相談の広場
いつも参考にさせていただいております。
当社では60才定年退職後、嘱託として65才まで再雇用を行っております。(1年更新)
今般60才定年を控える社員がおり、再雇用申請がありましたが、
なんとか再雇用をしないで済む方法はないでしょうか?
この社員については
・社歴は長いですが(30年強)、能力が足りない為、一般職のまま。(成績評価も悪い)
・物忘れが多く、スケジュール管理もできず他の社員の仕事にも影響している。
・派遣社員や若手社員の指導をしない、できない。
・日常的に身体が震え、車の運転を任せれない為、常に補助者が必要。
・本来、電気工事関係の業務が必要だが、震えの為、任せられない。
※通常の仕事に携われない為、どこかの部署の現場仕事の横についていっているだけの状態です。
・本人は自分は仕事が完璧にできると思っている為、言い聞かせてもきかない。
上記のような状態ですが、やはり高年齢者雇用安定法上、再雇用しなければいけないのでしょうか。
尚、当社の就業規則上、解雇事由下記4点です。
①労働能率、業務意欲が悪く、向上の見込がないと認められる
②身体、精神の障害等により業務に堪えられないと認められる
③事業の改廃縮小その他
④その他前各号に準ずる事由
スポンサーリンク
こんにちは。
法律では確かに65歳までの雇用維持を確保する義務を定めていますが、労働者が希望する条件で雇用することまでは義務付けていません。
会社として、その方に任せられると思われる職務内容と、その仕事に見合う賃金を、再雇用時の待遇として提示してはいかがでしょうか?
それでご本人が納得できないならば、労使が合意に至らなかったため、再雇用はできない、という結論でもやむを得ないのかなと思います。
大阪地方裁判所・N社事件(平21.3.25判決)において、
「年金支給開始年齢までの間における高年齢者の雇用を確保するとともに、高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことを可能とするという趣旨に反しない限り、事業主は多様かつ柔軟な措置を講ずること(ができ)、確保されるべき雇用の形は、常用雇用や短時間勤務、隔日勤務等の多様な雇用形態を含むものと解する」
との判例が出ています。
ただし、本件については「99%近い従業員が加入する労組の合意が得られ、現にこれら労働者による選択制が機能していることを勘案すると、労使の協議・工夫による制度と評価できる」と述べている点には注意する必要があります。
ご参考になれば。
① 貴社の就業規則では、定年後の再雇用規定はどうなっていますか。
(1)申請の有無に拘わらず、1年更新で再雇用する、(2)申請があった者に限り再雇用する、(3)申請があった者だけを審査し、会社の業務に必要な者だけを再雇用する等、多少の表現はこれとは異なっても、これと同趣旨の規定はどれでしょうか。
② もし、(1)であれば有無を言わさず、再雇用しなければ会社が定めた就業規則を破ることになります。
本人が再雇用を自発的に断らなければ、これはできません。
③ もし、(2)であれば、一旦再雇用した後、就業規則の①または②に基づき、普通解雇せざるを得ないでしょう。
解雇予告が必要です。また異を唱えられて、最悪の場合は労働紛争に到ります。
④ もし、(3)であれば、貴社就業規則の解雇事由①②の考え方に準じて、再雇用しないと決定します。
この場合も、異を唱えられて、最悪の場合は労働紛争に到ります。
⑤ 高年齢者雇用安定法により65歳まで再雇用するのは、労働基準法と異なり強行法規ではありません。
しかし、世の趨勢に逆らうことなので、本人から異を唱えられる危険性は大です。
会社としては、就業規則の解雇事由①や②に該当することを、きっちり説明できるよう、当人の上司・同僚・後輩などからしっかり聞き取っておきましょう。
争いになったら躊躇せずに「個別労働紛争解決のための斡旋」を労働局に申請するとともに、特定社会保険労務士の支援を求めることを強くお勧めします。中途半端な処理をすると、後輩に悪影響を与えます。
> ⑤ 高年齢者雇用安定法により65歳まで再雇用するのは、労働基準法と異なり強行法規ではありません。
