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賞与の支払条件について

著者 YSハンター さん

最終更新日:2015年09月24日 09:32

こんにちは。

企業の従業員ですが、賞与の件で相談させて頂きます。

現在勤めている企業の賞与について、支払条件は以下の通りとなります。
算定対象期間に在籍
・支給日に在籍且つ今後も勤続が見込まれている従業員

賞与算定期間は1月~6月 
支払日は12月(日にちの記述はありません)です。
また、支払額については
会社の業績と各従業員の勤務成績などを考慮した上、各々で違うようになっております。

上記の場合ですが
12月末退社を予定している場合
法的に賞与の支払を請求することは難しいでしょうか?

もし難しい場合は、何月退職予定であれば
請求可能でしょうか?

宜しくお願いします。

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Re: 賞与の支払条件について

お疲れさんです

賞与の支給については、一般的に大別すると次の3点の役割に分けられます。
(1)賃金の後払い的役割
(2)将来への動機付けの役割
(3)成果を配分する役割

会社によっては賞与の役割は異なりますが、賞与賃金と異なり、必ず支払わなければならないと法律で義務付けられたものではありませんので、原則的には会社が自由に決めることができると考えられます。

最近多い事例ですが、年俸制を適用している会社では、例えば年俸額を16分割したうえで、16分の1を月給として支給し、賞与として夏・冬それぞれに16分の2を支給するケースでは、この場合、賞与として支給はするものの、「予め支給額が確定されている年俸」の一部にすぎないことから、会社は決められた額の賞与を給与の一部として支給する必要があります。

ご質問の退職者に対する減額については、その支給内容が合理的か否か焦点となります。
過去の判例で有名な事例として、ベネッセコーポレーション事件といわれるものがあります。これは、退職予定者に対して、非退職予定者とは別の計算方法で支給することを規定に定めたうえで、退職者の賞与を82%減額することについて争われた判例です。この判決では、「退職者予定と非退職者予定者の賞与額に差を設けること自体は不合理ではない」とされる一方、限度として2割の減額までしか認められませんでした。

これらの事例により、年俸制のような特殊ケースではない通常賞与の場合、退職予定者には賞与を減額する旨を規定に明記したうえで、最大2割を限度に減額幅を決定されると規定されていれば、現在考えうる妥当なラインと言えるでしょう。

Re: 賞与の支払条件について

著者YSハンターさん

2015年09月24日 15:53

安芸ノ国 様

お世話になっております。
ありがとうございます。

ベネッセコーポレーションの判例の件承知いたしました。
安芸ノ国 様の見解で良いので、
以下について追加で回答頂ければ幸いです。

> これらの事例により、年俸制のような特殊ケースではない通常賞与の場合、退職予定者には賞与を減額する旨を規定に明記したうえで、最大2割を限度に減額幅を決定されると規定されていれば、現在考えうる妥当なラインと言えるでしょう。

弊社の場合ですが、年俸制でない通常賞与となります。
減額2割程度であれば私も仕方ないと思いますが、
全く支給されないということもあり得るのでしょうか?
弊社規定には、支払条件に「支給日に在籍且つ今後も勤続が見込まれている従業員」という文言が
あるので、その可能性があれば支払頂くため、退職時期をずらすなどする必要があるかと思います。

すみません。
宜しくお願いします。



> お疲れさんです
>
> 賞与の支給については、一般的に大別すると次の3点の役割に分けられます。
> (1)賃金の後払い的役割
> (2)将来への動機付けの役割
> (3)成果を配分する役割
>
> 会社によっては賞与の役割は異なりますが、賞与賃金と異なり、必ず支払わなければならないと法律で義務付けられたものではありませんので、原則的には会社が自由に決めることができると考えられます。
>
> 最近多い事例ですが、年俸制を適用している会社では、例えば年俸額を16分割したうえで、16分の1を月給として支給し、賞与として夏・冬それぞれに16分の2を支給するケースでは、この場合、賞与として支給はするものの、「予め支給額が確定されている年俸」の一部にすぎないことから、会社は決められた額の賞与を給与の一部として支給する必要があります。
>
> ご質問の退職者に対する減額については、その支給内容が合理的か否か焦点となります。
> 過去の判例で有名な事例として、ベネッセコーポレーション事件といわれるものがあります。これは、退職予定者に対して、非退職予定者とは別の計算方法で支給することを規定に定めたうえで、退職者の賞与を82%減額することについて争われた判例です。この判決では、「退職者予定と非退職者予定者の賞与額に差を設けること自体は不合理ではない」とされる一方、限度として2割の減額までしか認められませんでした。
>
> これらの事例により、年俸制のような特殊ケースではない通常賞与の場合、退職予定者には賞与を減額する旨を規定に明記したうえで、最大2割を限度に減額幅を決定されると規定されていれば、現在考えうる妥当なラインと言えるでしょう。

