相談の広場
高年齢雇用継続給付の支給期間は給付額に応じて在職老齢年金の一部が支給停止されるということですが、併給調整の仕組みの中で「標準報酬月額」が算定要素となっていて、賃金に支給率を乗じて求める高年齢雇用継続給付と、いわゆる「モノサシ」が異なることでの疑問があります。
(設定例)
(1)60歳到達時賃金…380,000円
(2)標準報酬月額…220,000円
(3)その月の賃金…277,400円※残業代が多かったとします。
(4)年金月額…110,000円
(計算結果)
賃金の低下率=(3)÷(1)×100=73%→支給率は1.79%
高年齢雇用継続給付額=(3)×1.79%=4,965円
給付金が支給されることになるので次に併給調整を行なう。
標準報酬月額の割合=(2)÷(1)×100=57.9%→年金停止率は6%
老齢年金支給停止額=(2)×6%=13,200円
上の例から、給付金の支給額4,965円を超えて13,200円という金額が在職老齢年金から減額されることになります。
この月だけを見ればの話ですが高年齢雇用継続給付は受給しないほうが得だという判断にならないでしょうか。
どのサイトをみても毎月の賃金と標準報酬月額が連動していることが前提になっているようですが、ここで疑問なのは設例でも示しています通り、臨時の残業超過などで標準報酬月額との開きが大きい月です。
受給者側からすれば高年齢雇用継続給付額を超えて年金をカットされるなんておかしいと思います。ただ、ハローワークのしおりからもいろんな情報を検索しても併給調整の計算仕組みは支給された賃金ではなく「標準報酬額」がモノサシになっていて、給付額よりも年金停止額の方が大きくなるという逆転結果が出てくるのです。だからここはしっかり押さえておかないと社内で説明できないな、と思いました。制度上、そういうものなんだ!とわかればそのように説明するんですが、確証を得ようにも周辺に実例がなくて困っています。
自分の勉強不足もあるかもしれませんがどうも納得がいきません。同じような疑問を持たれた方いらっしゃいませんか。
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「 熊トモ さん」の計算は間違っていない、と私は思います。
例のような残業を含む賃金が常態化すれば、次回の算定基礎届で標準報酬月額が改定され年金の停止額も減額されることになると思います。支給額と停止額が逆転するということは、現実的には年に数回あるかどうかのことではないでしょうか。(実態は解りませんが・・・)
今回の高年齢雇用継続給付に関してもそうだと思いますが、在職老齢年金受給者はとにかく働きません。(全員ではないと思います。すみません!)「一生懸命いっぱい働くこと=高い給料もらうこと=年金停止額増」は損だと思っている方は少なくないようです。
今回は「残業」ということでしたが、出来高払制賃金が一般的な会社では従業員が働かなくてほんとに大変な状況のようです。
社会保険制度には結構たくさんの矛盾があるように思います。
らくだらくだらくださん
早速のご回答ありがとうございました。
> 「 熊トモ さん」の計算は間違っていない、と私は思います。
そう判断していただき、心強い限りです。おかげさまで疑問が確信へと変わりました。
> 例のような残業を含む賃金が常態化すれば、次回の算定基礎届で標準報酬月額が改定され年金の停止額も減額されることになると思います。支給額と停止額が逆転するということは、現実的には年に数回あるかどうかのことではないでしょうか。(実態は解りませんが・・・)
>
> 今回の高年齢雇用継続給付に関してもそうだと思いますが、在職老齢年金受給者はとにかく働きません。(全員ではないと思います。すみません!)「一生懸命いっぱい働くこと=高い給料もらうこと=年金停止額増」は損だと思っている方は少なくないようです。
> 今回は「残業」ということでしたが、出来高払制賃金が一般的な会社では従業員が働かなくてほんとに大変な状況のようです。
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> 社会保険制度には結構たくさんの矛盾があるように思います。
>
まさにそうですよね。調べれば調べるほど在職老齢年金制度と高年齢雇用継続給付の制度は給与の減少分を補うという本来の趣旨からは離れ、働きすぎると損みたいな側面があって、労使ともに、60歳以降の働き方をネガティブな方向へと導いていくように思います。
結局、制度をうまく利用し良くも悪くも有利なように働こう、なんて言う変な作用を生み出すと思います。60歳以降、スキルを生かそうなんて発想はそこには決して生まれませんよね。
> まさにそうですよね。調べれば調べるほど在職老齢年金制度と高年齢雇用継続給付の制度は給与の減少分を補うという本来の趣旨からは離れ、働きすぎると損みたいな側面があって、労使ともに、60歳以降の働き方をネガティブな方向へと導いていくように思います。
なぜこんなことになっているのか、説明しても納得してはいただけないと思いますが、私の考えは、縦割り行政の弊害と、それを改善しようとしない怠慢にあると思います。
高年齢雇用継続給付金の申請に当たっては、当該月の支払賃金を届け出ますが、これが年金機構には連絡されなていないようなのです。
年金事務所で把握できるのは現在の標準報酬月額と、ハローワーク側から連絡される60歳みなし賃金額と各月の高年齢雇用継続給付金支給の有無です。
ハローワークは労働局、年金機構(旧社会保険庁)は厚生局の管轄で、それぞれ準拠する法律も違います。
ハローワーク側の手続きは基本手当など算定の根拠に実際の支払賃金を用いることが多いのに対し、年金は在職調整など標準報酬を元に計算する制度となっています。
ハローワークからは高年齢雇用継続給付金支給の情報が年金機構に入るのですから、この情報に当月の支払賃金額か高年齢雇用継続給付金支給額を含め、これを基に年金の停止額を計算すれば支給額より年金停止額が多くなることは起きないはずです。
年金制度側に実際の支払賃金を基にする考え方を一部でも入れてしまうと、年金制度の根幹に影響を及ぼしかねないとの危惧があるのでしょうか?
現状のままであれば、高年齢雇用継続給付金の過多にかかわらず、年金は一定額を止める訳ですので簡便ですし、年金を支払う側から見れば出る分を抑える方向ですから替えようという気にならないのだと思います。
ご存じとはおもいますが、雇用保険には加入しているが厚生年金の被保険者にはなっていない場合には、高年齢雇用継続給付金が支給されても厚生年金の停止は(在職老齢年金の停止も)かかりません。年金機構側で計算の元となる標準報酬月額が把握できないので。
せっかく厚生労働省として労働局と厚生局が同じ省になったわけですから、制度間の違いによる不合理は解消してもらいたいものです。
以前は特別支給の老齢厚生年金の受給権者が雇用保険の求職の申込を行う時と、高年齢雇用継続給付を初めて受ける時は年金事務所への届出が必須でしたが、年金機構側に雇用保険被保険者番号の登録が済んでいれば省略できるようになりました。
少しでも国民の負担を減らす、不合理をなくす方向に改善して行ってほしいものだと思います。そのためには「これ、おかしいんじゃない?」と声を上げないといけないのでしょうね。
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