相談の広場
一月で法人成りをしました。
元の「個人事業」の時に、家族から100万円の借り入れをしていましたが、現状現金で返済することはできません。
借入金を新会社の「資本金」として継続して借入したいのですが、どういう仕訳をしたらいいのでしょうか。
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① 法人成りしてから既に3カ月を経ていますが、法人成りした際の 「貸借対照表」 ではその借入金はどのように計上してありますか。
一般論としては、事業の開始仕訳に、借方:諸口/貸方:諸口 だったと考えられます。
② この借方諸口には、確定的な現金・預金、売掛金、商品 (在庫原価)、各種固定資産等があります。
③ この貸方諸口には、確定的な買掛金、借入金があります。
④ この確定的な借方と貸方の差額 (借方が多くなるのが通常) が、資本です。実質的には事業主が元入れした額と言えます。
資本金は、設立時に登記した額ですから、資本との差額は「資本剰余金」です。「金」 1文字の有無にご注意下さい。
⑤ このように説明すると、「家族から100万円の借り入れをして」 いた額は、資本剰余金の額の内訳になるはずです。
もし、それに収まらなければ、その借り入れは個人事業の期間中に返済不能になって消え失せたのです。家族から借りて事業をしていても、経営状況によっては起こりうることです。いわゆる赤字経営だったのです。
⑥ もし⑤で言った赤字経営だったのであれば、当然法人に借入金として計上できません。
⑦ ⑥でなかったら、④の資本剰余金のうち100万円を 「借入金」 としましょう。
これがあるべき姿です。
⑧ 顧問税理士が居られたら、必ず税理士に相談しましょう。
① 個人事業の最終 「貸借対照表」 は
借方 貸方
現預金 100万円 借入金 100万円
工具器具備品 170万円 買掛金 100万円
売掛金 100万円
借方合計 370万円 貸方合計 200万円
だったと言うことのようです。(売掛金と買掛金は仮定)
③ 前記①が正しければ、借方合計と貸方合計の差額 (370-200=170) により、170万円が設立時の資本だったと言えます。
④ 法務局に法人設立登記した際の資本金が100万円であったとすれば、(資本170-100=70) 70万円は資本剰余金だったと言えます。
⑤ 法人成りした後に事業主から借りていた100万円を返済しようとするならば、法人の会計から現金100万円を事業主個人に支払えば相済みです。
その場合の法人の記帳は、借方:借入金100万円/貸方:現預金100万円 になります。
⑥ 前記⑤の借方は、現預金・工具器具備品・売掛金などの、どれか一つであってもまたはその一部ずつであっても構いません。
⑦ 以上の結果、資本金と資本剰余金は変わりません。
⑧ なお失礼ですが、日本商工会議所簿記会計の2級程度は習得されることをお勧めします。
その時間がないのならば、各地の商工会が実施している 「ネットで記帳」 システムを利用することを強くお勧めします。
多少の知識がある上に金を掛けられれば、ソリマチの会計王 (PCソフト) も良いでしょう。
ご丁寧に、ありがとうございました。
>③ 前記①が正しければ、借方合計と貸方合計の差額 (370-200=170) により、170万円が設立時の資本だったと言えます。
これは、株式会社の方の「資本」のことでしょうか?
なお、若干の誤解があるようなので、
借入れをしたのは、「個人事業主」本人からではなくて「事業主」の妹からです。妹は法人成りした後も会社に関わってくるので、借入金を返済するよりも、出資させたいと思っています。
また、「個人事業主」は、私の姉なのですが、廃業後の平成30年度の所得を極力抑えたいとの相談を受けており、「個人事業」から「株式会社」への資産・負債の移行に苦慮しているところです。
いろいろと詳しいご説明をありがとうございました。
資本金周りの科目の性格について勉強します。
> ① だれが事業主であろうとも、だれから借り入れていても同じことです。
>
事業主以外からの借り入れなので、「役員貸付金」で処理します。
「資本剰余金」と「資本準備金」の性格について、勉強します。
>
> ③ 最後に書かれた 「資産・負債の移行に苦慮」 は、総務の森の範疇ではありません。税理士にしかるべき報酬を支払って相談して解決しましょう。
> もともと税理士に相談された事案だったと思われます。
私もそう思っていますが、社長が渋っています。
大手の税理士法人に問い合わせたところ、月間契約で30万円程度ということだったのでビビっています。(´∀`)
どうも、迅速なご回答をありがとうございました。
村の平民さんから回答をいただいていますが、若干の誤解があるようですので補足しておきます。
まず、会社設立時において代表者個人の借入金は資産にあたるものではないため、現物出資することはできません。
また、設立時に現物もしくは現金で出資した金額から資本金勘定にするものが資本金、資本金勘定に繰り入れなかった余りが資本剰余金(資本準備金)になります。
すなわち、代表者個人の借入金が現物出資できない以上、借入金相当分が資本剰余金になることはありません。
工具器具備品の170万円につきましても、会社設立時に現物出資としなければ、会社の資産ではありません。
現預金残高100万円は会社設立時に出資されたと思われます。
代表者個人の借入金100万円を会社の資本金とするには、
代表者貸付金 100万円 / 借入金 100万円
として、まず会社の借入金とするとともに同額を代表者への貸付金として処理します。
その上で、DES(デット・エクィティ・スワップ)を行って会社の借入金を資本へ繰り入れる方法がありますが、DESの場合は100万円全額を繰り入れることができるとは限りません。(DESの手続き詳細は省略します)
さらに、これはあくまでも会社の借入金を資本に繰り入れるものであって、代表者貸付金はそのまま残ります。
代表者貸付金は回収が短期でできる場合は問題ありませんが、回収が長期になる場合は代表者から貸付利息を取って計上する必要がありますし、妹さんが出資者になることもできません。
妹さんを出資者にするには、どんな形であれ100万円の現金を作り、いったん妹さんへ返金したのちに、その100万円を出資してもらい増資の手続きをするに方法はないと考えます。
工具器具備品 170万円を現物出資していないのでしたら、会社で購入するという方法も考えられますが、その場合は購入額が代表者の収入になりますので、平成30年度の代表者個人所得を極力抑えたいとの趣旨には反します。
(追記)
工具器具備品 170万円を現物出資として増資してもいいのですが、その場合は会社の固定資産税の対象になる場合がありますので留意してください。
仕訳は
工具器具備品 170万円 / 資本金 170万円
となりますが、増資の手続きを終えてからになります。
増資の場合は代表者の個人所得にはなりません。
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