Re: 賞与の支払条件について

就業規則等において、支給条件や支給回数、支給時期、算定期間、支給対象者の範囲などについて定めがあり、これに基づいて支給される賞与は、労働基準法上の賃金として保護の対象となります。
しかし、 賞与に“ついて社員への将来に対する期待”がある程度含まれていると考えれば、退職予定の社員に対して、賞与の減額支給を設けること自体、不合理とまではいえません。
ご質問の不支給の点ですが、これにはやはり問題があるようです。
つまり、働いた期間等に対する報償とする考えもありますし、また将来に対する期待度数を含めていますので、会社としては就業規則賞与支給規則等に謳うべきでしょう。

Re: 賞与の支払条件について

著者YSハンターさん

2015年09月24日 22:54

安芸ノ国 様

ご返信ありがとうございます。
こちらの内容を拝見させて頂いた結論として
 ・減額は免れない
 ・不支給は問題があるため、いくらかはもらえる可能性はある

ということでしょうか?

また、一つ気になるのが
> ご質問の不支給の点ですが、これにはやはり問題があるようです。
就業規則に「支払条件」として、「算定期間にいること」「支給日にいること」「今後も勤続が見込まれていること」が明記されてながら、不給は問題という理由を、是非とも教えていただきたいです。

宜しくお願いします。



> 就業規則等において、支給条件や支給回数、支給時期、算定期間、支給対象者の範囲などについて定めがあり、これに基づいて支給される賞与は、労働基準法上の賃金として保護の対象となります。
> しかし、 賞与に“ついて社員への将来に対する期待”がある程度含まれていると考えれば、退職予定の社員に対して、賞与の減額支給を設けること自体、不合理とまではいえません。
> ご質問の不支給の点ですが、これにはやはり問題があるようです。
> つまり、働いた期間等に対する報償とする考えもありますし、また将来に対する期待度数を含めていますので、会社としては就業規則賞与支給規則等に謳うべきでしょう。

Re: 賞与の支払条件について

ご質問の2点は 条件として正当性があります。
下記点ですが、
ベネッセ事件での判例を参考にするとお分かりになると思います。
つまり、

賞与のうち、労働者に対する将来の期待部分の範囲・割合については、諸事情を勘案して、賞与額の2割とするのが相当である。
とした点です。

Re: 賞与の支払条件について

削除されました

Re: 賞与の支払条件について

著者YSハンターさん

2015年10月01日 16:52

アクト経営労務センター 様

ご連絡遅くなり申し訳ありません。
ご回答ありがとうございます。

やはり、就業規則の条件通りですよね。。。
わかりました。

1点だけ質問ですが
こちらの就業規則は今年の7月に決まったのですが、
算定期間は過ぎているので、もしかしたら、次回の賞与からこの件については効力が発生するのかなと思ったのですが。
このあたりはいかがでしょうか?









