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労務管理

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平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者 エヌソーム さん

最終更新日:2016年06月08日 18:54

いつもご参考にさせていただき、ありがとうございます。

当社はソフトウェア業を行っており社員の一部を取引先に派遣している
特定労働者者派遣事業を行っておりますがその他の社員は請負
開発を行っており一部案件によっては取引先の事業所で作業を行う場合があります。
一般労働者派遣事業は行っておりません。

今年度より労働者派遣事業報告書(6月1日現在の状況報告)が大幅に変更になり
記載内容について確認したことがあり投稿させて頂きました。

①「(4)教育訓練(キャリアアップに資するものを除く)の実績」について
  自社社員の派遣については記載の必要はないのでしょうか。
  以前の労働者派遣事業報告書(年度報告)の「派遣労働者等教育訓練実績」は
  記載せずに提出していました。
②「(6)雇用安定措置(法第30条)の措置の実績」「(8)マージン率等の情報提供の状況」
  については派遣しているのは自社社員のみなので無記載でよいのでしょうか。
③「(9)キャリアアップ措置の実績」についてキャリアコンサルトの資格を社員が持つ必要が
  ありますでしょうか。
  キャリアコンサルタント以外の担当者のどちかがいればよいのでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。


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Re: 平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者みなとみらい人事コンサルティングさん (専門家)

2016年06月10日 11:45


社労士として回答いたします(↓以下が回答です)。

> 今年度より労働者派遣事業報告書(6月1日現在の状況報告)が大幅に変更になり
> 記載内容について確認したことがあり投稿させて頂きました。
>
> ①「(4)教育訓練(キャリアアップに資するものを除く)の実績」について
>   自社社員の派遣については記載の必要はないのでしょうか。
>   以前の労働者派遣事業報告書(年度報告)の「派遣労働者等教育訓練実績」は
>   記載せずに提出していました。


教育訓練については、御社が昨年度に実施していないのであれば、
記載の必要はありません。


> ②「(6)雇用安定措置(法第30条)の措置の実績」
 「(8)マージン率等の情報提供の状況」については
 派遣しているのは自社社員のみなので無記載でよいのでしょうか。


「(6)雇用安定措置(法第30条)の措置の実績」については、
教育訓練と同様、昨年度に実施していないのであれば、
記載の必要はありません。

但し、派遣先の同一組織単位に継続して3年間派遣される
見込みがあり、継続就業を希望している派遣労働者については、
雇用安定措置が義務付けられていますので、
もし御社に該当する派遣社員がいた場合は、
今回は法改正後初の報告ですから問題ないとしても、
いずれは実施し、次回以降の報告書に記載していく必要があります。

「(8)マージン率等の情報提供の状況」については、
必ず記載しなければなりません。
更に、平成27年の改正を機に、マージン率は必ず
インターネットで公開しなければならないと定められましたので、
インターネットの欄に記載がないと、労働局より指摘を受ける
虞があります。

> ③「(9)キャリアアップ措置の実績」についてキャリアコンサルトの資格を社員が持つ必要がありますでしょうか。
> キャリアコンサルタント以外の担当者のどちかがいればよいのでしょうか。


キャリア・コンサルティングの窓口担当者は、
キャリア・コンサルタント有資格者か、
資格がない場合、
「キャリア・コンサルティングについて
 相当程度の知見と経験を持つ者」が
努めなければならないことになっています。

「相当程度の知見と経験」とは、例えば、
資格はなくても、長年、社員の
キャリア・コンサルティングを担当している等を指し、
単に、人事労務管理職にあったとか、採用担当だった、
というだけでは該当しませんので注意が必要です。

御社に上記に該当する方がいない場合、
外部委託する必要があります。

キャリア・コンサルティングについては、
実施については希望者が居た場合のみですので、
実施していないのであれば実施状況については
「なし」という報告でいいのですが、
窓口担当者については、利用状況に関わらず、
必ず設置しなければならないと定められましたので、
窓口担当者が「0」だと、これも労働局に指摘を受ける
虞があります。

