相談の広場
交替勤務者の法定休日の決め方について教えて下さい。
弊社の工場部門は一ヶ月単位の変形労働制を採用し、「出出出出ヤ出出出出ヤ出出出出ヤヤ」のサイクルで四直三交代の勤務態勢をとっています。4週間に4日以上の休日は確保されていますが、、どの休みが法定休日に当たるのかは決めていません。
ラインの整備日応援、生産増対応の稼働延長等で休日に出勤する場合がありますが、現状は全ての休日出勤を①36協定の時間外勤務にカウントし、②割増賃金は休日出勤として35%の割増賃金を支払っています。
今後、法定休日と法定外休日を区別して、36協定・割増賃金もそれぞれ見合った対応をとりたいと考えています。そのため、法定休日をどのように定めれば良いのでしょうか。(それ以外の休日は法定外休日となります)
ご教示、よろしくお願いします。
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法定休日を事前特定するのかしないのかで、かわってきます。
現況が次のとおりで、規定を変更をしない、という前提でお答えします。
・週休制(週最低1休日)で、起算曜日を決めてないか、日曜日としている
・法定休日の曜日特定等を事前にしていない
・いずれの休日労働も135%割増し賃金を支払っている。
この場合は、週の最後の休日を法定休日とします。この日に働きに出れば、法定休日労働で、36協定上の時間外労働時数にカウントしません。
変形週休制(4週最低4休日)の場合は、就業規則等で、4週の起算日を特定しておく必要があります。暦月と同一ではありません。カレンダーを見ながら区切れば、年は13サイクル(+1日)あります。暦月でする1か月単位の変形労働時間制とはずれていって当然です。変形労働制のほうを、4週で回すことも可能です(この場合は変形週休制と同期します)。
その4週枠で最後から数えた4休日が、法定休日となります。そのうち、働きに出てきた日は、法定休日労働となり、36協定上の時間外労働時数にカウントしません。
そのかわり36協定で、月当たりの休日労働回数を、協定していることと思いますが、上に見た法定休日労働させられるかの、制限となります。
追補です。
御社のある月(31日、木曜始まり)の勤務パターンで例示します。
出出出/1
出ヤ出出出出ヤ/2
出出出出ヤヤ出/3
出出出ヤ出出出/4
出ヤ出出出出ヤ/5
第1週の法定休日は、前月最終にきた2連休(休休)の2日目がそれに当たります。
第4週は休日が1日しかないので、その日が法定休日です。
第2、3、5週は、2休あるうち2日目が法定休日です。その月が30日しかなく、最後の休み(31日土曜)が翌月1日(土曜)となっても、法定休日です。このように月に左右されず、週枠で判断します。
変形週休制にしても同様です。4週の最後が、仮に20日(火曜)に来るとすれば、この月20日までの4休すべてが法定休日、前月後半の同一4週内休日は、法定外休日となります。
以上が、いずれの休日労働において135%以上の割増賃金を支払う、という前提での、法定休日の把握となります。
勘違いされないために付け加えると、休日労働を125%以上135%に達しない割増で規定している場合は、法定休日は不定となります。
すなわち「最後」というキーワードが消え、その週やすめた休日が確保されれば、その週の法定休日は満たされたとなります。
上の例で言えば、第4週は休日が1日しかないので、その日が法定休日です。
休日が2日ある週は、どちらか休めた日が法定休日となります。両方勤務すれば、最後の休日が休めたかもしれないので、そちらが法定休日となります。
4週の場合も同様で、数ある休みのうち、4週枠内の実際休めた休日が4コマあれば、それが法定休日となります。仮にその4週はじめからぶっとおしで休日勤務し、4週枠内でのこり休日が4日となった時点で、その4日が法定休日となり、それにもかかわらず、働いたら法定休日労働となります。これをひっくりかえして、4週のあたまから4休日休めていて、のこる休日が出勤でうまっても、それは法定「外」休日労働となります。
このように不定とすると、法定休日労働はめったに生じないことになります。
ふたたび追補その2です。
以上が法定休日の解説で、つづいて質問にお答えします。
> 今後、法定休日と法定外休日を区別して、36協定・割増賃金もそれぞれ見合った対応をとりたいと考えています。そのため、法定休日をどのように定めれば良いのでしょうか。(それ以外の休日は法定外休日となります)