> 1.「1月~6月」の間に労働した分に対する賞与を受給するためには、法律的な面だけで考えれば、支給された日の翌日までは退職の意思を完全に秘匿すること、かつ、実際に支給された日の翌日以後に退職することが必要だと考えます。
>
> 2.「安芸ノ国」様が書かれたように、法は会社に賞与支払義務を課していません。
>   賞与の役割について同氏が書いておられるのは、支払う場合の考え方であって、本来支払義務がない会社がその考えに従って支払うべき法律上の責任があると言っておられないと解します。
>   「ベネッセコーポレーション事件」についても、退職者と非退職者の貢献度の比較衡量の程度の差を言っているのであり、支給する、支給しないの条件を就業規則によって明記した場合を言っているとは解すべきで無いと考えます。
>   もし、それを言うとすれば、就業規則の規定が誤りであると言わねばならず、論拠が異なるべきだと考えます。
>
> 3.現実の就業規則に、
>  ① 算定対象期間に在籍していること
>  ② 支給日に在籍、且つ、今後も勤続が見込まれている従業員で有ること
>  ③ 賞与算定期間は1月~6月
>  ④ 支払日は12月(日にちの記述はない)
>  ⑤ 支払額については、会社の業績と各従業員の勤務成績などを考慮した上、各々で違う
>   と規定されているので、以上について「悪法といえども法は法なり」との立場で検討します。就業規則のうち、法に抵触しない部分は法的に有効です。
>
> 4.まず前記①について言えば③に有るとおり、今年1月から6月の間に在籍している事実が必要です。
>   これには、適応していると思われます。
>
> 5.前記②については、支給日は12月1日から12月31日の間のいつであるか特定されていないので、理論上12月31日に支給されることもあり得ます。
>   それ故、実際に支給されてみなければ、「支給日」は事前には不明です。もし事前に支給日を発表されたとしても、直前に変更(日延べ)されることはあり得ます。
>   また、後段の「今後も勤続が見込まれ」る従業員で有るためには、支給日以前に退職意思を表面化する(退職届は未提出でも)とこの規定に反するので、賞与支給対象から除外され得ます。
>   この規定を効果あらしめるために、月次賃金労働者預金口座振込をしていながら、賞与に限っては通貨(現ナマ)を労働者に手交する企業もあります。一人ひとりに社長が謝意を込めて手渡ししたいとの、それらしい理由付けをされます。
>
> 6.前記⑤は、一般的に殆どの企業の規定です。
>   その会社の業績や、質問者個人について、社外の者には評価できません。
>
> 7.「何月退職予定であれば請求可能でしょうか?」に着目して、その余のことは論外とし、賞与を受給するために質問者はなりふり構わない(他人に陰口を叩かれる、恥をかく)前提で検討しました。ご了承ください。
>
> 広島県社会保険労務士会 会員 特定社会保険労務士 第1種衛生管理者 広島市 日高 貢
>

Re: 賞与の支払条件について

削除されました

Re: 賞与の支払条件について

著者YSハンターさん

2015年10月05日 09:57

アクト経営労務センター 様

ご回答ありがとうございます。
賞与の件は諦める必要がありそうですね。わかりました。
支払義務が無いので仕方ないですが
給与の水準も高くないので、やはり早めに結論を考えた方が良いと思いました。

ありがとうございました。





> 1.一般的に、決まり事は遡及しないのが原則です。遡及効果を認められるのは、遡及した結果決定権者でない者が利益を受けられる場合に限ると解しています。
>   過去に生じた事実は何人といえども変更できないからです。
>   例えば、8月末日までは遅刻しても全額賃金を得られる規定だったのに、10月1日に規定を変更し、8月1日以後の遅刻は賃金カットにするのは違法と考えます。
>   逆に、8月末日までは遅刻した時間相当の賃金カットされる規定だったのに、10月1日に規定を変更し、8月1日以後の遅刻は賃金カットしないとするのは違法ではないと考えます。
>
> 2.この考えに基づき検討すると、労働者不利に就業規則を変更した内容は、労働者に周知した日の前日までの期間については、効果が及ばないと解します。変更を周知した日以後に効果を生じます。
>   このような場合は変更前の規定が優先すると考えます。次回の賞与から効果を生じると言い替えることができます。
>   すべての規定は、発効日が大切です。就業規則は国の法令と異なり、その事業場労働者に周知されなければ就業規則としての効果はありません。なぜならば、就業規則労働者使用者の包括労働契約と言えるからです。労働者にとって窮屈不利な条件も書かれています。
>   国の法令も、同じ考えに基づき、法は国会で成立しても国民に周知する期間と周辺規定を整備するために施行日(発効日)は相当期間を空けます。余談ですが、今回の労働者派遣法のように極めて短時間にしたのは国民の絶対過半数支持を得た自民党だからできたことです。就業規則にはそのような例はありません。
>
> 3.なお、最初の質問にある「賞与算定期間は1月~6月。支払日は12月」は珍しいと言うよりも、感心しがたい事業主横暴的な規定だと思いました。賞与労働基準法による必須賃金ではありませんが、世に稀に見ると言って良い恥ずかしい規定と思います。
>   殆どの企業は前年12月~当年5月の実績などを評価して7~8月支払、当年6月~11月のの実績などを評価して12月支払が多いようです。
>   これに比し、半年もお預けを食わせるのは感心できません。今後、求人に苦労するのではないでしょうか。
>
> 広島県社会保険労務士会 会員 特定社会保険労務士 第1種衛生管理者 広島市 日高 貢
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