◆事例:出張先での交通機関マヒによる足止め。
社員が出張から戻る際に大雪による交通機関ストップに遭遇し、最寄りのホ
テルに滞在しています。このような日は労働日とすべきなのか、あるいは
休日
や休暇とした方がよいのでしょうか。
◇回答----------------------------------------------------------------
事例の場合は天災であることから、不可抗力による休業としてお互い不利に
ならないような取り扱いをすべきです。もちろんこのような場合も想定して就
業規則を整備しておけばベターです。
なお、有給とする場合は本人から自発的に申し出があったのなら一向に構い
ませんが、会社から提案したような場合は本人が断りずらい環境に置かれてい
るため、後になって問題が残ることがあります。
■解説----------------------------------------------------------------
天気予報で大雪や台風が来ることがわかっていても中止や延期ができないこ
とがあります。予想以上の荒天に見舞われると出先で足止めをくらい、ただ1
日中じっと待つなんてこともよくあります。その間、
従業員は帰社したくても
できず、会社としては穴があいてしまいます。
こういう場合の取り扱いは難しいものがあります。
従業員サイドからすれば、
不就労ではあるが自分の
責に帰すものではないので
賃金カットは困る、会社か
らすれば、出張中に発生した
休業とはいえ
休業手当の対象とするのはおかしい、
等々の思いがあります。
よくある方法として、急遽
有給休暇として処理することがありますが、本人
自ら申し出た場合は別として、会社から申し入れするのは避けた方がよいと考
えます。こういう切羽詰まった状況では
従業員は会社の申し入れを断ることは
なかなかできないからです。後になって落ち着いてから「あの時はテンパって
いて本意ではなかった」などと、トラブルのタネになる恐れがあります。
原因が不可抗力であることは、
従業員、会社のいずれにも落ち度がないとい
うことになります。基準法にはこのような場合の定めはありませんが、
民法第
536条第1項に「当事者双方の責に帰さない事由による
債務の不
履行」という条
文があり、この例により「労使双方の
責に帰すべからざる休業」として取り扱
うことができます。
結果として、不就労となった日の
賃金は支払わなくても問題はありませんが、
延泊したような場合の宿泊費程度は補填した方がよいでしょう。また、
出勤率
等の
算定に当たっては不利にならないような取り扱いも必要です。
ある程度の規模の会社では「就業扱い」としてチャラとしているケースが多
いですが、できれば
就業規則に「不可抗力による
無事故扱い」等の定めを設け
、事前に明確に定めておくことをお奨めします。
天災は何があるかも知れません。地震、カミナリ、火事、オヤジという言い
回しもありましたね。オヤジはとうの昔に吹っ飛んでますが。
なお、最近は少ないですが不可抗力としては交通ストによる場合も同様の考
え方が当てはまります。
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社員が出張から戻る際に大雪による交通機関ストップに遭遇し、最寄りのホ
テルに滞在しています。このような日は労働日とすべきなのか、あるいは休日
や休暇とした方がよいのでしょうか。
◇回答----------------------------------------------------------------
事例の場合は天災であることから、不可抗力による休業としてお互い不利に
ならないような取り扱いをすべきです。もちろんこのような場合も想定して就
業規則を整備しておけばベターです。
なお、有給とする場合は本人から自発的に申し出があったのなら一向に構い
ませんが、会社から提案したような場合は本人が断りずらい環境に置かれてい
るため、後になって問題が残ることがあります。
■解説----------------------------------------------------------------
天気予報で大雪や台風が来ることがわかっていても中止や延期ができないこ
とがあります。予想以上の荒天に見舞われると出先で足止めをくらい、ただ1
日中じっと待つなんてこともよくあります。その間、従業員は帰社したくても
できず、会社としては穴があいてしまいます。
こういう場合の取り扱いは難しいものがあります。従業員サイドからすれば、
不就労ではあるが自分の責に帰すものではないので賃金カットは困る、会社か
らすれば、出張中に発生した休業とはいえ休業手当の対象とするのはおかしい、
等々の思いがあります。
よくある方法として、急遽有給休暇として処理することがありますが、本人
自ら申し出た場合は別として、会社から申し入れするのは避けた方がよいと考
えます。こういう切羽詰まった状況では従業員は会社の申し入れを断ることは
なかなかできないからです。後になって落ち着いてから「あの時はテンパって
いて本意ではなかった」などと、トラブルのタネになる恐れがあります。
原因が不可抗力であることは、従業員、会社のいずれにも落ち度がないとい
うことになります。基準法にはこのような場合の定めはありませんが、民法第
536条第1項に「当事者双方の責に帰さない事由による債務の不履行」という条
文があり、この例により「労使双方の責に帰すべからざる休業」として取り扱
うことができます。
結果として、不就労となった日の賃金は支払わなくても問題はありませんが、
延泊したような場合の宿泊費程度は補填した方がよいでしょう。また、出勤率
等の算定に当たっては不利にならないような取り扱いも必要です。
ある程度の規模の会社では「就業扱い」としてチャラとしているケースが多
いですが、できれば就業規則に「不可抗力による無事故扱い」等の定めを設け
、事前に明確に定めておくことをお奨めします。
天災は何があるかも知れません。地震、カミナリ、火事、オヤジという言い
回しもありましたね。オヤジはとうの昔に吹っ飛んでますが。
なお、最近は少ないですが不可抗力としては交通ストによる場合も同様の考
え方が当てはまります。
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