11日の休暇」、「2年6ヶ月で12日の休暇」を全て使い切っている(相当に病気に弱い人ですけれども)として、その段階で退職すると、12日分の休暇を余分に渡したまま退職することになりそうですよね。


休暇はすでに消化されたものですから、取り戻すことはできないのか、

それとも、

未払いの給与から控除することができるのか。

どちらでしょうか。






退職するから返してとは言えない。


私は「取り戻すことができない」という立場を取ります。

なぜならば、先行付与の休暇は不当利得ではないからです。


おそらく、先行の休暇分を未払いの給与から控除できると判断する人は、不当利得でアプローチするのではないでしょうか。

不当利得とは、「法律上の原因が無く利益が移転し、一方が損をして、もう一方が得をしている」という構図が出来上がっていることが構成要件です。


では、今回の先行付与の休暇では不当利得が成立しているかというと、成立しません。

まず、利益が移転していることは正しいです。ただ、法律上の原因がないかというと、これはあります。つまり、会社は納得の上で先行的に有給休暇を付与して病欠相殺させているのですから、キチンと因果関係のある利益の移転です。

しかも、この利益の移転は会社が主導して行っていますから、会社が不当を主張するような立場にはないのですね。先行的に休暇を付与するかどうかを決めるのは社員ではなく、会社ですから。

ゆえに、会社は損をしていると主張することはできず、不当利得は成立しないという結論になります。別の言い方をすれば、「自分たちで損を招いているのだから、自分たちで負担せよ」とも言えます。


一般的感覚から判断しても、会社から進んで先行的に有給休暇を付与していたのですから、後になって退職するなら先行休暇分を控除するというわけにはいかないですよね。


後からは取り返せないということを知った上で、先行的に休暇を付与する必要があります。




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カードを使わないタイムカード Clockperiod のご紹介です。


タイムカードを使うときに負担なのは、専用の打刻機を用意しなければいけないし、
新しい紙のカードを毎月作らないといけない。さらに、カードを見ながら、電卓や
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そんな悩みをどうやって解決するか。

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Clockperiod は、紙のカードと打刻機を使わない電子タイムカードですから、
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の作業は随分とラクになるはず。

Clockperiodは、出退勤の時刻をタイムカード無しで記録できます。タイムカード
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残業で悩んでいませんか?

「長時間の残業が続いている」
残業代の支払いが多い」
「残業が減らない」

こういう悩み、よくありますよね。

ニュースでも未払い残業代の話題がチラホラと出てくるぐらい、残業に対する関心は高くなっています。

法律では、1日に8時間まで、1週間では40時間までしか仕事ができません。その水準を超えてしまうと、残業となり、割増賃金が必要になります。

とはいえ、1日で8時間と固定されていると不便だと感じませんか? 1週間で40時間と固定されていると不便だと感じませんか?


毎日8時間の時間制限があると、柔軟に勤務時間を配分できませんよね。

例えば、月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務というわけにはいかない。

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でも、実は、「月曜日は6時間の勤務にする代わりに、土曜日を10時間勤務にして、平均して8時間勤務なので、残業は無し」こんなことができる仕組みがあるんです。

「えっ!? そんな仕組みがあるの?」と思った方は、ぜひ『残業管理のアメと罠』を読んでみてください。


『残業管理のアメと罠』
http://www.growthwk.com/entry/2012/05/22/162343?utm_source=soumu&utm_medium=cm&utm_campaign=soumu_cm20160308HT



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