強行法規ですよ。直接の処罰規定がないだけで。正確には所定年齢まで安定した雇用の場を提供する義務を使用者に課し、義務を履行していない事業者には、同法違反として、指導、是正、報告義務を課し、、、ここまで行政が厳しく介入するのを、(対義語の)任意法規とはとうてい呼べないです。
質問者さんの事案は、定年に達していない現況でも普通解雇にむけて動いてなくてはおかしい事案です。動いていないことが、かえって彼の立場、在職継続を補強してしまっています。
日々の言動を記録し、教育指導し、、、といったことは専門のサイトが随所にありますので、参考にしてください。
① 私が「高年齢者雇用安定法により65歳まで再雇用するのは、労働基準法と異なり強行法規ではない」と言ったのは、「65歳まで雇用することを法律は強制していない」ので、「65歳まで雇用しなければならない法律上の義務はない」「65歳まで雇用しなかったら処罰されると言うことは無い」との意味で申しました。
② 指導、是正、報告義務を課す例は他にも多くあります。しかし、それら指導などの行政の処置に対して、適切に対応しなかったらペナルティはありますが、65歳まで再雇用しろと命令できるとは寡聞にして知りません。
③ 例えば、産前産後の労働者を法律によって休業させなければ処罰対象になります。しかし、介護休暇制度を設けないで介護をさせないことを処罰対象にしているとは聞いていません。
産前産後休暇については強行規定であり、介護休暇制については強行規定ではないと言うのと同じです。これにも異論があるかも知れませんが、事実を冷静に述べただけです。
④ 誤解されては困りますが、私は強行規定でないのだから、無視することを勧めているのではありません。
私も定年を定める場合は満60歳以上、更に65歳まで何らかの継続雇用措置を採るというのは強行規定だと考えます。おそらくmochioさんの「強行法規・規定」という定義といつかいりさんや私が思う「強行法規・規定」の捉え方が違うのではと思われます。私が思う強行法規は、法律はすべからく強行であり罰則のあるなしではないと思います。ただ法規定には「努めねばならない」などといういわゆる努力義務規定があります。この部分についてはたしかに強制的ではないでしょう。しかし大半の法律には「・・・しなければならない」「・・・してはならない」といった文言で、それを強制しています。
定年年齢や継続雇用年齢あるいはその措置については強制ですから、当然に高齢者雇用安定法も強行法規といえますし、その規定は強行規定といえると思います。
① 本問の最初提起された本質から外れるようですが、65歳までの継続雇用制度について多くの誤解が消えないようなので再度申します。
② 繰り返しますが、いわゆる継続雇用制度は「強行法規」ではありません。
③ Webサイトのキーワードに「高年齢者継続雇用促進法」と入力すると、そこに厚生労働省のサイトで「高年齢者雇用安定法の改正~「継続雇用制度」の対象者を労使協定で限定できる仕組みの廃止~」と大きく表題を掲げ、詳細を説明して居ます。
④ その下、4行目当たりに、よく目立つように赤色で以下の通り書いています。
「※この改正は、定年の65歳への引上げを義務付けるものではありません。」と。
だから、私は「強行法規」ではないと繰り返し言って居ます。
義務づけられない制度を「強行法規」とは言えません。
しかし、世の趨勢から、65歳いや70歳までも定年延長を強く求められているのは事実です。それを否定しているのではありません。強制されないからこそ、率先して定年を延長すべきだと思っています。
⑤ 強行法規であるか否かに何故拘るかと言えば、強行法規だからとの立場で、企業と労働者の個々の事情などを無視し、形骸化した制度を実行し、実際には定年延長された人を難癖付けて追い出す傾向が散見されるからです。
⑥ 現実には高齢者が在職するとその処遇に企業は頭を痛めます。30代、40代の人は「頭が支える」として嫌います。20歳ぐらいの人を雇う余力を失います。
決して高齢者定年延長は社会のあらゆる層に歓迎されては居ません。
その現実と、本問を提起された会社の悩みがオーバーラップしています。
