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就業規則作成講座(54)~母性保護、両立支援(1)

◆両立支援策が整備されてきた

育児や介護を続けながら働く人が増えており、法制も徐々に整備されています。これには次の通り、母性保護措置と両立支援策があります。
1)母性保護措置:女性対象
2)両立支援策:男女ともに対象、育児・介護労働者への支援


◆母性保護措置

母性保護措置には次のようなものがあります。

1)妊産婦の時間外等の制限
・時間外・休日・深夜業の禁止
変形労働時間制の適用制限
2)妊産婦の就業制限
・軽易な労働への転換
坑内労働危険有害業務の禁止
3)妊産婦の保健指導等
・保健指導・健診時間の確保
・保健指導事項遵守のための勤務時間変更
4)産前産後休業
産前6週間(多胎妊娠14週間)、産後8週間
5)生理休暇
6)育児時間
1歳未満・1日2回各30分、1日の労働時間が4時間以内の場合は、1日1回


◆両立支援策

両立支援策には、次のようなものがあります。

【育児】
1)育児休業(子が1歳(一定の場合は1歳6ヶ月)に達するまで
2)育児休業を取得しない従業員への時短等の措置
短時間勤務の制度
フレックスタイム制
・始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
・所定外労働をさせない制度
・託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与
3)1歳から3歳までの子を養育する従業員に対する、育児休業に準ずる措置または時短措置
4)3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員に対する、育児休業に準ずる措置または時短措置(努力義務)
5)小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員に対する時間外労働制限・深夜業禁止※(ただし深夜業制限は適用)
6)小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員に対する看護休暇

【介護】
1)介護休業(93日まで)
2)介護休業を取得しない従業員への時短等の措置
3)時間外労働制限・深夜業禁止※(ただし深夜業制限は適用)
4)介護休業に準ずる措置(努力義務)

なお、改正育児・介護休業法が2010年7月1日までに施行されます。
主な内容は次の通りです。

育児休業
1.父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2カ月までの間に、1年間、育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)

2.妻の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする

3.配偶者が専業主婦(夫)等であっても、育児休業を取得できる

子の看護休暇の取得可能日数
4.小学校就学前の子が、1人であれば労働者1人当たり年5日、2人以上であれば労働者1人当たり年10日

■育児のための勤務時間短縮等の措置
5.事業主は、3歳までの子を養育する労働者が請求した場合、所定外労働を免除しなければならない(新設、一部適用除外あり)

6.事業主は、3歳までの子を養育する労働者が利用できる、所定労働時間の短縮措置を講じなければならない(新設)

■介護のための短期の休暇制度
7.労働者が申し出ることにより、要介護状態の対象家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日、介護休暇を取得できる(新設)

これらの施行日は、「改正法の公布日(平成21年7月1日)から1年以内の政令で定める日」とされています。

ただし、5~6に関しては常時雇用者100人以下の事業主及びその雇用される労働者については、公布日から3年以内の政令で定める日となっています。

また、紛争解決に関しては一部、9月30日から施行されています。

1)紛争解決援助の対象
育児休業制度
介護休業制度
子の看護休暇制度
時間外労働の制限
・深夜業の制限
勤務時間の短縮等の措置
育児休業等を理由とする不利益取扱い
労働者の配置に関する配慮

2)都道府県労働局長による援助(助言・指導・勧告)
2009年9月30日から

紛争の当事者である男女労働者及び事業主から申し出があった場合、雇用均等室が労働者と会社双方から、話を聞き、問題解決に必要な助言などの援助を行う。

3)調停
2010年4月1日から

1.紛争当事者が雇用均等室に調停申請書を提出
2.調停委員労働者と会社双方から話を聞き、紛争解決の方法として調停案を作成し、当時者双方に勧告


◆ワークライフバランスへの配慮

ワークライフバランス、つまり「仕事と生活の調和」という考えが、近年注目を集めています。
その背景には少子高齢化、育児・介護と仕事の両立を図る人の増加、男女共同参画社会の推進、働く人の価値観の多様化、さらには長時間労働とそれに伴う心身の健康障害などが上げられます。
両立支援を進め、仕事と生活の調和を図ることは、企業の社会的責任となっていると言っていいでしょう。
2008年3月1日施行の労働契約法第3条第3項には「労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする」と定め、労働契約とワークライフバランスの関係を定義しています。

会社がワークライフバランスを推進するのは、社会的要請というだけではありません。
少子高齢化の中、人材確保という面でもワークライフバランスの推進は、重要な人事戦略となっています。
たとえば、第一線で働いている女性社員が、育児のために退職してしまった場合、戦力ダウン、採用・教育コストなど、会社の損失は小さくありません。

このような観点からも、会社は両立支援策を積極的に推進すべきと言えるでしょう。

HRM就業規則サポートセンター
http://www.hrm-solution.jp/index.htm

HRM賃金サポートセンター
http://www.hrm-consul.com/index.html


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