ご不明な点等ございましたら、追加でご質問ください。

Re: 平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者エヌソームさん

2016年06月10日 13:38

ご回答、ありがとうございます。

大変わかりやすい回答でよく理解できました。

追加で「マージン率等の情報提供」について質問ですが
①派遣しているのは当社社員ですので給与は基本給+各種手当+残業代となって
 おり、残業代については残業時間分を全額支払います。
 しかし派遣料金については契約によりますが、数十時間の残業を含んだ料金と
 なりますので残業時間によりマージン率が変わります。
 その場合は平均値等で提供すればよいのでしょうか。
②当社では派遣している人数(1~4名)が少ない上に派遣料金は社員に
 開示していますのでマージン率をネットに公開すると他の社員に給与が
 わかってしまいます。
 また、様式第11号には「(8)マージン率の情報提供の状況」には
 「書類の備えつけ」やその他等も選択可能となっていますので
 社員個人への開示ではだめなのでしょうか。

Re: 平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者みなとみらい人事コンサルティングさん (専門家)

2016年06月10日 16:16

追加ご質問に回答いたします。

> 追加で「マージン率等の情報提供」について質問ですが
> ①派遣しているのは当社社員ですので給与は基本給+各種手当+残業代となって
>  おり、残業代については残業時間分を全額支払います。
>  しかし派遣料金については契約によりますが、数十時間の残業を含んだ料金と
>  なりますので残業時間によりマージン率が変わります。
>  その場合は平均値等で提供すればよいのでしょうか。


マージン率を算出するにあたって必要な
「派遣料金平均額」「派遣労働者賃金平均額」については、
ともに、1人1日8時間辺りの金額で計算します。
従って、残業代、残業時間をすべて含めて
まずは1時間単価の平均値を出し、それを8時間分にするのが
計算がしやすいでしょう。

そうして出した
1人1日8時間辺りの派遣料金平均額と、
1人1日8時間辺りの派遣労働者賃金平均額で、
マージン率を算出します。

> ②当社では派遣している人数(1~4名)が少ない上に派遣料金は社員に
>  開示していますのでマージン率をネットに公開すると他の社員に給与が
>  わかってしまいます。
>  また、様式第11号には「(8)マージン率の情報提供の状況」には
>  「書類の備えつけ」やその他等も選択可能となっていますので
>  社員個人への開示ではだめなのでしょうか。


ここでいう「情報提供」とは、
世間一般に広く周知することを指しますので、
社員だけに通知することは法律要件を満たしていないことになります。

更に、他の方法を選択することが許されるのは、
マージン率以外の項目(派遣労働者数等)の情報提供です。
ですから「マージン率等」と、「等」が入っているのです。
法律用語では、「等」が入ると、ほかのものも入っていることを指します。
ですから「マージン率と、そのほかの項目、どうやって提供していますか?」
と聞いていることになるのです。

つまり、ここの項目で法律違反にならない選択肢の選び方は、
「インターネット」を一つだけ選び、
「マージン率も、それ以外の項目も、全部インターネットで公開しています。」
とするか、あるいは、
「インターネット」と「書類の備え付け」など、複数選び、
「マージン率はインターネットで、ほかの項目は書類で公開しています。」
とするか、どちらかしかないのです。

繰り返しになりますが、マージン率は、必ず、
インターネットで情報提供しなければなりません。

ですから、インターネットが選ばれていないと、
労働局から指摘を受けることになります。

また、ここでの情報提供とは先ほど申し上げた通り、
広く世間一般に周知することですから、
マージン率以外の項目を書類に記載するとしても、
派遣労働者への通知ではなく、
誰にでも渡せるような会社のパンフレットに載せることが必要です。

ご不明な点等ございましたら、追加でご質問ください。
ただし、これ以上の詳細なマージン率の計算方法については、
この場ではなく、然るべき専門家に直接、あるいは
労働局にお問い合わせすることをお勧めいたします。