法定と法定外と区分けするのは結構なのですが、法定休日労働における、36協定対応は、先にも述べた通り、月の許容回数にかかります。
> 割増賃金もそれぞれ見合った対応
これの意味するところが、
法定休日労働:割増率135%
法定外休日労働:割増率125%
ということであれば、次の2点注意が必要です。
1.いずれの休日労働においても135%払ってきたのですから、労働者側不利益変更となり、就業規則変更の手順をさだめた労働契約法にそって手続することになります。「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」(労基法1条2項)
2.先に解説した、法定休日の「特定」されていたものが、後半の解説である「不定」となります。これにより、いままでされてきたのですから影響ないでしょうが、時間外労働時間に休日労働時間が累計加算され、月の限度時間枠(たとえば45時間や60時間)に達するのが早くなります。ふつう45時間超特別条項発動回数を抑止したり、60時間超150%の割増払うくらいなら、法定休日労働にわりふられるように、事業主がソロバンはじいてきたものです。
最後に、4直3交代とのことですが、翌日0時をまたぐ勤務があるのでしょうか?各時間帯が不明ですが、休日は暦日の0時から始まる24時間継続した休みを付与せねばなりません。
最後の「出出出出ヤヤ」が、0時をまたぐ深夜番のことで、「ヤヤ」の最初のヤは、深夜勤明けのことであれば、その部分につき、休日は、最後の「ヤ」しかないことになります。
(確認ですが、最初の質問にかかれた勤務サイクルは、16日1サイクル、17日目に振出しにもどる、という理解でよろしいのでしょうか。)
返信ありがとうございます。
弊社の勤務体制について補足します。
一ヶ月単位の変形労働制は毎月11日を起算とし、翌月10日までを一期間としています。勤務のサイクルは16日単位、17日目に振り出しに戻るかたちで間違いありません。このサイクルは「③③③③ヤ②②②②ヤ①①①①ヤヤ」で、勤務時間は①8:00~16:00、②16:00~22:30、③22:30~8:00となっております。
回答の内容から、事前に確定させておかなくても4週に4日の休日(休めた日)が確保されれば、それを法定休日とすれば良いということでしょうか。勤怠管理は日々行っていくので期間の頭からの4日を優先的に法定休日にすることになると思いますが。
割増賃金135%から125%への変更は不利益変更に当たり、実際に行う場合は組合との合意が必要だということは認識しております。また休日は歴日の0時から24時間連続で与えるという点に関しては、交替連続操業の場合の特例で継続24時間の休息を与えればよいと認識しております。
> 回答の内容から、事前に確定させておかなくても4週に4日の休日(休めた日)が確保されれば、それを法定休日とすれば良いということでしょうか。勤怠管理は日々行っていくので期間の頭からの4日を優先的に法定休日にすることになると思いますが。
前段は、「前づけ」で特定してなければ、「後付け」で、どれがどうか判断することになります。現況は「最後の」がつき※、割増率低減変更後は不定の週1コマ(4週なら4コマ)となります。※ただし休めたかどうかは、不問。いずれの休日労働にも35%の割増(法定の率以上)はらえば、「休ませた」と同視されるため。
> 期間の頭からの4日を優先的に法定休日にすることになると思いますが。
優先的にしたければ、すなわち「前づけ」であることを、就業規則に明言し特定させておく必要があります。それがないのでしたら、上3段にわたり説明した回りくどい「後付け」把握となるのです。なお休日の4週期間は毎月11日始まりでないことにご留意ください。変形労働時間制は、あくまで労働時間の制度、(変形)週休制とは異にします。
前づけ:期間突入前に確定していること(要就業規則での特定)
後づけ:期間終了後に確定させること
あと、
> 交替連続操業の場合の特例で継続24時間の休息を与えればよいと認識しております。
深夜の3番方は、何時間勤務でしょうか。8時間以下であれば問題ありませんが、8時間超えるなら、休日の例外特例は使えないでしょう。
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