くだけた表現でいうと、
「60歳以降も希望する人は全員、3つの方法のうちのどれかを使って65歳までは雇用しないといけない。それは会社の義務」
「どうしても雇用しないときは、「そういうことならしょうがないね」というような理由(就業規則にある解雇事由と同じですが)がないといけない」
ということですよね。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page09.html
http://www.jeed.or.jp/elderly/data/manual.html
「うちの会社そういう制度どれもやってないので60歳までです」とか
「一定以上の業務成績の人に会社から声を掛けます」とかではすまないですよね。
だから、強行法規だと思います。
定年を65歳に引き上げることは義務ではないというなら、他の2つの方法も義務ではない、ということになるので、おかしなことになると思います。
だから、質問者さんの会社の人の場合は、いつかいりさんがおっしゃるように、手順を積み重ねる必要があるのですよね。
とても気を遣うでしょうが、質問者さんの会社の方は、勤務終了までいかなくても、まゆりさんが挙げたように例えば、現場に出て作業することが難しいなら、内勤だけにして、そのぶんお給料を見直すとか、そういう対応もありかと思います。
社内に他にできそうなお仕事がないのであれば、なんとか納得していただかないといけないな、と思います。
> いつも参考にさせていただいております。
>
> 当社では60才定年退職後、嘱託として65才まで再雇用を行っております。(1年更新)
> 今般60才定年を控える社員がおり、再雇用申請がありましたが、
> なんとか再雇用をしないで済む方法はないでしょうか?
>
> この社員については
> ・社歴は長いですが(30年強)、能力が足りない為、一般職のまま。(成績評価も悪い)
> ・物忘れが多く、スケジュール管理もできず他の社員の仕事にも影響している。
> ・派遣社員や若手社員の指導をしない、できない。
> ・日常的に身体が震え、車の運転を任せれない為、常に補助者が必要。
> ・本来、電気工事関係の業務が必要だが、震えの為、任せられない。
> ※通常の仕事に携われない為、どこかの部署の現場仕事の横についていっているだけの状態です。
> ・本人は自分は仕事が完璧にできると思っている為、言い聞かせてもきかない。
>
> 上記のような状態ですが、やはり高年齢者雇用安定法上、再雇用しなければいけないのでしょうか。
>
> 尚、当社の就業規則上、解雇事由下記4点です。
> ①労働能率、業務意欲が悪く、向上の見込がないと認められる
> ②身体、精神の障害等により業務に堪えられないと認められる
> ③事業の改廃縮小その他
> ④その他前各号に準ずる事由
>
村の長老 さん
たまの伝説 さん
フォローありがとうございます。いらぬ例を引き合いにだしたばかりに、議論が収拾せずもうしわけない。
強行法規か、任意法規かは、極端にいえばたった一つの指標があるだけです。強行法規なら裁判官はその条項にのっとって判決をくださいないといけない、というものです。任意規定なら、民民間の契約でその条項の適用を排除でき、裁判官も法でなくそれにそって判じることとなります。
高年齢者雇用安定法でいえば、65歳まで雇用していたなら得られたはずの賃金を損害として賠償しろ、または週1のパートでは(65歳未満)定年以降の雇用の場を提供したことにならない、等々いくらでも裁判例はあります。
強行か任意かでわれているのもあります。有名なところで、ある条件のもと退職の意を唱えたら、2週間で退職できる、というものです。(知らぬ間に最高裁で確定した判断が下されていたら、失礼)。
どのカテゴリーに投稿しますか?
選択してください
1~11
(11件中)
お知らせ
2024.4.22
2023.11.1
2023.8.7
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[2022.7.24]
[2019.11.12]
[2018.10.10]