Re: 平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者エヌソームさん

2016年06月13日 10:11

ご回答、ありがとうございます。

マージン率の計算、情報提供についてはよくわかりました。
情報提供についてはホームページに掲載するようにします。

Re: 平成28年 労働者派遣事業報告書の記載について

著者元労働局相談員さん

2016年07月01日 21:38

労働局の需給調整事業(派遣・紹介)の事業報告受理を担当している者です。
本年度から様式が大幅に変わり、記入が大変になったと思います。
ここ1ヶ月、毎日書き方について問合わせの電話が鳴りやみません・・。

さて、特定労働者派遣の事業者様への回答ですが、

> ①「(4)教育訓練(キャリアアップに資するものを除く)の実績」について
>   自社社員の派遣については記載の必要はないのでしょうか。
>   以前の労働者派遣事業報告書(年度報告)の「派遣労働者等教育訓練実績」は
>   記載せずに提出していました。

→派遣されている労働者が、報告対象期間(御社の直近の決算期)において、
受講した研修があれば記載してください。
なお、第2面「労働安全衛生法に基づく教育」は雇用主に義務付けられていますが、
「その他の教育訓練」はあってもなくても問題ありません。
第5面「キャリアアップに資する教育訓練」は、昨年9/30施行の改正派遣法にて
義務付けられたものです。フルタイムの派遣労働者には、年間1人あたり8時間、
賃金を支払ってスキルアップになる訓練(派遣元の集合研修の他、派遣先OJT
自宅でのe-learningも可)を受けさせる必要があります。
但し、本年度は法改正後1年経っていないので、1人平均8時間実施していなくても
(最悪未記入でも)違反にはなりません。来年からはチェックされると思いますが。

> ②「(6)雇用安定措置(法第30条)の措置の実績」「(8)マージン率等の情報提供の状況」
>   については派遣しているのは自社社員のみなので無記載でよいのでしょうか。

特定派遣の方が間違いやすい点ですが、第2面(6)「雇用安定措置」の対象者は
有期雇用の派遣労働者のみです。
内訳の雇用期間見込みについて補足すると、法改正で抵触日が新しく設定された時を
起点にして、どのくらい雇用するかという「派遣元が考える見込み」を書くだけですから、
先々のことを悩むより、現行の契約期間に沿って記入するのが簡単です。
例えば、有期雇用契約の方が10名いて、全員が6ヶ月毎更新というような場合、
「1年未満見込み:10」と書けば、雇用安定措置(派遣先直接雇用依頼の努力等)は
まだ義務ではありませんので、講じた措置は空欄で構いません。
なお、無期雇用(正社員等)の派遣労働者は、既に派遣元雇用が安定しているため
雇用安定措置の対象者とはならず、(6)の欄は未記入でOKです。

第4面(8)マージン率公開については、いろんな誤解があるようですが、ネットでも、
社内に(誰にでも公開できるような)書類を準備しておく等でも、何らかの対応を
していれば問題ありません。HPを持っていない会社は後者しか選べませんよね。
公開する内容も、労働者個別のマージン率でなくても、派遣元事業所での平均でも
構いません。要するに、情報公開していないと行政指導となる可能性があります。

> ③「(9)キャリアアップ措置の実績」についてキャリアコンサルトの資格を社員が持つ必要が
>   ありますでしょうか。
>   キャリアコンサルタント以外の担当者のどちかがいればよいのでしょうか。

キャリアコンサルタント資格の有無は問いませんが、第5面①の右端に担当者の属性を
「経験あり」または「知見あり」のどちらかを選び人数を記入することになっています。
仕事の相談があった際に、経験も知識もなければ担当者として適任ではないでしょう、
という意味合いです。堅苦しく考えず、派遣元責任者が兼任するケースが多いですね。

以上、長くなりましたが、事業報告をチェックする立場からの説明でした。
分からないからといって空欄だらけで強引に提出するくらいなら、多少締切に遅れても
事前に電話等で聞いてキチンと記入していただく方が、会社として印象も良いですし、
こちらとしても親身になってアドバイスしたくなります。 よろしくお願いします。

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