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初めて作る就業規則に住宅手当の記述は必要ですか

最終更新日:2006年04月01日 11:57

従業員はパートを含めて5人の事業所です。これまで就業規則はなかったのですが、作った方がよいと言われて検討しています。
住宅手当というのをこれまで払っていなかったのですが、規則には、この記述と金額が必要なのでしょうか? 払うことにすると、給料の額を変えるのは難しいので、基本給を変えてしまわなければいけないことになってしまって、それではまずいように思うのですが。住宅手当は払わなければいけないものなのでしょうか。

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Re: 初めて作る就業規則に住宅手当の記述は必要ですか

> 住宅手当というのをこれまで払っていなかったのですが、規則には、この記述と金額が必要なのでしょうか?(中略)住宅手当は払わなければいけないものなのでしょうか。

 お答えします。

国籍・信条・社会的身分あるいは男女による差別的取り扱いの禁止(労働基準法第3条・第4条、男女雇用機会均等法
出来高払制の保障給労働基準法第27条)、最低賃金労働基準法第28条及び最低賃金法)

 以上のような法律に反しない限り、支給する給与の支給項目(及びその額)は、使用者労働者の自由な契約に任されています(=契約自由の原則)。

 そこで、もっとも単純な給与の支給項目としては、
基本給所定労働時間の労働に対する賃金月給日給・時間給など。)
・時間外手当(法定労働時間を超える労働に対する賃金時間外労働手当、深夜労働手当、休日労働手当)
の2つになります。

 この2種類以外のものを支給するかどうかは法律による拘束はなく、それぞれの使用者労働者契約(及び就業規則)の取り決めにより自由に決定できます。

 ただし、これまで就業規則がなくても、賃金を含めた労働契約は存在しています(雇用契約は口約束でも成立する=諾性契約)ので、その労働条件を不利益に変更(今回の場合で言えば、給与の減額やこれまで支給していた手当の廃止等)することは、原則としてできませんので、その点は注意をしてください。(ただし、賃金退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合には、その効力が認められます。(判例より))

 この点に関しては、労働時間や給与の支給要件といった、これまでの労働条件を変更することなく、忠実にその労働条件就業規則に明記するということであれば、それほど神経質になる必要はありませんが、不安な場合は、社会保険労務士労働基準監督署に相談された方がよいでしょう。

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○補足説明

 就業規則に記載すべき事項は、労働基準法第89条に示されています。(下記参照)

 賃金に関する限っていいますと、どの事業所でも、必ず記載しなければならないのは、「賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項」」(下記1)です。

 その他、その事業所に決まりがある場合には必ず記載しなければならないのは、「退職金」(下記3の2)、「臨時の賃金最低賃金額」(下記4)、「従業員に負担させる食費などに関する事項」(下記5)です。つまり、このようなものがない場合は、記載する必要はありません。

労働基準法第89条(作成及び届出の義務)
 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
 1.始業及び終業の時刻、休憩時間休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
 2.賃金臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
 3.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
 3の2.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
 4.臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項
 5.労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項
 6.安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項
 7.職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項
 8.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項
 9.表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項
 10.前各号に掲げるもののほか、当該事業場労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項

ご返事が遅くなりまして(^_^)/~

懇切なご回答、誠に有り難うございました。
 忙しくしていたもので、質問していたことも忘れていました。非常に沢山のご説明がありますので、しっかり読んで理解したいと思います。

 世の中には、このように親切に教えてくださる場所があることが分かり、とても安心いたしました。

 今後とも宜しくお願い申し上げます。

       from よしっ

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