相談の広場
いつも、勉強させていただいています。
今回初めて投稿いたします。
ご教示よろしくお願いします。
当社では、皆勤手当と呼んでいる手当があり、
・給与計算期間内に1日まで有給休暇を取得しても皆勤手当が支給されます。
・逆に言うと、有給休暇を1.5日取得すると皆勤手当は支給されません。
・皆勤手当の支給対象者は、日給月給制の社員です。
ここで、問題なのは皆勤手当の額が12,000円とかなり高額の為、この皆勤手当が支給されるか否かでは賃金がずいぶんと変動してしまいます。
特に、所定内賃金なので残業を多くしている方は、残業単価が変動してしまうので、何が何でも有給休暇は月1日までしか取らないといぞ、という思いになります。
これが、たとえば体調が悪くても無理して出社することとなり、具合が悪くても無理するのが当たり前という風潮にもなっています。結果、社内でインフルエンザが流行したりなど。
ところで、ご教示いただきたいのは、
・そもそも有給休暇を取る回数を制限することで、賃金の変動が生ずることは労働基準法に抵触することにはならないでしょうか?
・皆勤手当は皆勤した社員への報償的な手当と考えたいのですが、現状は有給休暇を1.5日以上取得すると給料が減るという、罰則的なものになってしまっていますが、これは間違ってはいないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
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こんにちは。
現状は、労働基準法附則第136条に定める「使用者は、有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」に違反していると思われます。
皆勤手当を支給しないことは、労働者にとって「不利益な取り扱い」であり、有給休暇の取得抑制につながることから、有給休暇を何日取得したとしても、取得していない人と同様に皆勤手当を支給する必要があります。
つまり、有給休暇の取得により皆勤手当を支給しないことは、労働基準法違反になるということです。
過去の判例においても、皆勤手当等の諸手当の全部又は一部を「年休を取得して休んだ日のあること」を理由として支給しないことは不利益取扱いとして許されない。〈大瀬工業事件 横浜地裁 昭和51.3.4〉となっております。
至急、是正されることをお勧めいたします。
はじめまして
>・有給休暇を取る回数を制限することで、賃金の変動が生ずることは労働基準法に抵触することにはならないでしょうか?
これはあきらかに抵触します
> ・皆勤手当は皆勤した社員への報償的な手当と考えたいのですが、現状は有給休暇を1.5日以上取得すると給料が減るという、罰則的なものになってしまっていますが、これは間違ってはいないでしょうか?
有給休暇の取得そのものが阻害されないかぎり、有給休暇を取得することにより皆勤手当不支給ということは、個人的には有給休暇の取得の阻害以外のなにものでもないと思うのですが、最近の判例では会社側の裁量を認めています。
・練馬交通事件 東京地裁 平成16.12.27
・沼津交通事件 最高裁 平成5.6.26
こんにちは。
すでに、話が終わっていますが、年休取得による皆勤手当等の減額等の判例について、私見を書き込みたいと思います。
「練馬交通事件」「沼津交通事件」「大国自動車交通事件」「錦タクシー事件」「モデル・ハイヤー事件」等いずれも、タクシー等の運転手に対しての判例です。
その判例の中身(要件)は概ね下記の内容を理由として認めています。
・タクシー会社の収益は乗務員の営業収入に依存しているという業務の特殊性。
・営業収入に対する貢献度に応じて賞与額を決定するなど経営上の必要性がある。
・労使合意に基づく労働協約に則って運用されており、組合から異議は申し出られていない。
・固定給は減額されていない。
・年休消化率が高い。
・当番表が作成された後に乗務員が年休を取得した場合には代替要員の手配が困難。
・手当の減額が年休権行使の抑制に結びつくほどの著しい不利益を課すものではない。
まとめると、「『業務の特殊性』があり、資格・経験が必要なため代理の確保が困難。そして、実態として労使協定等で合意しており、減額が少額で年休の消化率が高いので抑制しているとは認められない。」というものです。
よって、それらの条件に当てはまらない場合は「日本シェーリング事件」「エス・ウント・エー事件」の通り、減額は無効であると考えられます。
<労働相談マニュアル>
http://www.mykomon.biz/jikan/yukyu/yukyu_kinshi.html
<(独)労働政策研究・研修機構>
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/032.htm
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